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24時間テレビ ドラマスペシャル「時代をつくった男 阿久悠物語」 (2017/8/26) 感想

日テレ系・24時間テレビ ドラマスペシャル『時代をつくった男 阿久悠物語』公式
『伝説の番組「スター誕生!」を生み、“昭和のヒットメーカー”と呼ばれた作詞家・阿久悠。その輝かしい人生には、知られざる苦悩があった―。』の感想。
なお、2008年に放送された単発スペシャルのテレビドラマ『日本テレビ開局55周年記念番組・ヒットメーカー 阿久悠物語』』は鑑賞済み。


 時代を彩った数々の名曲を生んだ作詞家・阿久悠。"ヒットメーカー"と呼ばれた阿久の歌は、平成の今も愛され続けている。阿久の妻・雄子(松下奈緒)は、女子高生たちが夫の作った歌を口ずさむ姿を見て、阿久と出会った頃を思い出す……。
 昭和38(1963)年、阿久悠こと深田公之(亀梨和也)は、広告代理店に勤めるサラリーマンだった。そこで出会ったのが雄子。同じ匂いを感じた二人はつき合い始め、翌年結婚。この頃から、会社には内緒で放送作家のアルバイトを始め、そこで「阿久悠」というペンネームを使うようになった。
 “ものを書く”仕事をしたかった阿久は、やがて会社を辞めフリーの放送作家に。そして、作詞にもチャレンジするとその才能を発揮し、森山加代子の『白い蝶のサンバ』を大ヒットさせる。「時代を作る流行歌を生み出したい」と、本格的に作詞活動をすることを決意する阿久。仕事はますます忙しくなり、雄子と息子・太郎の待つ家へ帰るのは 2~3か月に一度、という状況になっていった。
 昭和46(1971)年。阿久は、日本テレビのプロデューサー・池沢(八嶋智人)に声を掛けられ、新番組の立ち上げに参加する。池沢は「テレビ局からスターを生み出したい!」と、新しいオーディション番組を作ろうとしていた。池沢にアイデアを求められた阿久は、オーディションのすべての過程をガラス張りにして放送するという今までにない番組スタイルを提案する。それが伝説のオーディション番組、「スター誕生!」の始まりだった。
 自ら審査員を務めることも決まり、いよいよ『スター誕生!』の放送が開始。
 しかし、阿久や池沢ら制作スタッフが期待していたようなスター候補生はなかなか現れず、番組は前途多難なスタートを切ったのだった――。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

かなり見応えのある作品に仕上がった

脚本は、『花咲舞が黙ってないシリーズ』『兄に愛されすぎて困ってます』『東京タラレバ娘』等の松田裕子氏。演出は、『泣くな、はらちゃん』『ど根性ガエル』『世界一難しい恋』等の菅原伸太郎氏。

日テレのチャリティー番組『24時間テレビ』も2017年で40周年。その記念すべき年のドラマスペシャルは、今まで恒例だった “命や病” に関わる所謂「お涙頂戴系ドラマ」を止めて、初の “著名人の人生を描く” 企画に。正直、同じネタのドラマが既に日テレ開局55周年の2008年に放送済みのため、新鮮さには欠けるが…

ただ、前作は阿久悠氏の少年時代からレコード大賞受賞までの物語であったのに対して、本作はサラリーマン時代に始まり、結婚、作詞家へ転向、「スター誕生」、レコ大受賞、親友との別れ、晩年までが、阿久の妻・雄子の視点で描かれた点は、かなり見応えのある作品に仕上がった。

なぜ、クレジットに音楽や撮影のスタッフ名が無いのか?

