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朝ドラ「ばけばけ」帝大解雇の大ピンチが生んだ奇跡! 小泉八雲と妻セツ、どん底から『怪談』への逆転人生
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【忠告】
朝ドラ『ばけばけ』の先の展開のネタバレは基本的に書いてありませんが。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と、妻・セツ夫妻の[史実]について触れます。
あとから「読むんじゃなかった…」がないよう、読む際は自己責任でお願いします。
 ※以下、敬称は部分的に使い分けをします。



窮地に直面した小泉八雲と妻セツの晩年にまつわる[史実]

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―――ここまで、お知らせ―――

俳優・高石あかり(※高=はしごだか)さん主演でヒロイン・松野トキを、トミー・バストウさんがレフカダ・ヘブンを演じ、文豪・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と、妻・セツをモデルにしたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『ばけばけ』(NHK総合・月~土、午前8時~ほか)。

第25(最終)週『ウラメシ、ケド、スバラシ。』の前半では、主人公・トキと夫・ヘブンの「晩年」がわずかですが描かれました。

しかし、『ばけばけ』が描く《ヘブンの晩年》は、[史実]のボリュームと比較して、あまりに短く薄く弱いです。

そこで今回は、窮地に直面した小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の晩年にまつわる[史実]を記してみます。

きっと、「本編」では採用されない(と思います)エピソードを知ることに」なるので、より今作を深読みできると思います。


順風満帆な生活に突きつけられた非情な宣告

新しい家に移り住んでからちょうど1年が経った明治36(1903)年の春、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の身に大きな試練が降りかかった。

長年勤めてきた東京帝国大学から、突然の解雇を言い渡されたのである。

当時の日本はロシアとの戦争を目前に控え、国全体がピリピリとした緊張感に包まれていた。

かつての悔しさ(三国干渉)をバネにして、日本は自分たちの力で国を強くしようと必死だった時代である。

その影響は教育の場にも波及し、高い給料を払って外国人を雇うよりも、海外で学んで帰ってきた日本人に任せようという動きが強まっていたのだ。

大学のトップと同じくらいの高い報酬を得ていたハーンは、まさに経費削減のターゲットにされてしまったといえる。

しかし、八雲の授業は学生たちから熱狂的に支持されていた。

クビの噂が広まると、学生たちが大学側に抗議するほどの大騒ぎになったのだ。

八雲が語る情緒豊かな物語の世界や、学生の探究心を大切にする教え方は、当時の若者たちの心を強くつかんでいたのである。


文豪・夏目漱石への交代と揺れ動くキャンパス

ハーンの後を受けて教壇に立ったのは、のちに国民的作家となる夏目漱石だった。

二人は以前も同じ学校(現在の熊本大学の母体となった「第五高等学校」)で入れ替わっており、不思議な縁で結ばれている。

しかし、学生たちの反応は冷ややかだった。

物語のように語りかける八雲の授業に慣れていた彼らにとって、英語を理屈で分析する漱石のスタイルは退屈に感じられたようだ。

学生たちは露骨に不満を表し、授業を拒否する者まで現れる始末だった。

これには漱石もかなり参ってしまい、偉大な前任者である八雲と比較される苦悩を妻に漏らしていたという。

そして、大学が漱石に支払った年俸は800円だった。

明治時代の1円の価値を現在の物価と照らし合わせると、当時のエリート層の収入水準を基準にした場合、およそ25,000円から30,000円程度の価値がある。

つまり漱石の年収は約2,000万円から2,400万円ほどとなる。

対して八雲の給料はその約6倍、現在の価値で1億円を優に超える巨額の報酬を得ていた。

大学側としては、八雲一人分の給料で日本人講師を6人も雇えるという計算であり、財政難の中での苦渋の決断だった側面もある。


巨額の年収を失っても揺るがない妻の信念

八雲は、大学側の事務的な対応に心を痛め一方のていた。

時代の流れで解雇されることは理解していても、直接の説明もなく紙一枚で済まされるような冷たいやり方が我慢ならなかったのである。

しかし、ここで輝きを放ったのが妻のセツである。

一家の大きな収入源が断たれるという非常事態にも、彼女は驚くほど冷静だった。

彼女は長男の一雄に対して、次のように言い聞かせている。


「パパ様は今度帝国大学の方をお止めなさることになりました。パパ様のことだから私達が食べられないで困るようなことはなさらないだろうけれど、何分普請をした後ではあり、今までよりは収入もずっと減るのですから、お前もそのつもりで我儘をいってはいけませんヨ」

 ※出典:小泉一雄『父「八雲」を憶う』

セツがここまでどっしりと構えていられたのは、夫の文筆活動が軌道に乗っていることを知っていたからであり。

何よりこれまでの数々の困難を二人で乗り越えてきたという強い自信があったからに違いない。


二人の絆が紡ぎ出した傑作『怪談』の誕生

大学を去ったことで、八雲が机に向かう時間は以前よりも増えた。

それに合わせて、セツのサポートもより深いものになっていく。

彼女は古本屋を回って不思議な物語(怪談)を探し出し、それを自分の言葉でハーンに語り聞かせた。

明治37(1904)年、二人の共同作業の集大成ともいえる名作『怪談(KWAIDAN)』が世に送り出された。

セツは自分を「学問のない女」だと謙遜したが、八雲はそれを強く否定した。

彼女が日本人の心を持ち、素直な感性で物語を語ってくれたからこそ、世界中の人々に愛される文学が生まれたのである。

そう、セツの語り口こそが、八雲の想像力を刺激する最高のスパイスだったのだ。

八雲は息子に対しても、これらの本が全てセツのおかげで生まれたものであると語り、彼女を「世界で一番のママ」だと心から称賛した。

経済的な豊かさよりも大切なものが、この家族にはしっかりと根付いていたのである。


新たな希望の地・早稲田大学での再出発

『怪談』の出版と同じ時期、八雲には新たな活躍の場が用意されていた。

私立大学として再スタートを切ったばかりの早稲田大学である。

大学としての知名度を上げたい早稲田にとって、八雲のような有名で人気のある講師は喉から手が出るほど欲しい人材だった。

しかし、授業時間は週に4時間と大幅に減っており、時給に換算すれば以前よりもずっと条件は良くなっている。

執筆に集中できる時間が増え、かつ十分な生活費も確保できるこの仕事は、八雲にとって理想的な再出発となった。

どん底の失業劇かと思われた出来事は、結果として家族の絆を深め、不朽の名作を生み出し、新しいキャリアへとつながる幸運な転機となったのである。


あとがき

高額な収入を失うという大きな出来事を前にしても、決して希望を捨てずに前を向いた八雲と、彼を信じて支え続けたセツの姿には、現代の私たちも学ぶべきものがたくさんあります。

