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【お知らせ】今後のブログ更新予定について


【お知らせ】今後のブログ更新予定について

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令和8(2026)年3月も終盤となりました。

現在放送中のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』がいよいよクライマックスを迎え、各連ドラの最終回や4月の新番組スタートなど、ブログとしても特に力を入れたい大切な時期です。

しかし、昨日3月21日の夜に離れて暮らす義理の母が急病で緊急入院いたしました。

そのため、今後2週間ほどは、これまでのような「毎日更新」が難しくなる可能性があります。

ドラマの節目を楽しみにされている読者の皆様には、期待を裏切るような形となり、本当に申し訳ございません。

今は家族の対応を優先させていただきたく存じます。

完全に更新を休むわけではなく、状況を見ながら、書ける時に少しずつ投稿を続けていく予定です。

落ち着きましたら、また元のペースに戻りますので、それまで温かく見守っていただければ幸いです。

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2026年4月期 春ドラマの視聴予定&期待度 配役,スタッフ,概要などの情報も満載

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作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃目的ではない ことをご理解ください。

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拍手[2回]

朝ドラ「ばけばけ」53歳でパパ再デビュー! 小泉八雲が妻セツに送った“会いたくてたまらない”一途な手紙!!
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朝ドラ『ばけばけ』の先の展開のネタバレは基本的に書いてありませんが。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と、妻・セツ夫妻の[史実]について触れます。
あとから「読むんじゃなかった…」がないよう、読む際は自己責任でお願いします。
 ※以下、敬称は部分的に使い分けをします。



53歳でパパ再デビューした八雲の妻セツへの手紙にまつわる史実

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俳優・高石あかり(※高=はしごだか)さん主演でヒロイン・松野トキを、トミー・バストウさんがレフカダ・ヘブンを演じ、文豪・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と、妻・セツをモデルにしたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『ばけばけ』(NHK総合・月~土、午前8時~ほか)。

