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フジテレビ系フジテレビ開局55周年特別企画『オリエント急行殺人事件』公式
第二夜の感想。
なお、アガサ・クリスティによる原作の長編推理小説(1934)は既読。また、シドニー・ルメット監督映画(1974)も鑑賞済み。

【注】本作をを楽しくご覧になった方は、読まない方が良いです。


第二夜は、時間と空間を広げ、犯人の視点から事件を再構築。犯人側から事件を振り返り、犯行に至るまでの経緯を丹念に描く。それは綿密な犯罪計画に裏打ちされた、驚異の復讐(ふくしゅう)劇だった。
原作をこよなく愛する三谷にしかなし得ない、驚がくの展開が待ち受ける。かつてない超豪華な容疑者たちの命を懸けた物語。まだ世界の誰も見たことのない『オリエント急行殺人事件』がここに誕生する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

久し振りの、後味が悪い長編ドラマだった

第一夜の感想で書いた通り、私は本作の原作にも劇場版(1974年公開)にも思い入れがある。だから、本作だけは原作や過去の作品と切り離して考えるのは難しい。しかし、なるべくドラマとしての感想を書いてみる。第二夜は、最後のオチが稀に見る(言葉は悪いが)反吐が出るほど後味の悪い長編ドラマだった。

第一夜は劇場版の忠実な再現として評価した私だが、エンディングだけが劇場版と違い、ブツ切れ状態で終わったのが妙に気になっていたのだ。

ナイスなチームワークと興味本位の探偵のお話

だから私は第二夜に期待した。三谷脚本とその常連出演者が織りなすであろう、壮大な事件を実行するまでの数年間と、犯行当日の次々と起こる想定外の出来事を犯人たちがどう考え避けていくのかを、面白おかしく描いてくれるものだろうと。しかし、その期待は見事に裏切られた。

13人の共犯たちによる殺人事件を、過去の深い悲しみを背負っているようには全く思えない老若男女のナイスなチームワークに描き、ただ興味本位に推理を楽しんだだけの勝呂武尊(野村萬斎)が殺人犯たちを称賛するような形で終わったことには、流石に悪ふざけにも程があると思う。肝心なところを笑いで逃げるのは、最近の三谷脚本の悪い癖だ…

本作と、原作や劇場版との違いを考える

さて、劇場版との違いをまだ観ていない人のためにも書いてみる。名作と言われる原作も劇場版も、最後は探偵が犯人たちを言及・追及することはない。これがアガサ・クリスティーの作品中でも稀な奇妙なエンディングを持つと言われる『オリエント急行の殺人(原作)』の特徴だ。

原作も劇場版も、この複雑な殺害方法とマフィアによる殺害の二択を鉄道会社が選び警察に報告するよう探偵が促し、鉄道会社の重役が別の制服が1着あることから、別に犯人がいて逃走したマフィア説を選ぶ。

劇場版の犯人たちには、恐怖と罪の意識に苛まれている

流れは本作と似ているが、決定的な違いは、劇場版ではポアロに糾弾されている際の犯人たちは恐怖と罪の意識でいっぱいなのだ。本作のように、やり遂げた感を漂わせたり「あわよくば」なんて思ってもいないのだ。

また、一探偵風情は正義の審判まで口を挟まない。と、キザなエンディング。そしてエンドクレジットではカーテンコールの代用に、陰惨な事件に関わったのに、乗客たちは互いに抱擁し乾杯するシーンが描かれる。これは音楽を含め豪華オールキャストによる娯楽作品を強調するためと言われている。しかし、本作は豪華と言えるかどうか…

なぜ、探偵は新たな犯人説を提示したのか

そして、現代の日本の感覚では、ポアロたちが殺人事件の12人もの真犯人を全員見逃し、嘘の事件をでっちあげるのはおかしなことだが、当時このエンディングが受け入れられたのには諸説あるが、私は2つあると思う。