特にセツさんの落ち着いた対応は、家族にとって何よりの救いになったはずです。

困難に直面したときこそ、周りの人との絆や自分の才能を信じることが、新しい道を切り開く鍵になるのだと勇気をもらえるエピソードですね。

それだけに、朝ドラ『ばけばけ』で《ほぼ描かれなかった》のは残念でなりません。pan>

ドラマで描かれるフィクションの奥に、こうした史実を知ることで、物語がより深く、温かく感じられると思います。

読者の皆様の “ドラマを楽しむ” ためのお役に立てれば幸いです。


参考・出展

『小泉セツとハーンの物語: ー小泉八雲「怪談」誕生のひみつー』三成清香(著)少年写真新聞社 新窓で開きます
『小泉八雲 漂泊の作家ラフカディオ・ハーンの生涯』工藤美代子(著)毎日新聞出版 新窓で開きます
『ヘルンとセツ』田淵久美子(著)NHK出版 新窓で開きます
『セツと八雲』小泉凡(著)朝日新聞出版 新窓で開きます
『小泉八雲とその妻セツ 古き良き「日本の面影」を世界に届けた夫婦の物語』青山誠(著)KADOKAWA 新窓で開きます
『面白すぎて誰かに話したくなる 小泉八雲とセツ』伊藤賀一(著)リベラル社 新窓で開きます『八雲の妻:小泉セツの生涯』長谷川洋二(著)今井書店 新窓で開きます
『小泉八雲と妖怪』小泉凡著(著)玉川大学出版部 新窓で開きます
『怪談・骨董』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『日本瞥見記(上・下)』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『東の国から・心)』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『思ひ出の記』小泉節子(著)・小泉八雲記念館(監修)ハーベスト出版 新窓で開きます
『ドラマ人物伝 小泉八雲とセツ:「怪談」が結んだ運命のふたり』NHK出版(編)NHK出版 新窓で開きます
『ラフカディオハーンが愛した妻 小泉セツの生涯』櫻庭由紀子(著)内外出版社 新窓で開きます
■「詳述年表ラフカディオ・ハーン伝」板東浩司(著)英潮社
■「小泉八雲: 思い出の記・父八雲を憶う」小泉節子,小泉一雄(著)恒文社
■https://archive.org/details/kottojapanese00hearrich KOTTO
■https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.79571/page/n13/mode/2up KWAIDAN
■https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.45846/page/n11/mode/2up Out Of The East
■https://archive.org/details/glimpsesofunfami0lhear Glimpses of unfamiliar Japan vol.1
■https://archive.org/details/glimpsesofunfami02hear Glimpses of unfamiliar Japan vol.2
■「松江に於ける八雲の私生活」桑原羊次郎(著)山陰新報社
『ラフカディオ・ハ-ンのアメリカ時代』エドワード・ラロク ティンカー(著)木村勝造(訳)ミネルヴァ書房 新窓で開きます
■『小泉八雲事典』平川祐弘(監修)恒文社
『夢の途上: ラフカディオ・ハーンの生涯〈アメリカ編〉』工藤美代子(著)集英社 新窓で開きます
『評伝ラフカディオ・ハーン』E.スティーヴンスン(箸)遠田勝(訳)恒文社 新窓で開きます
『小泉八雲 日本を見つめる西洋の眼差し』筑摩書房編集部(箸) 新窓で開きます
『明治時代の人生相談』山田邦紀(著)幻冬舎 新窓で開きます
■富田旅館の証言(国立国会図書館サーチ〈NDLサーチ〉 新窓で開きます
レファレンス協同データベース 新窓で開きます
島根郷土資料刊行会編「西田千太郎日記」 新窓で開きます
国立国会図書館蔵書「小泉八雲全集 第1-17巻」 新窓で開きます
名古屋大学「人事興信録」データベース 新窓で開きます
書陵部所蔵資料目録・画像公開システム - 宮内庁 新窓で開きます
『父小泉八雲』小泉一雄(箸)小山書店 新窓で開きます
『小泉八雲「見えない日本」を見た人』畑中章宏(著)光文社新書 新窓で開きます
『ラフカディオ・ハーン-異文化体験の果てに』牧野陽子(著)中公新書 新窓で開きます
『さまよえる魂のうた 小泉八雲コレクション』小泉八雲(著)、池田雅之(編)ちくま文庫 新窓で開きます
『小泉八雲と松江―異色の文人に関する一論考』池野誠(著)島根出版文化協会 新窓で開きます



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連続テレビ小説「ばけばけ」

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『ばけばけ』
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第122回第25(最終)週『ウラメシ、ケド、スバラシ。』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。


子供たちの遊ぶ様を見守る、トキ(髙石あかり)とヘブン(トミー・バストウ)。庭には季節外れの桜が返り咲きしている。その桜を見たヘブンは、日本に来た日のことを思い出していた。ある日の食事時。ヘブンは魚の小骨取りをトキにお願いする。久しぶりのお願いに、昔を懐かしむトキとヘブンだった。夕方。西向きの部屋の縁側に座り、美しい夕陽を眺めながらトキとヘブンは静かに語り合う。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------