第24週『カイダン、カク、シマス。』では、まるで「桃源郷」のような浮世離れした主人公・トキとの夫・ヘブンの夫婦と家族が描かれています。

しかし、[史実]では、“53歳で娘の父となった八雲のパパぶりや、妻セツへの愛情表現にも、興味深いものがあります。

そこで今回は、53歳でパパ再デビューした小泉八雲が妻セツに送った “会いたくてたまらない” 手紙にまつわる[史実]を記してみます。

きっと、「本編」では採用されない(と思います)エピソードを知ることに」なるので、より今作を深読みできると思います。


日本の暮らしを愛したこだわり屋の素顔

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、日本人の妻であるセツとの間に4人の子供を授かった。

長男と次男が生まれた後、彼が51歳のときに三男が、そして53歳のときには待望の長女が誕生している。

朝ドラ『ばけばけ』のモデルとしても注目される彼の家庭生活は、驚くほど日本的なものだった。

八雲は日本の伝統的な生活スタイルを心から好んでいた。

普段は和服、特に浴衣を愛用し、畳の上に座って日本のキセルでタバコをたしなむのが日常だった。

食事の内容も、ご飯に味噌汁、漬物や煮魚といった純和食が基本である。

ただし、朝だけはウイスキーを飲み、ビーフステーキを好んで食べるという西洋人らしい一面も持ち合わせていた。

彼は住む場所にもこだわりがあり、少しでも洋風の要素がある家を嫌い、純和風の建物を探した。

知人を訪ねた際に洋風の応接間に通されると、機嫌を損ねてしまうほどだった。

当時の日本は西洋の文化を追いかけていた時期だったが、八雲は「日本人は素晴らしい文化を持っているのに、なぜわざわざ西洋の真似をするのか」と不満を感じていた。

彼の生活はとても質素で、余計な贅沢をせず、仕事に集中できるシンプルな暮らしを大切にしていたのである。


静けさを守る妻と家族の団らん

八雲の精神世界は非常に繊細だった。

特に執筆に集中しているときは、どんなに小さな音であっても許せなかった。

仕事中に物音が聞こえると、彼はひどく怒ってペンを投げ出し、「私の考え破れました」と言ったという。

妻のセツは、夫の邪魔をしないようにタンスの引き出しを開けるときでさえ、音を立てないよう細心の注意を払っていた。

しかし、仕事が終われば八雲は一転して、冗談を言って家族や女中を笑わせるような、明るく優しい父親の顔を見せた。

家族みんなで楽しく過ごす時間を、彼は何よりも大切にしていたのである。


旅先から届いた「早く会いたい」のメッセージ

八雲の愛妻家ぶりは有名で、どこへ旅行に行くときも必ずセツを連れて行った。

唯一の例外は、次男たちを連れて静岡県の焼津へ行ったときだけだった。

このとき、生まれたばかりの長女の世話でセツは同行できなかったのだが、八雲は旅先から彼女へ熱烈な手紙を送っている。


「私少シ淋シイ。今アナタノ顔見ナイノハ。マダデスカ。早ク見タイモノデス」

 ※出典:八雲が焼津の旅先から、留守居の妻に送った手紙

このたどたどしい日本語の手紙からも、彼がいかに妻を深く愛していたかが伝わってくる。

新婚当時、まだ子供がいなかった頃には、二人で島根県の隠岐諸島などの厳しい自然が残る場所を旅したこともあった。

道のない山道を助け合いながら歩き、ときには怪しい人物に遭遇して怖い思いをすることもあったが、それさえも二人にとっては忘れられない大切な思い出となった。

東京に移ってからも、八雲は散歩中に面白い場所を見つけると、すぐにセツを案内した。

彼が好んだのは静かな寺の墓地や見晴らしの良い丘など、普通の人が退屈に感じるような場所だった。

しかし、日本の伝統文化を学んでいたセツは、八雲が見つけた景色の中に隠された美しさや情緒を、彼と同じように楽しむことができたのである。


お化け屋敷に住みたかった不思議な感性

松江から東京へ移り、家族が増えて手狭になった頃、八雲たちは初めて一軒家を購入することにした。

二人は仲良く牛込(現在の新宿区周辺)のあたりで売り家を探して歩いた。

そのとき、かつての武士が住んでいた古い屋敷を見つけた。

そこには大きな門があり、庭にはハスが浮かぶ池があったが、全体的に薄暗くてジメジメとした気味の悪い雰囲気が漂っていた。

セツは直感的に「ここは嫌だ」と反対したが、八雲は一目見ただけでそこを気に入り、子供のように喜んで「面白い家だ」と購入を主張した。

結局、セツの強い反対で諦めることになったが、後でそこが有名な「化け物屋敷」だったと判明する。

セツが安心した一方で、幽霊や怪談を愛した八雲は、あんなに面白い家に住めなかったのかと、いつまでも残念がっていたという。

八雲は日本のことを誰よりも深く理解していたが、実は日本語の読み書きはほとんどできなかった。

彼が使う日本語は、文法が独特で子供の片言のようなものだったが、そこには彼なりの純粋な思いが込められていた。

新しい家を建てる際も、全ての手続きを信頼するセツに任せ、自分はただ彼女の支えに応えるだけで満足していたのである。


あとがき

小泉八雲と妻セツの物語は、言葉の壁や文化の違いを越えた、深い信頼と愛情に満ちています。

仕事に対しては非常に厳しいプロ意識を持ちながら、家族の前ではお茶目で優しいパパだった八雲の姿は、今の私たちが読んでもとても魅力的ですね。

この投稿でも書いちゃいますが、「こんなに面白いエピソードがあるのに、なぜドラマで採用しなかったの?」としか思えません。

ドラマで描かれるフィクションの奥に、こうした史実を知ることで、物語がより深く、温かく感じられると思います。

読者の皆様の “ドラマを楽しむ” ためのお役に立てれば幸いです。


参考・出展

『小泉セツとハーンの物語: ー小泉八雲「怪談」誕生のひみつー』三成清香(著)少年写真新聞社 新窓で開きます
『小泉八雲 漂泊の作家ラフカディオ・ハーンの生涯』工藤美代子(著)毎日新聞出版 新窓で開きます
『ヘルンとセツ』田淵久美子(著)NHK出版 新窓で開きます
『セツと八雲』小泉凡(著)朝日新聞出版 新窓で開きます
『小泉八雲とその妻セツ 古き良き「日本の面影」を世界に届けた夫婦の物語』青山誠(著)KADOKAWA 新窓で開きます
『面白すぎて誰かに話したくなる 小泉八雲とセツ』伊藤賀一(著)リベラル社 新窓で開きます『八雲の妻:小泉セツの生涯』長谷川洋二(著)今井書店 新窓で開きます
『小泉八雲と妖怪』小泉凡著(著)玉川大学出版部 新窓で開きます
『怪談・骨董』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『日本瞥見記(上・下)』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『東の国から・心)』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『思ひ出の記』小泉節子(著)・小泉八雲記念館(監修)ハーベスト出版 新窓で開きます
『ドラマ人物伝 小泉八雲とセツ:「怪談」が結んだ運命のふたり』NHK出版(編)NHK出版 新窓で開きます
『ラフカディオハーンが愛した妻 小泉セツの生涯』櫻庭由紀子(著)内外出版社 新窓で開きます
■「詳述年表ラフカディオ・ハーン伝」板東浩司(著)英潮社
■「小泉八雲: 思い出の記・父八雲を憶う」小泉節子,小泉一雄(著)恒文社
■https://archive.org/details/kottojapanese00hearrich KOTTO
■https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.79571/page/n13/mode/2up KWAIDAN
■https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.45846/page/n11/mode/2up Out Of The East
■https://archive.org/details/glimpsesofunfami0lhear Glimpses of unfamiliar Japan vol.1
■https://archive.org/details/glimpsesofunfami02hear Glimpses of unfamiliar Japan vol.2
■「松江に於ける八雲の私生活」桑原羊次郎(著)山陰新報社
『ラフカディオ・ハ-ンのアメリカ時代』エドワード・ラロク ティンカー(著)木村勝造(訳)ミネルヴァ書房 新窓で開きます
■『小泉八雲事典』平川祐弘(監修)恒文社
『夢の途上: ラフカディオ・ハーンの生涯〈アメリカ編〉』工藤美代子(著)集英社 新窓で開きます
『評伝ラフカディオ・ハーン』E.スティーヴンスン(箸)遠田勝(訳)恒文社 新窓で開きます
『小泉八雲 日本を見つめる西洋の眼差し』筑摩書房編集部(箸) 新窓で開きます
『明治時代の人生相談』山田邦紀(著)幻冬舎 新窓で開きます
■富田旅館の証言(国立国会図書館サーチ〈NDLサーチ〉 新窓で開きます
レファレンス協同データベース 新窓で開きます
島根郷土資料刊行会編「西田千太郎日記」 新窓で開きます
国立国会図書館蔵書「小泉八雲全集 第1-17巻」 新窓で開きます
名古屋大学「人事興信録」データベース 新窓で開きます
書陵部所蔵資料目録・画像公開システム - 宮内庁 新窓で開きます
『父小泉八雲』小泉一雄(箸)小山書店 新窓で開きます
『小泉八雲「見えない日本」を見た人』畑中章宏(著)光文社新書 新窓で開きます
『ラフカディオ・ハーン-異文化体験の果てに』牧野陽子(著)中公新書 新窓で開きます
『さまよえる魂のうた 小泉八雲コレクション』小泉八雲(著)、池田雅之(編)ちくま文庫 新窓で開きます
『小泉八雲と松江―異色の文人に関する一論考』池野誠(著)島根出版文化協会 新窓で開きます



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拍手[13回]

朝ドラ「ばけばけ」では絶対ムリ! 甘えん坊八雲とパワフル妻セツの“歌って歩く”東京大騒動!!
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朝ドラ『ばけばけ』の先の展開のネタバレは基本的に書いてありませんが。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と、妻・セツ夫妻の[史実]について触れます。
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甘えん坊八雲とパワフル妻セツの“歌って歩く”東京大騒動

