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連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第16週『揺れる心』の『第87,88回』の感想。


 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第87回】
昭和23年、オシャレに目覚めた女性たちでオハラ洋装店は大繁盛。糸子(尾野真千子)は娘たちに手を焼き、たびたび安岡美容室に行かせる。優子(野田琴乃)と直子(二宮星)はケンカが絶えず、マイペースな聡子(杉本湖凜)が加わり騒がしくて仕事にならない。糸子は恵(六角精児)に、繊維商業組合の組合長・三浦(近藤正臣)から話があると聞く。料理屋で久しぶりに会った北村(星田英利)はリーゼントに柄シャツ姿だった。

【第88回】
糸子(尾野真千子)は、北村(星田英利)から既製服の工場の手伝いを頼まれる。デザインを考えてほしいというのだが、客一人一人に合わせて洋服を作る自分のやり方との違いに、糸子は気が進まない。一方で娘たちの習いごとの間に仕事をしようと思いつくが、そのせいでピアノを買ってほしいという3人そろっての猛攻撃が始まってしまう。ようやく決心がつき、周防(綾野剛)に会うことを恐れながらも糸子は組合事務所を訪ねる。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

【第85回】子どもらとの賑やかなやり取りが入るとホッと…

本放送時は、2012年1月17日(火)。時は何と、昭和23年(1948)。前回から一気に2年の時間経過だ。それも月曜日でなく火曜日で! もう、その事だけで驚いていたのだが…

久し振りに叔父、松坂正一小原家に来て、息子の勇の祝言の写真を見せたり、千代が「糸子は…。これは 息子ですから」と場を和ませたり、2階の子どもらとの糸子の賑やかなやり取りが入ると、本当にホッとする。それに、「3姉妹」の個性が描かかれているのも、好感が持てる。やはり、きちんと日常描写、それが本作の一番良いところだから。

清三郎の "ナレ死" には驚きを隠せない

しかし、正一が帰って行ったこんな糸子のモノローグが飛び出して、更に驚く…

糸子(M)「神戸のおじいちゃんは 去年の冬に 亡くなりました。
     戦争からこっち お祝い事と不幸が 入れ子になって
     物事も月日も どんどん過ぎていきます。
     うちも あっちゅう間に 35や。
     『諸行無常』っちゅうやつやなあ」

ナント、祖父の清三郎が “ナレ死” で済まされてしまうとは! その上、正一の息子・勇や糸子の妹2人が結婚済みだったりと、前回の月曜日に入り切らなかったから、火曜日の序盤(と言っても5分、以上だが)に押し込んだような印象すらある。

それでも、子供たちの成長や仕事関係の変化が描かれているから、違和感を覚える…とまでは行かないが、流石に清三郎の “ナレ死” には驚きを隠せない。

清三郎をバッサリ退場させたのは大英断だったかも知れない…

しかし、考え方を変えてみると。本作に限らず、最近の朝ドラは登場人物が過ぎる程に多い。半年間を「○○編」と幾つかに区切って、そこに大量の登場人物を放り込むから、否が応でも登場人物が増える。その傾向はここ数年顕著だ。

そして、視聴率稼ぎなのか大人の約束なのか、だらだらと脇役の出演場面を増やして、どうでも良いようなエピソードに絡ませる。そんなことを続ける位なら、本作のように “私にとっては、かなりの重要キャラ=清三郎” であったとしても、バッサリと退場させるのは悪くないとは思う。いや、大英断と言って良いかも知れない。

「名作の予感」への黄色信号が点滅しないためにも…

でも…だ。では、そんなに思い切り良く退場させ、更に時間経過をさせてまで「何を描こうとしているのか?」が問題だ。本作が「女の一代記」であるなら、少なくとも「母と子ども」の関係は描き続けるだろうし、描き続けるべきと思う。そして、裕子ら子どもたちの成長も見てみたいとも思う。

しかし、今回のように一気に時間経過をしてしまうと、それを描いてくれるのか、とても不安になる。不安になるだけでない。

これまで丁寧に描写して来た濃厚な部分と、時間経過をして省略され欠落した部分と、時間経過によって生じた描写の手薄な部分、これら3つのバランスが益々悪くなり、当初に感じていた「名作の予感」への黄色信号の点滅の速さが加速するかも? と案じてしまうのだ。

先日に書いた、「玉枝の描写は不足がち」に続く、誰かの描写不足が増えないことを期待する。

店の繁盛を、モノローグと台詞と映像と劇伴のコラージュで魅せた!