原作:なし
脚本:ふじきみつ彦(過去作/バイプレイヤーズ,きょうの猫村さん,一橋桐子の犯罪日記)
演出:村橋直樹(過去作/まれ,透明なゆりかご,サギデカ) 第1,2,5,7,13,14,19,23,25(最終)
   泉並敬眞(過去作/スカーレット,カムカムエブリバディ,ブギウギ) 第3,6,9,12,15,18,24
   松岡一史(過去作/まんぷく,心の傷を癒すということ,カムカムエブリバディ) 第4,8,10,16
   小島東洋(過去作/『ばけばけ』助監督) 第11,21
   小林直毅(過去作/『ばけばけ』助監督) 第17,20,22
制作統括:橋爪國臣(過去作/青天を衝け,あなたのブツが、ここに,ブギウギ)
音楽:牛尾憲輔(過去作/チェンソーマン,僕の心のヤバイやつ,ダンダダン)
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
土曜日版ナレーション:北郷美穂子(NHK大阪アナウンサー)
副音声解説:山崎健太郎(過去作/舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ,虎に翼,おむすび)
副音声日本語吹替:西地修哉(ヘブン担当)、木村はるか(リヨ担当)
タイトル写真:川島小鳥(過去作/未来ちゃん,SHISHAMOアートワーク)
タイトルロゴ:西沢和樹(instagram.com/nishizawa_k/)
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、川野秀昭、田中陽児|美術:山内浩幹、淀裕矢、向理沙、有本弘、和田岳秋|技術:増田徹、備中正幸、酒井俊史|音響効果:松本有加、巽浩悦、吉田直矢|撮影:岩崎亮、関照男|照明:根来伴承、大西弘憲、武井美晴|音声:吉竹淳樹、稲垣雄二、大成友二、安河内裕斗|映像技術:前田惇徳、原幸介、山下健、若嶋なな、日野維乃|カラーグレーディング:原幸介、前田惇徳、山下健、日野維乃、若嶋なな|VFX:西垣友貴、神戸大樹、山田茂人、北島規、北島規、眞弓敬司|CG:大西智子、空閑卓海、古市百人、佐藤望、田邊亮哉、大関聡|美術進行:澤幸樹、嶋原広起、大塚良子、厚朴美沙子、毛尾喜泰|装置:佐藤千織、坂口大吾、山中宏華、澤井洸、平松康、吉田隆広、布川紗生、大島櫻子|装飾:津村政幸、横田浩之、長洲史、横田浩之、高浪隆史、三好勇作、石井千尋、三村つかさ、田中美紅|特殊効果:奥村陵、宮崎真有|衣装:横山智和、中村みのり、鍛本美佐子、横山智和、石川カンナ|メイク:堀洋子、正田早百合、秋山直美、櫻井安里紗|持道具:楠正由貴、森上陽子、高屋友里|かつら:松本誠也、丹波峯子、山崎浩彦、栗野洋子|特殊メイク:江川悦子、権田日和、山埼佳子|特殊メイク協力:荒井律子、大谷美咲、山埼佳子|助監督:小林直毅、小島東洋、田中陽児、早川俊介、岡本拓大、後藤怜亜、大野陽平、小峰陸矢、上野香織、佐伯木乃実、畝岡歩未、増田愛海、野曾原明香、中元芽生、佐々木俊、石名遥、木村修、松岡一史|制作担当:木村晴治、長岡しのぶ、本田良太、森岡あゆみ、片山哲治、斎藤明日香、竹本航、徳岡美紀、奥山温子|取材:川野秀昭、鈴木航|編集:藤澤加奈子|記録:木本裕美|時代・風俗考証:刑部芳則|松江風俗考証:藤岡大拙|出雲ことば指導:多々納斉、松島彩|熊本ことば指導:梅原勇輝|所作指導:藤間豊宏|料理指導:広里貴子|英語指導:塩屋孔章、ネイサン・ベリー、米倉リエナ|英字指導:前田祐加|眼科指導:大路正人、川村肇|医事指導:矢木崇善|助産指導:前田利子|怪談ばなし指導:玉田玉秀斎|茶道指導:有澤一男|三味線指導(タエ):菊央雄司|三味線指導(遊郭):長江浩子|アクション指導:中村健人|日本画指導:諫山恵実|絵画指導:苅谷昌江|華道指導:神前光園|造園:堤正和、宮崎昭徳|書道指導:今口鷲外|ほら貝指導:林龍沁
※敬称略




最終週でも揺るがない「時間経過」と「雰囲気演出」の妙

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今回はメインタイトル映像が変則パターンなので、早速「本編」の話をしようと思う。

本作の脚本家や演出家や制作統括が、最終週でも様々な要素にこだわっているのは伝わるし、悪いとは思わない。

序盤の約3分間だけでも、庭先でのスキップの「タタッ タタッ!」、朝食時のしじみ汁のあとの「あ~!」、焼き魚の小骨取り、花田旅館 の主人・平太(生瀬勝久)にまつわる食の「ジゴク」、そして第15回(2025年10月17日放送)のサワ(円井わん)の「上手に取り乱せちょるよ」を盛り込んできた。

今回の‘流れ’が‘この流れ’だからこそ、過去の出来事、しかも印象的な「セリフ込みの場面」を引き合いに出して使うのは、単純に物語の時間を飛ばす「時間経過」も伝わりやすい。

また、あえて蛇と蛙(渡辺江里子&木村美穂 ex.阿佐ヶ谷姉妹)の‘影の声’を重ねずに、登場人物らの言動で「時間経過」を表現したのも一定の評価はできる。

そして何よりも、‘この流れを実に落ち着いた雰囲気で構築した、良くも悪くも最終週でもブレないチーフ監督・村橋直樹氏の《雰囲気重視・ムードや映え優先させすぎ、コミカル強め》な演出傾向も「今回にうまく機能した」と思う。

まあ、夕景を表現する背景のホリゾント(光や映像で自由に景色を作れる、巨大なキャンバス)や照明演出は、明らかに《雰囲気重視・ムードや映え優先させすぎ》であるが。


朝ドラ ばけばけ
©NHK


“何も起こらない物語”が導いた、最終週の静かな転換点

後半は、前回の予想どおりに「次回でヘブンは○○する」の展開となった。

まあ、一部の視聴者や読者様は「思ってもいなかった」かもしれないが。

しかし、ふじきみつ彦氏のこれまでの本作の脚本構成を鑑みれば、フツーに思いつく展開なのだ。

だって、彼は当初から「何も起こらない物語」を描くと主張していたし、実際のドラマもそうなっていたのだから、必然的に “ヘブンの死” も “騒動化” せずに描くはずなのだ。