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俳優・高石あかり(※高=はしごだか)さん主演でヒロイン・松野トキを、トミー・バストウさんがレフカダ・ヘブンを演じ、文豪・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と、妻・セツをモデルにしたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『ばけばけ』(NHK総合・月~土、午前8時~ほか)。

第24週『カイダン、カク、シマス。』では、まるで「桃源郷」のような浮世離れした主人公・トキとの夫・ヘブンの夫婦と家族が描かれています。

しかし、[史実]では、“文豪・八雲の奇習と東京での大家族物語” の一面があったのです。

そこで今回は、決して『ばけばけ』では描かれない《甘えん坊八雲とパワフル妻セツの“歌って歩く”東京大騒動!!》にまつわる[史実]を記してみます。


実は長かった東京での暮らしと大家族の日常

朝ドラ『ばけばけ』では、ヘブン(トミー・バストウ)とトキ(高石あかり※高=はしごだか)の夫婦が東京で暮らす場面が登場する。

物語では極端に短くまとめられているが、実際のモデルである小泉八雲とセツの生活は、東京での時間が最も長かった。

明治24(1891)年に結婚した二人は、その年の11月に熊本へ移り、そこで長男の一雄が誕生した。

その後、明治27(1894)年に神戸へ移住し、明治29(1896)年には東京へと居を移している。

その後は亡くなるまでずっと東京で暮らし、次男や三男、長女も生まれて家族はどんどん賑やかになっていった。

約13年にわたる結婚生活のうち、東京での暮らしは約8年にも及ぶ。

東京の家には、セツの育ての親である稲垣金十郎とトミ(劇中の「司之介とフミ」)も一緒に住んでいた。

金十郎は文字が苦手なセツに代わって手紙を書いたり、孫たちの遊び相手になったりと、優しい祖父として家族を支えた。

彼は明治33(1900)年に亡くなるが、妻のトミはその後も家事や使用人たちのまとめ役として小泉家を支え続けた。

さらに、当時の八雲は東京帝国大学で英語を教えるエリート教授であり、月に400円という非常に高いお給料をもらっていた。

そのため、家には多くの家政婦や、勉強をしながら家仕事を手伝う「書生」たちが何人も出入りしていた。


歌いながら部屋をぐるぐる?八雲が考えた不思議な習慣

大家族で賑やかな小泉家だったが、夕食の後にはさらに驚くような光景が広がっていた。

それは八雲が決めた「食後の運動」という習慣である。

健康のためにと始められたものだが、その内容はとても独特だった。

長男の一雄は、当時の様子を次のように書き残している。


夕食後、すぐに寝に就くのは衛生上宜しくないとの父の意見から、ほとんど毎夕、食後には食堂兼子供室に充られていた階下十二畳で、我々子供等を初め書生さん達も女中達も諸共に唱歌や軍歌を謡いながら、四角な大卓の周囲を1時間ばかり、グルグルと腹ごなしに巡るのが例になっていました。偶には父や母も仲間入りすることがありました。

 ※出典:小泉節子、小泉一雄『小泉八雲』恒文社、1976年

広い畳の部屋に置かれた大きなテーブルのまわりを、大人も子供も一列になって1時間も歩き続けるのである。

しかも、みんなで大きな声で歌を歌いながら行進するという、不思議な儀式のような時間だった。


厳しい音楽指導と才能あふれる若者たち

この行進のときに歌をリードしていたのは、親戚の子で書生として住み込んでいた玉木光栄という青年だった。

彼は非常に頭が良く、後に東京大学へ進むほどのエリートだったが、歌も上手だった。

行進曲には「君が代」や「鉄道唱歌」などが選ばれていた。

しかし、八雲は音楽にこだわりがあり、リズムがずれると厳しく注意した。

新美という書生はリズム感がなかったため、八雲から「もう少し声を控えてください」とたしなめられることもあった。

また、歌がうまい玉木に対しても、八雲は次のような厳しい言葉を投げかけている。


一度は余りに図に乗って賛美歌を歌って、父から、私の家でそうした歌だけは歌ってくれるな、説明し難い一種の不愉快を覚えさせられるからと申されたことがありました。いま一度は得意然と「マルセイユ(註:フランス国歌のこと)」を歌ったところが、また父から、そんな壊れた言葉で歌われてはフランス人は皆泣いてしまうよと申され光栄さんは大いにしょげました。

 ※出典:小泉節子、小泉一雄『小泉八雲』恒文社、1976年

自分で運動を命じておきながら、参加者の歌に容赦なくダメ出しをする姿からは、八雲の少し頑固で率直すぎる性格が見えてくる。


高いお給料に引き寄せられた「困った人たち」

八雲が有名で高給取りだったため、そのお金を目当てに近づいてくる人々も少なくなかった。

長男の一雄は子供ながらに、そうした人々の怪しい動きを冷静に観察していた。

例えば、八雲が使っていた人力車の車夫である柳田という男だ。

彼は八雲が亡くなった当日、お酒の匂いをさせながらやってきて、まだ幼い一雄に対して「お父さんの車がいらなくなったなら、僕に譲ってくれるようお母さんに頼んでくれ」と言い放った。