1つは探偵と医者と重役を含めたあの小さな社会空間の中で、13人(内1人は間接的に)は殺人を実行した事実と復讐の罪を背負って生きていくことを、残りの3人が選択するかと言えば難しいと思うこと。

2つ目は、12と言う数字と陪審員の関連。ポアロがマフィア犯人説を出さなければ、重役と医者に選択肢は無い。しかし、ポアロが2つの選択肢を用意したことで重役と医者は善意の選択が出来た。この日本には馴染みの薄い陪審員制度も、このエンディングを良しとする向きに影響はないだろうか。

あとがき

だらだらと書きましたが、2日間を通してみると、第一夜は劇場版へのオマージュ満載のリメイク版(但し、エンディング抜き)、第二夜は13人が復讐を口実にナイスなチームワークで殺人を犯し、運良く見逃がしてもらいましたとさって、特に心に何も響かない作品で終わったのが残念です。

どうせリメイクするなら、エンディングを書き換えるくらいの意気込みが欲しかったし、著作権上無理なら、エンドクレジットの映像で事件後の13人の幸福な姿を描き出し、探偵や重役や医師の選択が正しかったのか余韻を残すくらいの事はして欲しかったです。
最後に、2日間に亘り、長文の記事を読んで下さり、ありがとうございました。

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オリエント急行殺人事件 (第一夜・/2015/1/11) 感想


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  • 無題
さき 2015/01/14(Wed)17:47:36 編集
あなたの感想を見て改めて思ったのですが三谷さんはあのエンディングにすることでワザとポアロの決断というか殺人を許した結末を見た人にそんなんで良いの?と思わせようとしたのではないかと。
言わばハッピーエンドのはずなんだけどちょっとおかしいよねと気持ちよく終わらせないために。

殺した人達は復讐の為とは言えやっぱり計画的に人を殺すような人はどこか人としておかしいし、それを許すポアロ側もやっぱりダメな人達として映るようにしたんじゃないですかね。

もし原作や既存の映像作品のようにしたらある程度殺人を認める感情に流し、殺した人達が可哀想な人達にも思わせるかもしれませんからね。

あと原作のポアロは誇らしいとか言わなかったけど結局許した時点で共犯というか、苦しい決断をしたとか殺人を認めたポアロをある意味かっこよく映すより今回のセリフの言わせ偽善的に映することで原作のポアロの決断に幻想的に討論する原作信者にそんな深い話ではなくこんな感じだったかもよ的に三谷フィルターを見せたのかなと。

実際最初からポアロをどこかバカにしているような感じで正直そんなに主役として大切にしている感じじゃなかったですからね。
今回の作品に関しては三谷さんの興味はポアロの推理や決断より第二夜部分の13人で殺人を計画して実行した人達はどんな人達なのか。

  • Re:無題
みっきー 2015/01/14 18:40
☆さきさん
コメントありがとうございます。

原作とも劇場版とも比較しないとしたら…
って考え方が本作には当て嵌まらないかなと思うようになりました。

だって、つくり手も、観る側もみんな比較している訳ですから、
私一人が比較しない立場でも意味が無いと言うか…

でも、ドラマとして考えると、
普通の豪華キャストを集めて、
それぞれに見どころを作ってあげた、
中身をどうこう言うようなものでない娯楽作品だと思います。

それこそ、その昔、年末年始に放送していた
12時間超の超ワイドドラマみたいな感じで。

どの位の人が二夜観たのか知りませんが、
平均視聴率は11日が16.1%、12日が15.9%
(ともにビデオリサーチ調べ、関東地区)だったそうですから、
第二夜は別作品って捉えた方が良いかもしれません。

第一夜は、劇場版を日本版で再現。
第二夜は、みんなで仇討ち合戦。
こう考えれば、今回の集団仇討ちの良し悪しを
視聴者に投げちゃうのは(ズルいけど)アリかな?って思います。
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