さらに、本作で「何も変化しない」のは「水曜日」であるから、“ヘブンの死” を組み込む(組み込める)のは「最終週では火曜日しかない」ということ。

とはいえ、直近の三か月のぐだぐだぶりからすれば、「火曜日に区切りをつけた」のは、脚本家としての工夫だと言える。

なぜなら、最近の朝ドラを見ている人は分かると思うが、基本的な構成は「一週間分のネタを金曜日まで引き延ばす」のが定型になっている。

でも、本作の最終週に限っては、その定型を崩して「週の途中で区切る」と「一週間に複数のネタを入れる」をやっているのだ。

また、『ばけばけ』のテキストタイトルだけ序盤に独立させ、キャスト&スタッフロールは「キャストのみ終盤にまとめて画面左下に小さく」「スタッフ分は数名以外は削除」し、本作の世界観を壊さない工夫として有用だったと思う。

いや、むしろ、トキ(高石あかり※高=はしごだか)とヘブン(トミー・バストウ)の幸せオーラ全開のスナップ写真を採用した通常のメインタイトル映像を排除した脚本家や演出家や制作統括の判断が、最も評価されるべきかもしれない。


“怪談”不在のまま進んだ追想回が残した、大きすぎる空白

当然まだ目にしていないが、ネット界隈ではおおむね「神回!」「号泣回!」的な称賛が待っているのだろうか。

しかし、そんな世間の「神回!」「号泣回!」だとしても、1週間後に91歳の誕生日を控えていた義理の母が脳梗塞で緊急入院中の私には、大変に気になる点があった。

それは、本作の物語の象徴である「怪談」が描かれたのが「前回だけ」なことだ。

そもそも「怪談」は、主人公のトキにとって「らしさの象徴」であり、「トキを形成する大切な要素」であり。

同時に、ヘブンにとっては「トキとの絆を深める重要なきっかけ」であり、様々な挫折や苦悩から「情熱を取り戻す原動力」にもなっていたのだ。

ここを理解できる人なら、トキとヘブンにとってこれほど重要な意味を持つ「怪談」が、15分間のほぼ全編が「思い出を振り返る」なのに《ワンカットも挿入されない》のは違和感や異様を超えて、意味不明である。

もちろん、演出的に、映像的にあざとい、狙いすぎになることは百も承知だ。

しかし、むしろ、小泉八雲がモデルの朝ドラとして、第1回で怪談を象徴的に提示した『ばけばけ』だからこそ、トキが “夫の最期” を怪談を語るように進んでいく「寂しい物語」であってもよかったと思う。

個人的なことではあるが、1週間後に91歳の誕生日を控えていた義理の母が脳梗塞で緊急入院中だから、「寂しい物語」なんて1秒もみたくない… としても、である。


あとがき(その1)

今回にあった「返り咲きの桜」の元ネタですが。

小泉セツさんは、夫である小泉八雲の死後に回想録『思い出の記』を書きました。

その中で、「八雲が亡くなる二~三日前に、庭の桜が一枝だけ返り咲いた」「不吉な前ぶれだと感じていた」「その桜は女中が見つけ、家族の話題になった」と記しています。

八雲本人も庭に出て「桜に話しかけた」と書かれてるので、これが元ネタです。

しかし、《熊本県に「桜の花の返り咲き(一度満開になってから咲く)は縁起が良くない」の言い伝えがあるかどうかは確認できませんでした。


あとがき(その2)

残りの3回分は、[史実]をなぞるのなら、「トキがヘブンとの回想録を書くことになる」なんですけどね。

でも、[史実]を重んじるなら、回想録を書くように促すのは八雲の弟子であり八雲研究の中心人物「田部隆次」で、『思い出の記』は田部がセツから聞き書きしてまとめたものです。

また、田部がモデルの登場人物は『ばけばけ』にはいません

したがって、「田部」の役回りをイライザ(シャーロット・ケイト・フォックス)が代行する展開で終わると思われます。

どうでもいいことですけど。


お知らせ

昨夜、《間違いなく本作では描かれないエピソード》として、『日本人より日本を愛し、寺に救いを求めた男の祈りと夫婦愛』についての「補足記事」を投稿しました!

朝ドラ「ばけばけ」もう描かれない!晩年の小泉八雲… 日本人以上に日本を愛し、寺に救いを求めた男の祈りと無二の夫婦愛|ディレクターの目線blog 新窓で開きます


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朝ドラ「ばけばけ」もう描かれない!晩年の小泉八雲… 日本人以上に日本を愛し、寺に救いを求めた男の祈りと無二の夫婦愛
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【忠告】
朝ドラ『ばけばけ』の先の展開のネタバレは基本的に書いてありませんが。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と、妻・セツ夫妻の[史実]について触れます。
あとから「読むんじゃなかった…」がないよう、読む際は自己責任でお願いします。
 ※以下、敬称は部分的に使い分けをします。



日本人より日本を愛し、寺に救いを求めた男の祈りと夫婦愛

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―――ここまで、お知らせ―――

俳優・高石あかり(※高=はしごだか)さん主演でヒロイン・松野トキを、トミー・バストウさんがレフカダ・ヘブンを演じ、文豪・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と、妻・セツをモデルにしたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『ばけばけ』(NHK総合・月~土、午前8時~ほか)。

第25(最終)週『ウラメシ、ケド、スバラシ。』の前半では、主人公・トキとの夫・ヘブンの「晩年」が描かれています。

しかし、『ばけばけ』が描く《ヘブンの晩年》は、[史実]のボリュームと比較して、あまりに短く薄く弱いです。

そこで今回は、「日本を愛しすぎた男が抱いた純粋な悲哀」と「誰も入り込めない魔法のような夫婦の世界」という小泉八雲の晩年にまつわる[史実]を記してみます。

きっと、「本編」では採用されない(と思います)エピソードを知ることに」なるので、より今作を深読みできると思います。


誰も立ち入れない、夫婦だけの「秘密の言葉」

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が使っていた日本語は、家族以外にはほとんど通じない独特なものだった。