悲しみに暮れる家族に対して、自分の利益ばかりを考える失礼な態度に、一雄は「あなたはお葬式に来たのですか、それとも車を買いに来たのですか」と鋭く言い返している。

また、「お花」という名の家政婦も問題だった。

彼女が話していた「実家は裕福な農家で、兄は学校の先生」という経歴はすべて嘘で、実際には父親は腕の悪い職人だった。

それにもかかわらず、八雲は彼らを信じて家の建築を任せてしまい、多額のお金を支払うことになった。

周囲の人たちは「あの親子には気をつけたほうがいい」と警告していたが、八雲は怪しい人物ほど興味を持ってしまう癖があり、なかなか縁を切ることができなかった。

一雄の目には、父の周囲に集まるこうした一癖も二癖もある人々の姿が、鮮明に焼き付いていたのである。


あとがき

小泉八雲といえば、静かに「怪談」を書いている気難しい文学者というイメージがありましたが、実際の家庭生活は想像以上に賑やかで、驚きの連続だったことが分かりますね。

特に、家族や書生たちが一列になって歌いながら部屋を歩き回るエピソードは、まるで映画のワンシーンのようでとても微笑ましく感じました。

高いお給料に惹かれてやってくる個性的な人々とのやり取りも、人間味に溢れていて興味深いです。

ドラマで描かれるフィクションの奥に、こうした史実を知ることで、物語がより深く、温かく感じられると思います。

読者の皆様の “ドラマを楽しむ” ためのお役に立てれば幸いです。


参考・出展

『小泉セツとハーンの物語: ー小泉八雲「怪談」誕生のひみつー』三成清香(著)少年写真新聞社 新窓で開きます
『小泉八雲 漂泊の作家ラフカディオ・ハーンの生涯』工藤美代子(著)毎日新聞出版 新窓で開きます
『ヘルンとセツ』田淵久美子(著)NHK出版 新窓で開きます
『セツと八雲』小泉凡(著)朝日新聞出版 新窓で開きます
『小泉八雲とその妻セツ 古き良き「日本の面影」を世界に届けた夫婦の物語』青山誠(著)KADOKAWA 新窓で開きます
『面白すぎて誰かに話したくなる 小泉八雲とセツ』伊藤賀一(著)リベラル社 新窓で開きます『八雲の妻:小泉セツの生涯』長谷川洋二(著)今井書店 新窓で開きます
『小泉八雲と妖怪』小泉凡著(著)玉川大学出版部 新窓で開きます
『怪談・骨董』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『日本瞥見記(上・下)』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『東の国から・心)』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『思ひ出の記』小泉節子(著)・小泉八雲記念館(監修)ハーベスト出版 新窓で開きます
『ドラマ人物伝 小泉八雲とセツ:「怪談」が結んだ運命のふたり』NHK出版(編)NHK出版 新窓で開きます
『ラフカディオハーンが愛した妻 小泉セツの生涯』櫻庭由紀子(著)内外出版社 新窓で開きます
■「詳述年表ラフカディオ・ハーン伝」板東浩司(著)英潮社
■「小泉八雲: 思い出の記・父八雲を憶う」小泉節子,小泉一雄(著)恒文社
■https://archive.org/details/kottojapanese00hearrich KOTTO
■https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.79571/page/n13/mode/2up KWAIDAN
■https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.45846/page/n11/mode/2up Out Of The East
■https://archive.org/details/glimpsesofunfami0lhear Glimpses of unfamiliar Japan vol.1
■https://archive.org/details/glimpsesofunfami02hear Glimpses of unfamiliar Japan vol.2
■「松江に於ける八雲の私生活」桑原羊次郎(著)山陰新報社
『ラフカディオ・ハ-ンのアメリカ時代』エドワード・ラロク ティンカー(著)木村勝造(訳)ミネルヴァ書房 新窓で開きます
■『小泉八雲事典』平川祐弘(監修)恒文社
『夢の途上: ラフカディオ・ハーンの生涯〈アメリカ編〉』工藤美代子(著)集英社 新窓で開きます
『評伝ラフカディオ・ハーン』E.スティーヴンスン(箸)遠田勝(訳)恒文社 新窓で開きます
『小泉八雲 日本を見つめる西洋の眼差し』筑摩書房編集部(箸) 新窓で開きます
『明治時代の人生相談』山田邦紀(著)幻冬舎 新窓で開きます
■富田旅館の証言(国立国会図書館サーチ〈NDLサーチ〉 新窓で開きます
レファレンス協同データベース 新窓で開きます
島根郷土資料刊行会編「西田千太郎日記」 新窓で開きます
国立国会図書館蔵書「小泉八雲全集 第1-17巻」 新窓で開きます
名古屋大学「人事興信録」データベース 新窓で開きます
書陵部所蔵資料目録・画像公開システム - 宮内庁 新窓で開きます
『父小泉八雲』小泉一雄(箸)小山書店 新窓で開きます
『小泉八雲「見えない日本」を見た人』畑中章宏(著)光文社新書 新窓で開きます
『ラフカディオ・ハーン-異文化体験の果てに』牧野陽子(著)中公新書 新窓で開きます
『さまよえる魂のうた 小泉八雲コレクション』小泉八雲(著)、池田雅之(編)ちくま文庫 新窓で開きます
『小泉八雲と松江―異色の文人に関する一論考』池野誠(著)島根出版文化協会 新窓で開きます



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【2026年4月期/春ドラマ】の視聴予定&期待度! 配役,スタッフ,概要などの情報も満載!! 新窓で開きます内容を更新しました。読者の皆さんの見逃したくない連ドラを見つけるお役に立てれば幸いです。

2026年4月期 春ドラマの視聴予定&期待度 配役,スタッフ,概要などの情報も満載

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連続テレビ小説「ばけばけ」

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第24週『カイダン、カク、シマス。』「ダイジェスト版(土曜日版)」の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。


10年後、トキ(髙石あかり)とヘブン(トミー・バストウ)は東京・大久保で、子どもたちや司之介(岡部たかし)、フミ(池脇千鶴)に囲まれた幸せな日々を送っていた。だがヘブンは帝大へ向かわず、密かにミルクホールへ通い続けていた。その異変に気づいた司之介は、自分と同じ“匂い”を感じると語り、ヘブンの秘密を共有する。さらに丈(杉田雷麟)も巻き込み、家族の幸せを守ろうと動き出すが、執筆は行き詰まり、待ち望む返事も届かず焦りは深まる。やがてトキに本心を明かしたヘブンは、彼女の言葉に導かれ、新たな物語へ向かっていく…。
------上記のあらすじは、当ブログのオリジナル------


