映画「交渉人 THE MOVIE」感想と採点 ※ネタバレあります

映画『交渉人 THE MOVIE タイムリミット 高度10000mの頭脳戦』を初日1回目で観て来た。観客は50名程で予想以上の入りで多くはオバサマたちだった。

採点は★☆☆☆☆（5点満点中1点）。でも私に久し振りに日本映画を見せた米倉涼子さんの魅力に敬意を表して2点でも良いかも(苦笑)

ざっくりとストーリー
ショッピングモールの立て籠もり犯を説得しに交渉人・宇佐木玲子登場。SATが制圧しようとした途端に大爆破。どさくさに紛れて犯人たちは逃走。数週間後、休暇で札幌に行く玲子が、飛行場であのショッピングモール事件で気になっていた少年を見つけ、彼の後追って搭乗予定とは違う北九州行きの飛行機に。するとその飛行機にがトンでもない事になっていく・・・

テレビドラマ以上でも以下でもない
一言で言えば"テレビドラマ以上でも以下でもない"。最近は好きな俳優や女優が出演していても日本映画はほとんど観ない私。それだけ最近の日本映画には期待薄なのだが、そのポリシーを貫かなかった自分を責め続けた2時間だった。こんな作品で観客を呼ぼうとする日本映画界は大丈夫なのか？

今回は相当辛口の感想なので、ファンの方や異論のある方は読まない方が良いです。「意見には個人差があるから」と寛大なお心の方のみ、採点の理由も含めて詳しい話はネタバレがあるので、右下からどうぞ。

まず、画質が悪い
私が観たのはTOHOシネマズ八千代緑が丘。冒頭からボケボケの解像度の映像。それに黒の階調は殆どつぶれてるし。多分HDで撮影してフィルム変換しているのだろうが、ちょっと酷いと言う印象。これならそのままDLPで上映すれば良いのにと思うほど。これだけでもテレビで十分と言える。

キャメラのアングルもカット割りもつまらないし、おかしい
"交渉"がテーマだけに、ダイアローグカット(台詞を喋ってる人だけ編集して繋げる手法)が緊張感を増すのに効果的なのはわかる。しかし、キャメラのアングルに変化がなくてつまらない。それに、冒頭のカーチェイスシーン。折角スタントマンががんばってるのに、交差するクルマ同士の編集のタイミングがおかしいところがあって、スリルが乏しい。他にも間延びしたカット割りが多くて、斜め前の小学生は30分後にはあくびをしてた。

音楽の使い方がCMが入るみたいでテレビ丸出し
「あれっ?CMが入るの?」と思わせるような音楽の使い方が4,5回はあった。(多分)テレビのサウンドトラックをそのまま使ってるから、テレビの時はテンポ良く使えても、先に書いたように編集が間延びしてるから、音楽も1曲最後まで使わざるを得ないのだろう。そのため、いかにもCMに行くような場面転換になる。むしろ30分に1回CMを入れたら、もっと楽しめたかもしれない。

米倉涼子さんのお色気も抑え気味だし・・・
せめて米倉さんのお色気を生かした演出にすれば良かったのに、こちらはむしろテレビより抑え目なくらい。それに主要な全出演者の見せ場をきちんと作らなきゃいけなかったのか、エピソードが多過ぎて散漫になってしまった。折角の交渉だって半分は桐沢圭吾(陣内孝則)だし。どの観客層がターゲットなのか、何とも中途半端な印象だった。俳優さんたちの演技はなかなか良かっただけに残念。

前売り券があまり売れなかったそうだが・・・
先月末からテレ朝の必死な番宣だけが目立っていた。しかし、前日でも前売り券の特典が残ってたから、あまり売れなかったのだろう。実際、前評判も高くなかったし。日本の映画ファンもまだまだ見所をわかってるなぁとちょっと安心した。

突っ込み所は満載。もっと重厚な"交渉人"を観たかった
宇佐木が命を賭けて旅客機を操縦して着陸させる数分間も、最初は緊迫感があるのに途中からトーンダウンして気がついたら着陸完了。心停止した宇佐木の蘇りもあっさりと、突っ込み所満載。どうも松田秀知監督の演出の緊張感がワンカットワンカットの最後まで持続しないことの積み重ねが、映画らしさの欠如に繋がったと思う。私は、テレビドラマでは観られないスケールの大きな"宇佐木の交渉"を観たかったから残念だった。

最後に、どんな人がこの映画を楽しめるのか考えてみた。多分、細かいことは気にせず気軽にサスペンスを楽しみたい人か、出演者のファンの人なら大丈夫だと思います。特に筧さんのファンは楽しめるはずです。

　             　

　　　


交渉人 THE MOVIE (小学館文庫) (文庫) 大石 直紀 (著)
交渉人 THE MOVIE OFFICIAL BOOK (ぴあMOOK) (ムック)
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交渉人 ~THE NEGOTIATOR~2 DVD-BOX 出演： 米倉涼子

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感想の趣旨について

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作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。

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