家族はこれを「ヘルンさん言葉」と呼び、日常のやり取りを楽しんでいた。

例えば、かつて住んでいた古い屋敷での出来事をきっかけに、「面白い家」という言葉が、本来とは逆の「汚くて暗い家」を指す身内だけの合言葉になることもあった。

こうした独自のルールが、家庭の中に温かい団らんを生んでいた。

しかし、この不思議な言葉を完璧に理解できたのは、妻の節子(セツ)だけである。

大人の二人が子供のような幼い口調で、何時間も楽しそうに語り合う様子は、まるで別世界のできごとのようだったのだ。

その光景は、学校に通う息子が友だちに自慢するほど神秘的で、他の誰にも入り込めない夫婦だけの空間を作り上げていた。


文壇の雄サン=テグジュペリも認めた、理想の愛のカタチ

人間の言葉によるコミュニケーションは、実はとても不完全なものである。

動物たちが視線を合わせるだけで意思を通わせるのに対し、人間は言葉を尽くしてもなかなか理解し合えない。

本当に自分の気持ちを伝えるためには、相手が自分を深く理解してくれる親友や恋人である必要がある。

言葉を介さずに通じ合える関係こそ、究極の形といえるだろう。


「愛とは、お互いを見つめ合うことではなく、共に同じ方向を見つめることである」

 ※出典:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(『星の王子さま』著者)

かつての偉大な文壇の雄が残したこの言葉通り、八雲と節子は、周囲に人がいてもまるで無人島に二人きりでいるかのように、自分たちだけの世界を深く共有していたのだ。


「日本を愛しすぎた男」の誇りと悲しみ

八雲は、日本人が当たり前だと思っている古い習慣や文化を、誰よりも大切にしていた。

ある時、新聞に「西洋のものが大嫌いな、ある身分の高い老婦人」の話が載っていた。

その女性は、石鹸やランプさえも「西洋臭い」と嫌い、屋敷の中を江戸時代のような暮らしで統一していたため、現代的な生活に慣れたメイドたちが次々と辞めてしまうという内容だった。

この記事を聞いた八雲は、子供のように手を叩いて大喜びした。

自分もその老婦人のような生き方が大好きで、一番の友だちになりたいとまで言った。

しかし、セツから「あなたは鼻が高くて目が青いから、その婦人に嫌われてしまいますよ」とからかわれると、八雲は自分の容姿をどうしようもなく悲しみ、ひどく落ち込んでしまった。