原作:なし
脚本:ふじきみつ彦(過去作/バイプレイヤーズ,きょうの猫村さん,一橋桐子の犯罪日記)
演出:村橋直樹(過去作/まれ,透明なゆりかご,サギデカ) 第1,2,5,7,13,14,19,23
   泉並敬眞(過去作/スカーレット,カムカムエブリバディ,ブギウギ) 第3,6,9,12,15,18,24
   松岡一史(過去作/まんぷく,心の傷を癒すということ,カムカムエブリバディ) 第4,8,10,16
   小島東洋(過去作/『ばけばけ』助監督) 第11,21
   小林直毅(過去作/『ばけばけ』助監督) 第17,20,22
制作統括:橋爪國臣(過去作/青天を衝け,あなたのブツが、ここに,ブギウギ)
音楽:牛尾憲輔(過去作/チェンソーマン,僕の心のヤバイやつ,ダンダダン)
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
土曜日版ナレーション:北郷美穂子(NHK大阪アナウンサー)
副音声解説:山崎健太郎(過去作/舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ,虎に翼,おむすび)
副音声日本語吹替:西地修哉(ヘブン担当)、木村はるか(リヨ担当)
タイトル写真:川島小鳥(過去作/未来ちゃん,SHISHAMOアートワーク)
タイトルロゴ:西沢和樹(instagram.com/nishizawa_k/)
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、川野秀昭、田中陽児|美術:山内浩幹、淀裕矢、向理沙、有本弘、和田岳秋|技術:増田徹、備中正幸、酒井俊史|音響効果:松本有加、巽浩悦、吉田直矢|撮影:岩崎亮、関照男|照明:根来伴承、大西弘憲、武井美晴|音声:吉竹淳樹、稲垣雄二、大成友二、安河内裕斗|映像技術:前田惇徳、原幸介、山下健、若嶋なな、日野維乃|カラーグレーディング:原幸介、前田惇徳、山下健、日野維乃、若嶋なな|VFX:西垣友貴、神戸大樹、山田茂人、北島規、北島規、眞弓敬司|CG:大西智子、空閑卓海、古市百人、佐藤望、田邊亮哉、大関聡|美術進行:澤幸樹、嶋原広起、大塚良子、厚朴美沙子、毛尾喜泰|装置:佐藤千織、坂口大吾、山中宏華、澤井洸、平松康、吉田隆広、布川紗生、大島櫻子|装飾:津村政幸、横田浩之、長洲史、横田浩之、高浪隆史、三好勇作、石井千尋、三村つかさ、田中美紅|特殊効果:奥村陵、宮崎真有|衣装:横山智和、中村みのり、鍛本美佐子、横山智和、石川カンナ|メイク:堀洋子、正田早百合、秋山直美、櫻井安里紗|持道具:楠正由貴、森上陽子、高屋友里|かつら:松本誠也、丹波峯子、山崎浩彦、栗野洋子|特殊メイク:江川悦子、権田日和、山埼佳子|特殊メイク協力:荒井律子、大谷美咲、山埼佳子|助監督:小林直毅、小島東洋、田中陽児、早川俊介、岡本拓大、後藤怜亜、大野陽平、小峰陸矢、上野香織、佐伯木乃実、畝岡歩未、増田愛海、野曾原明香、中元芽生、佐々木俊、石名遥、木村修|制作担当:木村晴治、長岡しのぶ、本田良太、森岡あゆみ、片山哲治、斎藤明日香、竹本航、徳岡美紀、奥山温子|取材:川野秀昭、鈴木航|編集:藤澤加奈子|記録:木本裕美|時代・風俗考証:刑部芳則|松江風俗考証:藤岡大拙|出雲ことば指導:多々納斉、松島彩|熊本ことば指導:梅原勇輝|所作指導:藤間豊宏|料理指導:広里貴子|英語指導:塩屋孔章、ネイサン・ベリー、米倉リエナ|英字指導:前田祐加|眼科指導:大路正人、川村肇|医事指導:矢木崇善|助産指導:前田利子|怪談ばなし指導:玉田玉秀斎|茶道指導:有澤一男|三味線指導(タエ):菊央雄司|三味線指導(遊郭):長江浩子|アクション指導:中村健人|日本画指導:諫山恵実|絵画指導:苅谷昌江|華道指導:神前光園|造園:堤正和、宮崎昭徳|書道指導:今口鷲外|ほら貝指導:林龍沁
※敬称略




「ダイジェスト版」で見えてきた「本編」の課題

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―――ここまで、ごあいさつ―――

残り2週となった朝ドラ『ばけばけ』の第24週の「ダイジェスト版」を見て、率直に感じたのは。

少しは、ヘブン(トミー・バストウ)が我が子にまるで「寺子屋」のように文字を教えている理由が補強されるかと期待したが、それもなく。

「本編」の感想、「補足記事」でも書いたように、熊本在住と東京移住の間の「神戸編」を描かずして、イライザ・ベルズランド(シャーロット・ケイト・フォックス)を盛り込んだところで、とっくに「ヘブンがジャーナリストである(あった)」ことは、本作に1ミリも生かされるはずはなく。

その上、「松江時代」「熊本時代」、そして「東京時代」と三か所での「ヘブンの教師生活」の末の物語にしているつもりだろうが、そもそも、「ヘブンの教師生活」で描かれたのは「往復の道筋」だけであり、特に「帝大をクビになる」ことの理由は「本編」でも描かれていないから、「ダイジェスト版」に盛り込まれても、唐突感しないわけで。