夫の墓参りに行く途中の雄子(松下奈緒)が、海辺で女子高生たちが山本リンダの「狙いうち」楽しそうに歌って踊る姿を見て喜ぶシーンで始まった本作。老けメイクの際の晩年の台詞と「語り」の言い回しの落差に、いつの時代の妻の視点で描かれるのか戸惑ったが、松下奈緒さんにこれ以上求めるのは野暮な話。

大量の貴重な映像のあとに、執筆中の阿久悠こと深田公之(亀梨和也)が画面に登場すると、活気ある劇伴と共に、大作が始まった良い予感が。因みに、本作の音楽担当だけでなく、撮影などのスタッフ名がクレジットにない。ドラマファンとしては、作品づくりに関わった全ての人の名前を知りたいのだが…

親友の葬儀で弔辞を読む阿久悠を見事に演じた亀梨和也

全体としては、先に書いたように大変見応えのある作品に仕上がっていた。特に、実在した人物で歴史上と言うより、多くの人の記憶に未だ新しい “作詞家・阿久悠” を演じ切った亀梨和也さんの役作りと演技力、座長としての存在感は素晴らしかった。

名シーンはいろいろあるが、1つ挙げるとしたら、親友で漫画家の上村(田中圭)の葬儀での弔辞を読むシーンだ。性格は正反対だが、上村の絵の上手さを知り、絵を仕事をするのを諦め、結果的に作詞家の道に進むきっかけを作った生涯の友との別れを、丁寧な芝居で表現していた。

主人公の人生を描く事だけに集中したのが成功のカギ

脚本も演出も、奇を衒わずにじっくりしっかりと “作詞家・阿久悠” の人生を描くことだけに集中したのが良かった。また、懐かしい資料映像と新たに撮影された部分との接合面も違和感なく、当時を知る者としても楽しめたし、表舞台に立つ阿久悠さんしか知らない私たちにとって、彼の私的な部分を知ることが出来たのも良かった。

加藤シゲアキさんら、脇役の演技も良かった

脇役も豪華で、『スタ誕』当時の関係者を演じた俳優さんたちも、昭和の時代を上手に表現してくれていた。特にクールでジェントルマンな作曲家、都倉俊一さんを演じた加藤シゲアキさんもなかなかの好演。グランドピアノを前にカッコつけるシーンなどは「そうそう」って感じだった。

他にも、田中圭さんの人の良さそうな演技や、八嶋智人さんと和田正人さんのハイテンションでイケイケな当時の勢いを感じさせる演技も素晴らしかった。また、亀梨和也さんの5歳の息子・太郎役を演じた志水透哉くんの演技も良かった。

あとがき

これまでの “命や病” に関わる所謂「お涙頂戴系ドラマ」を止めたのは正解だったと思います。病気やケガで頑張っている人を紹介することも大事ですが、『24時間テレビ』自体の存在意義が変わってきている今、その中で放送されるSPドラマも方向転換しても良いと思いますし、今年は正解でした。

それにしても、亀梨和也さんのコミカルな要素の一切ない芝居は見応えがありました。俳優としての力を着実に付けて来てますね。連ドラでも大人がじっくり田尾閉めるシリアスな作品での演技も見てみたいです。

また、恐らく使用している映像の権利問題で、再放送やDVDなどの作品化は困難となるでしょうから、録画がある人は大切に保存した方が良いと思います。

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  • なかなかの出来!
パインル 2017/09/23(Sat)05:23:41 編集
>同じネタのドラマが既に日テレ開局55周年の2008年に放送済み
田辺誠一さん主演のそれですよね?こちらはもともと「脱力感」が売りに見える彼が「目いっぱい」力入れて演じている印象が日良かったのですが、亀梨くんの今回の作品はもともと目力強いし、押しの強い演技感があるので、無理して演じているようには見えませんでした。

確かに松下さん視点での展開は目新しくて見やすかったし、「歌謡曲全盛期」を知る方には楽しめて鑑賞で来たのではないでしょうか?

晩年がヒット作に恵まれなかったという点にも描写替えかがれていて、時代の流れも感じました。

※松田トシさんの「厳格な感じ」を峯村リエさんが演じていたのが“ピタリ賞”だと思えたのは私だけでしょうか?
  • Re:なかなかの出来!
みっきー 2017/09/23 06:22
☆パインルさん
コメントありがとうございます。

>※松田トシさんの「厳格な感じ」を峯村リエさんが演じていたのが“ピタリ賞”だと思えたのは私だけでしょうか?

松田トシさん役は、当時を思い出しました。
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