彼はそれほどまでに、心から「日本人になりたい」と願っていたのだ。


消えゆく古き良き日本への、激しい怒りと哀悼

八雲が最も苦しんだのは、日本が急速に欧米化し、古くからの伝統が失われていくことだった。

特に盆踊りのような村の行事が政府によって禁止されることを、彼は自分のことのように悲しんだ。

その怒りは、西洋の価値観を押し広める存在に向けられることもあった。

彼は、日本固有の文化が滅びていくのは、外来の思想が日本の精神を壊しているからだと信じていた。

八雲は仏教の考え方に深く共感しており、自分の死後についても、「虫や鳥に生まれ変わっても構わない。彼らの生活が人間より不幸だとは思えないからだ」と語っている。

彼は、日本人が古来持っていた「物のあわれ」という繊細な感情を、誰よりも深く理解していた。


騒がしい世を離れ、静かな寺の住職になる夢

八雲が日常の中で最も心を落ち着かせたのは、寺院の静かな境内を散歩することだった。

東京の富久町(とみひさちょう)に住んでいた頃は、近所にある通称「瘤寺(こぶでら)」へ毎日のように通っていた。

彼はそこの住職と仲良くなり、ついには「自分もこの寺の坊さんになりたい」と言い出した。

八雲は、自分が住職になり、節子が尼になり、息子が小さな小僧になって、毎日お経を読みながら静かに暮らす未来を真剣に夢見ていた。

彼は、この世の騒がしさや苦しみから離れたいという強い思いを抱えていた。

彼の作品の根底には、常にこうした「世の中を避けたい」という切実な願いと、深い悲しみが流れているのだ。


あとがき

小泉八雲という人物が、単に日本の文化を研究した外国人ではなく、どれほど深い愛情と情熱を持ってこの国を見つめていたかがよく分かります。

妻セツさんとの独自のコミュニケーションや、失われゆく伝統への強いこだわりは、現代の私たちが忘れてしまいがちな「日本の美しさ」を再発見させてくれるようです。

彼の抱いた悲哀すらも、日本への純粋すぎる愛の裏返しであったと感じられると思います。

ドラマで描かれるフィクションの奥に、こうした史実を知ることで、物語がより深く、温かく感じられると思います。

読者の皆様の “ドラマを楽しむ” ためのお役に立てれば幸いです。


参考・出展

『小泉セツとハーンの物語: ー小泉八雲「怪談」誕生のひみつー』三成清香(著)少年写真新聞社 新窓で開きます
『小泉八雲 漂泊の作家ラフカディオ・ハーンの生涯』工藤美代子(著)毎日新聞出版 新窓で開きます
『ヘルンとセツ』田淵久美子(著)NHK出版 新窓で開きます
『セツと八雲』小泉凡(著)朝日新聞出版 新窓で開きます
『小泉八雲とその妻セツ 古き良き「日本の面影」を世界に届けた夫婦の物語』青山誠(著)KADOKAWA 新窓で開きます
『面白すぎて誰かに話したくなる 小泉八雲とセツ』伊藤賀一(著)リベラル社 新窓で開きます『八雲の妻:小泉セツの生涯』長谷川洋二(著)今井書店 新窓で開きます
『小泉八雲と妖怪』小泉凡著(著)玉川大学出版部 新窓で開きます
『怪談・骨董』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『日本瞥見記(上・下)』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『東の国から・心)』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『思ひ出の記』小泉節子(著)・小泉八雲記念館(監修)ハーベスト出版 新窓で開きます
『ドラマ人物伝 小泉八雲とセツ:「怪談」が結んだ運命のふたり』NHK出版(編)NHK出版 新窓で開きます
『ラフカディオハーンが愛した妻 小泉セツの生涯』櫻庭由紀子(著)内外出版社 新窓で開きます
■「詳述年表ラフカディオ・ハーン伝」板東浩司(著)英潮社
■「小泉八雲: 思い出の記・父八雲を憶う」小泉節子,小泉一雄(著)恒文社
■https://archive.org/details/kottojapanese00hearrich KOTTO
■https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.79571/page/n13/mode/2up KWAIDAN
■https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.45846/page/n11/mode/2up Out Of The East
■https://archive.org/details/glimpsesofunfami0lhear Glimpses of unfamiliar Japan vol.1
■https://archive.org/details/glimpsesofunfami02hear Glimpses of unfamiliar Japan vol.2
■「松江に於ける八雲の私生活」桑原羊次郎(著)山陰新報社
『ラフカディオ・ハ-ンのアメリカ時代』エドワード・ラロク ティンカー(著)木村勝造(訳)ミネルヴァ書房 新窓で開きます
■『小泉八雲事典』平川祐弘(監修)恒文社
『夢の途上: ラフカディオ・ハーンの生涯〈アメリカ編〉』工藤美代子(著)集英社 新窓で開きます
『評伝ラフカディオ・ハーン』E.スティーヴンスン(箸)遠田勝(訳)恒文社 新窓で開きます
『小泉八雲 日本を見つめる西洋の眼差し』筑摩書房編集部(箸) 新窓で開きます
『明治時代の人生相談』山田邦紀(著)幻冬舎 新窓で開きます
■富田旅館の証言(国立国会図書館サーチ〈NDLサーチ〉 新窓で開きます
レファレンス協同データベース 新窓で開きます
島根郷土資料刊行会編「西田千太郎日記」 新窓で開きます
国立国会図書館蔵書「小泉八雲全集 第1-17巻」 新窓で開きます
名古屋大学「人事興信録」データベース 新窓で開きます
書陵部所蔵資料目録・画像公開システム - 宮内庁 新窓で開きます
『父小泉八雲』小泉一雄(箸)小山書店 新窓で開きます
『小泉八雲「見えない日本」を見た人』畑中章宏(著)光文社新書 新窓で開きます
『ラフカディオ・ハーン-異文化体験の果てに』牧野陽子(著)中公新書 新窓で開きます
『さまよえる魂のうた 小泉八雲コレクション』小泉八雲(著)、池田雅之(編)ちくま文庫 新窓で開きます
『小泉八雲と松江―異色の文人に関する一論考』池野誠(著)島根出版文化協会 新窓で開きます



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連続テレビ小説「ばけばけ」

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『ばけばけ』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)Instagram

第121回第25(最終)週『ウラメシ、ケド、スバラシ。』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。


トキ(髙石あかり)とヘブン(トミー・バストウ)の元に、アメリカから大きな荷物が届く。中には、トキとヘブンで作り上げた二人の本「KWAIDAN(「怪談」)」が!大はしゃぎするトキをはじめ司之介(岡部たかし)やフミ(池脇千鶴)、勘太と勲、クマ(夏目透羽)。その様子を見ながら、ヘブンはイライザ(シャーロット・ケイト・フォックス)からの書評に目を通す。そんなある日、ヘブンはトキに胸の痛みがあると告げる。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------


原作:なし
脚本:ふじきみつ彦(過去作/バイプレイヤーズ,きょうの猫村さん,一橋桐子の犯罪日記)
演出:村橋直樹(過去作/まれ,透明なゆりかご,サギデカ) 第1,2,5,7,13,14,19,23,25(最終)
   泉並敬眞(過去作/スカーレット,カムカムエブリバディ,ブギウギ) 第3,6,9,12,15,18,24
   松岡一史(過去作/まんぷく,心の傷を癒すということ,カムカムエブリバディ) 第4,8,10,16
   小島東洋(過去作/『ばけばけ』助監督) 第11,21
   小林直毅(過去作/『ばけばけ』助監督) 第17,20,22
制作統括:橋爪國臣(過去作/青天を衝け,あなたのブツが、ここに,ブギウギ)
音楽:牛尾憲輔(過去作/チェンソーマン,僕の心のヤバイやつ,ダンダダン)
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
土曜日版ナレーション:北郷美穂子(NHK大阪アナウンサー)
副音声解説:山崎健太郎(過去作/舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ,虎に翼,おむすび)
副音声日本語吹替:西地修哉(ヘブン担当)、木村はるか(リヨ担当)
タイトル写真:川島小鳥(過去作/未来ちゃん,SHISHAMOアートワーク)
タイトルロゴ:西沢和樹(instagram.com/nishizawa_k/)
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、川野秀昭、田中陽児|美術:山内浩幹、淀裕矢、向理沙、有本弘、和田岳秋|技術:増田徹、備中正幸、酒井俊史|音響効果:松本有加、巽浩悦、吉田直矢|撮影:岩崎亮、関照男|照明:根来伴承、大西弘憲、武井美晴|音声:吉竹淳樹、稲垣雄二、大成友二、安河内裕斗|映像技術:前田惇徳、原幸介、山下健、若嶋なな、日野維乃|カラーグレーディング:原幸介、前田惇徳、山下健、日野維乃、若嶋なな|VFX:西垣友貴、神戸大樹、山田茂人、北島規、北島規、眞弓敬司|CG:大西智子、空閑卓海、古市百人、佐藤望、田邊亮哉、大関聡|美術進行:澤幸樹、嶋原広起、大塚良子、厚朴美沙子、毛尾喜泰|装置:佐藤千織、坂口大吾、山中宏華、澤井洸、平松康、吉田隆広、布川紗生、大島櫻子|装飾:津村政幸、横田浩之、長洲史、横田浩之、高浪隆史、三好勇作、石井千尋、三村つかさ、田中美紅|特殊効果:奥村陵、宮崎真有|衣装:横山智和、中村みのり、鍛本美佐子、横山智和、石川カンナ|メイク:堀洋子、正田早百合、秋山直美、櫻井安里紗|持道具:楠正由貴、森上陽子、高屋友里|かつら:松本誠也、丹波峯子、山崎浩彦、栗野洋子|特殊メイク:江川悦子、権田日和、山埼佳子|特殊メイク協力:荒井律子、大谷美咲、山埼佳子|助監督:小林直毅、小島東洋、田中陽児、早川俊介、岡本拓大、後藤怜亜、大野陽平、小峰陸矢、上野香織、佐伯木乃実、畝岡歩未、増田愛海、野曾原明香、中元芽生、佐々木俊、石名遥、木村修、松岡一史|制作担当:木村晴治、長岡しのぶ、本田良太、森岡あゆみ、片山哲治、斎藤明日香、竹本航、徳岡美紀、奥山温子|取材:川野秀昭、鈴木航|編集:藤澤加奈子|記録:木本裕美|時代・風俗考証:刑部芳則|松江風俗考証:藤岡大拙|出雲ことば指導:多々納斉、松島彩|熊本ことば指導:梅原勇輝|所作指導:藤間豊宏|料理指導:広里貴子|英語指導:塩屋孔章、ネイサン・ベリー、米倉リエナ|英字指導:前田祐加|眼科指導:大路正人、川村肇|医事指導:矢木崇善|助産指導:前田利子|怪談ばなし指導:玉田玉秀斎|茶道指導:有澤一男|三味線指導(タエ):菊央雄司|三味線指導(遊郭):長江浩子|アクション指導:中村健人|日本画指導:諫山恵実|絵画指導:苅谷昌江|華道指導:神前光園|造園:堤正和、宮崎昭徳|書道指導:今口鷲外|ほら貝指導:林龍沁
※敬称略