しかも、トキ(高石あかり※高=はしごだか)が「読める本」と「読みたい本」もごちゃ混ぜ状態。

というわけで、これと言った好意的な感想は浮かばない

とは言え、冷静に受け止めるとするなら、今週の「ダイジェスト版」をひと言で例えると次のようになると思う。

《本編とは全く印象が異なる、多くの視聴者の脳内補完した理想の物語》

そう、「週5放送」で毎日見てきた「本編」では全く伝わらず、毎朝必死に好意的に脳内補完た『脳内版ばけばけ』になっていたのだ。

もちろん、このことは「本編」に大きな課題があることと同義である。

つまり、一話(一回)ずつの放送には、物語を進める上で必要のない場面が多く含まれており、《ドラマとしての密度が薄くなってしまっていた》ということである。


視聴者が求める魅力的な描写とは

今週の「ダイジェスト版」は、主人公であるトキとヘブンの二人の物語に焦点を当てており、構成としては間違っていない。

特に、物語の重要な節目となる金曜日の放送内容をしっかりと残している点には好感が持てる。

だって、本来の “ドラマ” は本筋とは直接関係のない「遊び」の描写があってもよいのだから、「視聴者に伝えるべき必修の内容」以外があってもいいと思う。

しかし、それらの場面は、視聴者に「もっとこの場面を見ていたい」と思わせるような魅力的なものでなければならないのだ。

でも、(特に)ここ三か月の『ばけばけ』では、単に時間を埋めるためだけの無駄な描写が目立っており、視聴者にとって価値のある時間になっていないのが現状なのだ。


物語の停滞と制作上の工夫

直近の三か月間は、たとえ物語が大きく動かない時期であったとしても、あまりにも内容が薄い状態が続いている。

他のドラマで見られるような派手な騒動やトラブルが起きない「何も起こらない物語」であっても、視聴者を飽きさせない工夫は必要である。

いま、2026年3月30日から放送開始の次期作『風、薫る』の「原案」となっている田中ひかる著『明治のナイチンゲール 大関和物語』を必死に読んでいる。


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それで分かったのは。

朝ドラ『風、薫る』が採用する「ダブル主人公(ヒロイン)」という設定は、たとえ「ただ日常を描くドラマ」だとしても、物語の停滞を防ぐための新しい試みなのかもしれないということ。

一人の主人公だけでは描ききれない時間を、もう一人の視点で補うことで、物語の密度を上げようとしていると考えられるのだ。

もちろん、本作だって「トキとヘブンをダブル主人公」として位置付ければ、現状の停滞を回避できたはずなのは言うまでもないことである。


ドラマを面白くするため、未来の朝ドラのための構造改革

「本編」の感想でも度々書いたことだが、朝ドラの質を根本から向上させるためには、一週間単位でエピソードを完結させなければならないという現在のルールを見直すべきである。

この「一週間縛り」があるために、簡単な出来事を無理に五日間に引き延ばしたり、逆に大きな事件を強引に一週間で終わらせたりといった無理が生じている。

もしこの決まり(縛り)をなくせば、小さな日常の出来事は二、三日で描き切り、重大な事件は数週間にわたってじっくり描くといった柔軟な構成が可能になる。

そうすることで物語に自然なリズムが生まれ、無駄な引き延ばしをなくすことができると思う。

また、現在は「一年を前後に分け」て「一年に二本」の朝ドラだが、思い切って「一年に三本(4か月で1作品)」でもよいと思う。

制作スタッフの働きやすさを守りつつ、視聴者が最後まで夢中で楽しめるドラマを作るためには、これまでの古い習慣から解放される時期に来ているのではないだろうか。


お知らせ

この投稿直後に、《間違いなく本作では描かれないエピソード》の「補足記事」を二本投稿しますしました!

朝ドラ「ばけばけ」では絶対ムリ! 甘えん坊八雲とパワフル妻セツの“歌って歩く”東京大騒動!!|ディレクターの目線blog 新窓で開きます

朝ドラ「ばけばけ」53歳でパパ再デビュー! 小泉八雲が妻セツに送った“会いたくてたまらない”一途な手紙!!|ディレクターの目線blog 新窓で開きます


厳選『ばけばけ』で描かれない秘話の解説リンク集
●八雲×セツ「万物に霊が宿るアニミズム思想」 → こちら 新窓で開きます
●八雲先生が"英語"で伝えた日本の文化 → こちら 新窓で開きます
●八雲先生が"英語"で伝えた日本の文化 → こちら 新窓で開きます
●超裕福生活でも"熊本生活は3年間"のワケ → こちら 新窓で開きます
●八雲の"息子の名前の由来"と"英才教育" → こちら 新窓で開きます
※他のリンクは下記↓の折り畳みの中!

文中の方言風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
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連続テレビ小説「ばけばけ」

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『ばけばけ』
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第120回第24週『カイダン、カク、シマス。』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
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トキ(髙石あかり)にすべてを打ち明けたヘブン(トミー・バストウ)。心機一転、ベストセラーを目指して執筆をはじめようとするヘブンに、トキは自分でも読める本を書いてほしいと提案する。トキの提案に、ベストセラーを書かなければとどつぼにはまっていたヘブンの視界が開ける。トキが読める本、読みたい本。それは、怪談!トキとヘブン、二人の怪談執筆がはじまる!
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------