最終週で際立った「助監督配置」の異例さ

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当ブログ的に注目したのは、最終週のスタッフ表だ。

演出は、チーフ監督の村橋直樹氏であるのは当然だとして、なんと「助監督」が、本作のサード(三番手)の演出担当・松岡一史氏であることだ。

本作は、二人の助監督が監督に昇格して散々な内容を送り出したが、最終週は名誉挽回ということか。


最終週で切り捨てられた“世界観の接続”という核心

最終週だから「時間がない」のは分かるし。

最終週だから「何か論じたところで意味はない」のも分かるのだが。

とはいえ、「主人公が生きている世界」と「主人公が生かされている世界」と「主人公が生きているから成立する世界」がリンクしているように描くことは、ドラマの世界観として重要なことなのだ。

であるなら、新刊「KWAIDAN」を読んだ登場人物として描いた丈(杉田雷麟)が、「初代リテラシーアシスタント」であった兄・錦織友一(吉沢亮)の弟である丈が、「KWAIDAN」をどう評価しているのか描ないのが気になってしょうがない。

繰り返すが、「時間がない」「今さら無駄」だとしても、ひと言でいいから盛り込むべきだったのでは?

それこそ、書評にあった「子供だましの民話集」なのかどうか?

なぜ、本作はここまで「モデルとなった人物」の肝心な部分を蔑ろにして、薄めに、いやほぼ描こうとしないのか疑問しかないのだが。


説得力を欠いた“執筆描写”が生んだ違和感

引き続き、無駄を承知で書いてみる。


ヘブン「スベテ ツマッテイマス。
 セカイイチ ホン デス」

ヘブン(トミー・バストウ)が言わんとすること、本作が描こうとしていることは分かる。

しかし、先週のわずか数分しか描かれなかった「執筆風景」では、さすがに‘このセリフ’をすんなりと納得するのは無理である。

もちろん、最終週だって渾身の力を振り絞って超好意的な脳内補完中だから「そうなんでしょうね」とは思える。

しかし、フツーに見てれば、「詰まっている‘スベテ’って何?」「‘セカイイチ’ってどこが?」状態なのでは?

もちろん、おそらく「次回でヘブンは○○する」だろうから、必死にヘブンのこの世での思いを盛り込んでいるのだろうが。

もう少し「熊本編」以降の時間配分を調整してでも「執筆風景」を盛り込んでおかなければ、このセリフに説得力は生じないと思う。


あとがき

今回を見て、「結末」が読めたような気がしました。

要するに、夫・小泉八雲との結婚生活の回顧録「思ひ出の記」を書いた妻セツさんと、本作のセツさんを重ねる最終回になるんでしょう。


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最後の作品はジャーナリストの着地点的な作品を期待したイライザ(シャーロット・ケイト・フォックス)が、「KWAIDAN」が「トキのために書かれた本」であること知って、「思ひ出の記」を書きなさい… って夫婦生活を振り返る。

まあ、この着地点であれば、確かに「トキの物語」であり、「トキとヘブンの物語」になります。

逆に、これ以外の着点では主題が曖昧になりすぎてダメだと思います。

最終週、プロたち、脚本家や演出家や制作統括の最後の最後にお手並み拝見です。
(まっ、素人が思いつくのでやれると思いますけど・笑)


お知らせ

昨夜、急遽になりましたが下記の投稿をさせていただきました。

【お知らせ】今後のブログ更新予定について|ディレクターの目線blog 新窓で開きます

3月22日は義父の墓参り、26日には義母が老人ホームに急遽、30日は義母の91歳の誕生日ということで、22日には自宅で過ごす最後の誕生日祝いをやる予定で着々と準備していたのですが。
21日の夕方、当然に「身体の右半分が動きにくい」ということで速攻千葉から東京の実家へ向かい、そのまま緊急入院となりました。

私、介護は実の両親と義父の3人をやってきて、つくづく感じるのは「介護をナメんなよ!」なんですよ。
体調や状況の安定が続いてホッとしているときこそ、突発的なトラブルが起こるので。

そんなわけで、容態が安定するまでいつ何が起こるか分かりませんので、しばらくの間の投稿は様子見しつつさせていただきます。


厳選『ばけばけ』で描かれない秘話の解説リンク集
●八雲×セツ「万物に霊が宿るアニミズム思想」 → こちら 新窓で開きます
●八雲先生が"英語"で伝えた日本の文化 → こちら 新窓で開きます
●八雲先生が"英語"で伝えた日本の文化 → こちら 新窓で開きます
●超裕福生活でも"熊本生活は3年間"のワケ → こちら 新窓で開きます
●八雲の"息子の名前の由来"と"英才教育" → こちら 新窓で開きます
※他のリンクは下記↓の折り畳みの中!