原作:なし
脚本:ふじきみつ彦(過去作/バイプレイヤーズ,きょうの猫村さん,一橋桐子の犯罪日記)
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   松岡一史(過去作/まんぷく,心の傷を癒すということ,カムカムエブリバディ) 第4,8,10,16
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   小林直毅(過去作/『ばけばけ』助監督) 第17,20,22
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プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、川野秀昭、田中陽児|美術:山内浩幹、淀裕矢、向理沙、有本弘、和田岳秋|技術:増田徹、備中正幸、酒井俊史|音響効果:松本有加、巽浩悦、吉田直矢|撮影:岩崎亮、関照男|照明:根来伴承、大西弘憲、武井美晴|音声:吉竹淳樹、稲垣雄二、大成友二、安河内裕斗|映像技術:前田惇徳、原幸介、山下健、若嶋なな、日野維乃|カラーグレーディング:原幸介、前田惇徳、山下健、日野維乃、若嶋なな|VFX:西垣友貴、神戸大樹、山田茂人、北島規、北島規、眞弓敬司|CG:大西智子、空閑卓海、古市百人、佐藤望、田邊亮哉、大関聡|美術進行:澤幸樹、嶋原広起、大塚良子、厚朴美沙子、毛尾喜泰|装置:佐藤千織、坂口大吾、山中宏華、澤井洸、平松康、吉田隆広、布川紗生、大島櫻子|装飾:津村政幸、横田浩之、長洲史、横田浩之、高浪隆史、三好勇作、石井千尋、三村つかさ、田中美紅|特殊効果:奥村陵、宮崎真有|衣装:横山智和、中村みのり、鍛本美佐子、横山智和、石川カンナ|メイク:堀洋子、正田早百合、秋山直美、櫻井安里紗|持道具:楠正由貴、森上陽子、高屋友里|かつら:松本誠也、丹波峯子、山崎浩彦、栗野洋子|特殊メイク:江川悦子、権田日和、山埼佳子|特殊メイク協力:荒井律子、大谷美咲、山埼佳子|助監督:小林直毅、小島東洋、田中陽児、早川俊介、岡本拓大、後藤怜亜、大野陽平、小峰陸矢、上野香織、佐伯木乃実、畝岡歩未、増田愛海、野曾原明香、中元芽生、佐々木俊、石名遥、木村修|制作担当:木村晴治、長岡しのぶ、本田良太、森岡あゆみ、片山哲治、斎藤明日香、竹本航、徳岡美紀、奥山温子|取材:川野秀昭、鈴木航|編集:藤澤加奈子|記録:木本裕美|時代・風俗考証:刑部芳則|松江風俗考証:藤岡大拙|出雲ことば指導:多々納斉、松島彩|熊本ことば指導:梅原勇輝|所作指導:藤間豊宏|料理指導:広里貴子|英語指導:塩屋孔章、ネイサン・ベリー、米倉リエナ|英字指導:前田祐加|眼科指導:大路正人、川村肇|医事指導:矢木崇善|助産指導:前田利子|怪談ばなし指導:玉田玉秀斎|茶道指導:有澤一男|三味線指導(タエ):菊央雄司|三味線指導(遊郭):長江浩子|アクション指導:中村健人|日本画指導:諫山恵実|絵画指導:苅谷昌江|華道指導:神前光園|造園:堤正和、宮崎昭徳|書道指導:今口鷲外|ほら貝指導:林龍沁
※敬称略




豊富な実話素材を活かし損ねた構成の甘さ

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人の‘みっきー’です!
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―――ここまで、ごあいさつ―――

今さら書くまでもないが、この朝ドラ『ばけばけ』には実在のモデルが存在する。

そのため、大まかなストーリーの流れが決まっているのは当然のことである。

しかし、昨日に読者の‘てぃわんさん’がコメントで書いてくださったように、本作のモデルには《ドラマにうってつけのエピソードが山ほどある》のだ。

その上であえて厳しい見方をすれば、半年間の放送期間の全てを、あの名著『Kwaidan』の作成秘話としての「東京編」だけに費やしたとしても、十分に物語を成立させることができたはずなのだ。

それこそ、今回で語られた「むじな」「ろくろ首」「葬られたる秘密」「雪女」や、第1回でも取り上げられた「耳なし芳一」を膨らませ、日本の伝承話と小泉八雲の英訳との違いをさりげなく盛り込めば、子供たちへの寓話としての意味合いも組み入れることはできたし。

今回では異様なくらいにさらりと済まされてしまった怪談「耳なし芳一」における「開門!」なる八雲の妻セツさんが苦労の末にひねり出した言葉一つで、一週間は余裕で作れる魅力的なエピソードなのだ。

よって、半年間も続く「長~い連ドラ」として、物語の進むペースや、どの時期に焦点を当てるかという点については、もっともっと検討の余地があったのだ。

蛇足になるが。

八雲が「耳なし芳一」を書く際に、妻・小泉セツが「開門」という言葉を思いついたエピソードは、八雲夫妻の“共同創作”の象徴のような場面なのだ。
怪談「耳なし芳一」では、芳一が琵琶を弾く寺の門が “開く” 場面が物語の転換点になり、そこの描写を日本語でどう表現するのか悩んでいる八雲に、「門を開けろ」では怪談としてインパクトがないと考えたセツが「開門!」と助言し、それが八雲の感性に強く響いたのだ。

要するに、下記の三点を一度に表現できるエピソードとして実に秀逸なのだ(本作はスルーしたが)。
 ●八雲の日本語力は高かったが、微妙な語感や文化的ニュアンスはセツが支えた
 ●セツは単なる“家事をする妻”ではなく、八雲の創作に深く関わるパートナーだった
 ●「耳なし芳一」は、八雲の観察力とセツの日本語感覚が融合して生まれた作品と言える


遅すぎた“リテラシーアシスタント”描写が物語を弱めた

物語が終盤(というか、正確に書けば「今回で」になりますけどね)に入り、ようやく主人公のトキ(高石あかり※高=はしごだか)が、夫であるヘブン(トミー・バストウ)の執筆活動を支える‘リテラシーアシスタント=助手’としての役割をしっかり果たすようになった。

本来であれば、怪談の執筆を手伝う場面だけでなく、以前の舞台であった熊本編から、夫のために奔走する姿をもっと描くべきであった。

さらに言えば、二人が結婚した直後の松江編の終わり頃から、「単なる夫婦」という関係を超えて、互いに高め合う「人生の相棒」としての結びつきをより丁寧に表現する必要があったのである。


“金曜だけ夫婦”の不自然さが物語を分断した

直近の三か月間を振り返ると、トキとヘブンの二人の歩みを描くはずの物語であるにもかかわらず、それぞれの物語がバラバラに進行している印象が強かった。

平日(月曜日~木曜日)の放送では二人の場面が少なく、金曜日の放送回だけで帳尻を合わせるように、無理やり二人をセットにして「夫婦の物語」に見せかけていたように感じられたのだ。

このような不自然な構成になったのは、制作現場におけるNHKの働き方改革の改善や、ドラマ作りの裏側にある複雑な事情が影響していた可能性が高いと思う。

しかし、受信料を徴収し、しかも「プロ」であるなら、何が何でも様々な裏事情を感じさせるべきではないと思う。

これ、私が厳しすぎるだろうか?


“無名の妻”を主役にする難しさが露呈した

また、本作の大きな障壁となったのが「女性を主人公に据える」という「朝ドラ特有のルール」だ。

特に歴史的に有名な人物を夫に持つ女性を主役にする場合、どうしても夫の影に隠れてしまったり、逆に無理に女性を立てようとして物語に無理が生じたりするジレンマに陥りやすい。

いわゆる、当ブログが度々書いてきた《夫のほうが著名人の〈無名の妻の物語〉の難しさ》である。

本作の制作陣も、この難しいバランス調整に最後まで苦しめられたように見受けられる。

著名人である男性をパートナーに持つ女性の人生を、一人の独立した主人公として描き切ることの難しさが改めて浮き彫りになったと思う。


原文と和訳で変わる怪談「むじな」の怖さ

本作が、意外過ぎるくらいに「怪談」を軽視したので、当ブログは八雲とセツさんに敬意を表して、本編で語られた「むじな」を掘り下げてみる。

怪談「むじな」は、非常にシンプルである。

夜、紀伊坂を歩いていた男が、道端で泣いている女中に出会う。気の毒に思い、声をかけて顔をのぞき込むと――その顔には目も鼻も口もなかった。
驚いた男は逃げ出し、近くの蕎麦屋に駆け込んで出来事を話す。すると店の男は、「そんなことで驚くのか」と言いながら、自分の顔をなでる。
その瞬間、店の男の顔も、同じように目も鼻も口もない、のっぺらぼうに変わっていた。

【タイトルのズレ】
むじな(怪談) は、同じ話でも英語の原文と日本語訳で、少し印象が変わる作品である。
まずタイトルからして面白い。
原文の「Mujina」は、そのまま「むじな」と訳されているが、日本語での「むじな」は本来、動物のタヌキやアナグマを指す言葉である。
ところがこの話では、「目も鼻も口もない顔のない化け物」の意味で使われている。
ここにすでに、小泉八雲 ならではの “日本文化の紹介のしかた”が表れている。

【舞台描写の精度】
次に舞台の描き方である。
英語の原文では「Kii-no-Saka(紀伊坂)」という場所について、かなり丁寧に説明されている。
暗くて人通りが少なく、不気味な場所だということが、外国の読者にも分かるように書かれている。
一方、日本語訳では、この説明が短くされて、「暗い坂道」といった程度にまとめられることが多い。
そのため、日本語のほうがテンポはいいが、場所のリアルさはやや薄くなる。

【女の描写のニュアンス】
また、最初に出てくる女性の印象も少し違う。
英語では “a girl in service” となっており、「奉公に出ている若い娘」というニュアンスがあり、まだ若くて弱そうな存在として描かれている。
これが不気味さを強めている。
しかし日本語では単に「女中」と訳されることが多く、年齢や雰囲気がぼやけてしまう。

【恐怖表現の質】
怖さの作り方にも違いがある。
英語の原文は、意外なほど淡々としている。
特別に大げさな表現は使わず、「こういうことが起きた」と静かに語る。
その分、読んでいる側がじわじわと怖くなる。
一方、日本語訳では少し雰囲気を強めて、「怪談らしい怖さ」を分かりやすくしているものが多い。

【ラストの構造(ここが一番重要)】
いちばん大きな違いは、ラストの見せ方である。
男が逃げ込んだ蕎麦屋で、店の男まで顔を消してしまう場面。
英語版では、この出来事があっさりと書かれていて、「え、もう終わり?」と思うような余白がある。
ところが日本語訳では、この場面をしっかり「オチ」として強調することが多い。
そのため、日本語版は分かりやすく締まるが、英語版のほうは不気味さが後に残る

【実は、原文(英語版)と和訳の違いが一番面白い】
つまりこの作品は、「同じ話」ではあるが、全く同じ読み心地ではない
小泉八雲 は、日本の怪談をそのまま書いたのではなく、「外国の人にも伝わるように、少し作り直して書いた」と考えたほうが正確である。
そしてこの話の本当の怖さは、顔のない化け物そのものではない
逃げ込んだ先の「安全なはずの場所」でも、同じ異常が起こることである。
安心した瞬間に裏切られる。この構造こそが、今読んでもしっかり怖い理由である。


あとがき

今回の深掘りを通じて、ドラマ『ばけばけ』が抱えていた「構成上のジレンマ」と、実在のモデルが持つ「物語の圧倒的な底力」の差が浮き彫りになりました。

小泉八雲・セツ夫妻の共同創作を象徴する「開門!」のエピソードは、本来であれば一週間かけて丁寧に描くべき、本作の核心とも言える場面でした。

こうした珠玉の素材がありながら、日々の放送回で描写が分散し、金曜日の帳尻合わせのように夫婦の絆が表現されてしまった点は、一視聴者として、またプロの仕事を期待する立場として、非常に惜しまれる部分です。

制作現場の事情は察するに余りありますが、「無名の妻」を一人の主人公として描き切るためには、既存の朝ドラの枠組みを超えた、より大胆で緻密な時間配分が必要だったのではないでしょうか。

この物語が、単なる「著名人の妻の記録」に留まらず、トキとヘブンが「人生の相棒」へと昇華していく過程をより深く、より丁寧に描き出す作品であってほしかったです。

そんな切実な願いを込めて、本作が提示した「ヒロイン(=女性主人公)を描く難しさ」という課題を、今後のドラマ制作への貴重な提言として受け止めたいと思います。
 ※すでに「総括」になってしまいました(汗)


お知らせ

きのう、『ばけばけ』では絶対に描くことができない、“母性を求めすぎた夫” だった小泉八雲と、“ヒステリー妻” であったセツさんの一面をこっそり「補足記事」にしました。

残り1週(予告編では、なぜか「最終週」ではなく「第25週」表記なんですね)なので、絶対に描かれないので、是非とも読んでおいてください。

朝ドラ「ばけばけ」では放送不可! 甘えん坊すぎる小泉八雲と爆発力MAXのセツさん夫婦の裏側!!|ディレクターの目線blog 新窓で開きます


厳選『ばけばけ』で描かれない秘話の解説リンク集
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