文中の方言風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
恋する方言変換 | BEPPERちゃんねる 新窓で開きます


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【2026年4月期/春ドラマ】の視聴予定&期待度! 配役,スタッフ,概要などの情報も満載!! 新窓で開きます内容を更新しました。読者の皆さんの見逃したくない連ドラを見つけるお役に立てれば幸いです。

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リブート

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第9話『夫婦』の感想。


冬橋(永瀬廉)から夏海(戸田恵梨香)を救い出した早瀬(鈴木亮平)。しかし夏海はなおも自分が“夏海”であることを認めようとしない。早瀬は夫として、そして拓海(矢崎滉)の父として胸の内を涙ながらに語り、守れなかった後悔と消えぬ家族への思いを伝える。その言葉に心を揺さぶられた夏海は涙で謝罪し、やがて早瀬を受け入れる。二人は家族を守るため、合六(北村有起哉)を組織ごと潰す決意を固め宣戦布告するが、合六は報復として拓海を人質に取り…。さらに裏では真北弥一(市川團十郎)との“ある約束”が交わされ、事態はより大きな闇へと広がっていく…。警察内部に潜むスパイの存在も明らかになり、早瀬は絶体絶命の窮地へと追い込まれていく…。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---


原作:なし
脚本:黒岩勉(過去作/グランメゾン東京,TOKYO MER,全領域異常解決室)
演出:坪井敏雄(過去作/妻、小学生になる。,ライオンの隠れ家) 第1~3,5,8
   田中健太(過去作/トリリオンゲーム,クジャクのダンス、誰が見た?) 第4,6,9
   元井桃(過去作/さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~) 第7
音楽:大間々昂、木村秀彬
主題歌:Mr.Children「Again」
パティシエ監修:本田珠美
P:東仲恵吾(過去作/ラストマン ー全盲の捜査官ー FAKE/TRUTH)
協力P:國府美和(過去作/すっぴんヒーロー)
   小髙夏実(過去作/着飾る恋には理由があって,クジャクのダンス、誰が見た?)
※敬称略




暴かれた真実と迫りくる魔の手

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人の‘みっきー’です!
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

【お知らせ】
現在、義理の母の急病により、更新が不定期になっております。
3月末の最終回シーズンや4月の新番組シーズンという大切な時期に重なり、楽しみにしてくださっている皆様には心苦しいのですが、投稿できるときに記事を更新していく予定です。
何卒ご理解いただけますよう、お願い申し上げます。
―――ここまで、お知らせ―――

令和8(2026)年3月22日に放送された物語の第9話では、ついに大きな転換期を迎え)た。

命の危険にさらされていた一香(戸田恵梨香)を間一髪で助け出したのは早瀬(鈴木亮平)。

この緊迫した状況の中で、一香の本当の姿が夏海(山口紗弥加)であることが判明する。

自らの正体を隠していたことを悔やむ夏海に対し、二人で困難を乗り越えようと力強く言葉をかけた早瀬。

復讐を心に決めた二人は、悪の組織に立ち向かう道を選ぶ。

しかしそれは、敵のボスである合六(北村有起哉)を本気にさせることでもあった。

組織は莫大な資金を動かし、早瀬たちを追い詰める準備を始める。

一方で早瀬は、警察の内部に裏切り者が潜んでいることに気づき、信頼できる仲間にその正体を探るよう依頼した。


巧妙な罠と絶体絶命の瞬間

第9話での物語は政治の世界をも巻き込み、大きな渦となっていく。

野党を率いる重要人物として真北弥一(市川團十郎)が登場し、合六と手を組んで国全体を「リブート(再起動)」させようと目論む。

彼らが掲げる理想の裏には、汚れた資金が流れるという皮肉な現実があった。

こうした歪んだ世界を象徴するのが冬橋(永瀬廉)という男である。

早瀬は彼を味方に引き入れようとするが、冬橋は冷徹にそれを拒絶した。


冬橋「俺たちの世界に真相や真実なんてものはない。
 裏に何があるかなんて誰にもわからない」

冬橋の裏切りによって早瀬は捕らわれ、夏海もまた恐ろしい真実を目の当たりにすることになる。

本作が面白いのは、ドラマの脚本そのものは脚本が書いているが、劇中の世界ではまるで合六が物語を書く作者のように、登場人物たちの運命を自在に操り、二人を絶望の淵へと追い込んでいく点だ。

銃口が向けられ、誰もが息をのむような状況で物語は最終回へと続くことになった。


なぜ直球の家族愛を描くのか

ここからは、表層部分から “ドラマ” としての内部に切り込んでみる。

物語が終盤に向けて最も大切にしているテーマは《夫婦や親子の強い絆》である。

制作陣は、日曜日の夜に放送されるドラマとして、どんなに厳しい状況でも家族を思う気持ちは変わらないというメッセージを込めたのだろう。

あえて複雑な人間関係ではなく、真っ直ぐな愛情を描くことにこだわった理由があるはずだ。

きっと、刺激的な作品が多い今の時代だからこそ、お互いを信じ抜く純粋な愛の形が、見る人の心に強く響くと考えたに違いない。

たとえ裏社会が舞台であっても、大切な人を守りたいという人間の熱いエネルギーを表現するために、あえて直球のドラマを作り上げたのである。


最後の再起動が意味するもの

いよいよ迎える最終回では、冷徹だった冬橋がどのような答えを出すのかが大きな見どころとなるだろう。

合六から教わった「事実だけを見る」という冷たいルールを、彼が自分の意志で変えることができるのか?

彼が本来あるべき場所に戻れるかどうかが、物語の鍵を握っていると思う。

絶体絶命のピンチに立たされた平凡な夫婦が、愛する息子のために巨大な悪に立ち向かう。

そう、本作の物語もまた、最後にもう一度「リブート(再起動)」するのだろう。

そして、その瞬間に、なぜこのドラマに『リブート』という名前が付けられたのか、その本当の理由が明らかになると期待する。

家族が再び笑顔で過ごせる未来を目指し、物語は最高のエンターテインメントとして締めくくられてほしいとも思いつつ。

《全ては真実を暴き、家族を取り戻すため》という本作のテーマに帰着してほしい。


あとがき

ハラハラする展開の中に、家族を大切に思う温かい気持ちがぎゅっと詰まった素晴らしい内容ですね。

自分を変えてまで大切な人を守ろうとする主人公の姿には、とても勇気をもらえます。

最後にはきっと早瀬一家が幸せになれると信じることができる、応援したくなるような前向きな物語だと感じました。


すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”


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男性
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宴会/映像ディレクター(フリーランス)
【自己紹介】
東京下町生まれ千葉県在住。
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皆様のおかげで、2026年1月16日に3,900万アクセス達成をいたしました。(御礼の記事