とは言え、中盤での「オハラ洋裁店」の繁盛ぶりを、糸子のモノローグと台詞を組合せ、客で賑わう店内の様子に軽快な劇伴を合わせたコラージュして描いた数分間は、なかなか見応えがあった。

糸子(M)「子どもらの頭が
     ドングリになるくらいは よしとせな。
     とにかく このごろの店の忙しさちゅうたら
     ただ事やありません。
     ミシンも縫い子も増やして
     みんなで休みなしで働いても
     どないも おっつかんほどの注文の量です。
     戦争で焼けた跡の始末が やっと済んで
     そこに おしゃれの花が
     どんどん咲き始めてる ちゅうところでしょうか」

特に良かったのが、「安岡美容室」の店先での奈津と成長した息子の太郎のやり取りまでを、実は裕子たちの髪結いの時間だったと言うのは洒落た構成だ。

そして終盤の久し振りの北村(ほっしゃん。)の登場。「久し振り」「ご無沙汰」が飛び交うことで、この先の糸子の仕事に大きな変化が訪れる予感だ。2年間の時間経過を上手く活かした展開になるのを期待したい。



【第86回】不安を一気に払拭するような秀逸な15分間!

本放送時は、2012年1月18日(水)。前回で書いた、私の「子どもの成長を見てみたい」と言う願いが、早速叶ったような15分間だった。そして、もっと秀逸だと感じたのは、北村(ほっしゃん。)の活躍で、ここ最近、大きな動きが無かった「オハラ洋裁店の仕事」の部分に大きな動きを感じることが出来たことだ。

更に言えば、前回で強引に思われた「2年の時間経過」の意味が、「オハラ洋裁店の仕事」の部分については、かなり効果的に活用して来たことも、感想の冒頭に添えておく…

当初の頃の、商売では強気でイケイケの元気な糸子が描かれた

さて、本編。三浦(近藤正臣)に呼び出された糸子が、北村に力を貸してやって欲しいと言う。北村は、客から注文を受けてから生地を選んで採寸して1着ずつ作る昔ながらの呉服屋のやり方でなく、既製品を売ると言うアメリカ式の新しい商売方式を説明し始める。

北村「同じ型で 何枚も何枚も作ってから
   店に並べて売るんや。
   これやったらな 無駄が出にくいさかい
   値段を ぐっと下げられんねん。
   そやから このレディー…」
糸子「レディメード」
北村「レディーメード。これが これから
   日本でも 絶対 流行る思てんねん」

「レディーメイド」と言う注文生産制でなく、大量生産の既製品を安価で売る店を拡大展開するために、協力しろと言うのだ。しかし、糸子は自分の店のことで手一杯と断るが、今度は組合長の三浦(近藤正臣)が、糸子に「商品の型」を幾つか用意させて、工場を仕切る監督に教えれば良いのでは…と助け船を出す。こ

ここで二つ返事で答えないのが、糸子も成長したってこと。「売れれば良い」と言う北村の考えに納得が出来ずにいたのだ。店に帰ると、この話に乗り出してくるのが松田恵(六角精児)。

松田「先生は こんなええ話 断れる立場じゃありません!」

松田は、肩書通り、見た目通りのなかなかの商売人だ。松田は、安岡美容室の改修にも多額の金を貸したことや、奈津の保証人になったことを挙げて、プッシュプッシュ。

松田「万が一の事 考えたら
   稼げるだけ稼いどかあかんの 分かりますやろ!」

ここまで約7分、15分の半分だ。結局、テンポ良く糸子が松田らに説得される。やはり、このように商売が動くのは面白い。とにかく、こうして次の商売の歯車が動き出したのだから、今後は当初の頃の、お約束の商売では強気でイケイケの元気な糸子を見たいものだ。

"ごんた" と言う方言を効果的に使った、雰囲気の良いシーン

話は、子どもたちへ移行する。糸子は、家に居ると騒々しくて邪魔な子どもたちに習い事をたくさんさせていた。子供たちのためになるし、且つ自分は仕事に集中出来るし、更にお客さんにも迷惑が掛からないと言うのが、その理由らしい。それを、こんな言い方↓で例える糸子が可愛らしい。

糸子「『一石二鳥』。いや三鳥やろ?」

しかし、ピアノ教室から帰って来た優子たちは「お母ちゃん ピアノ 買うて」と、これまた大騒ぎ。今度はそんな状況をこんなモノローグ↓で説明したのがこれ。

糸子(M)「さあ このごんたが 3人固まったときの恐ろしい事」

この「ごんた」と言う表現が懐かしい。覚えておられる方もいるだろうが、第3回で糸子が神戸の清三郎たちを正月に訪問した際に、清三郎が糸子のことを「ハハッ! 来ましたか ごんた娘が」と言うシーンがあった。

「ごんた」とは、関西地方周辺の一部で使われる方言で「いたずらっ子」や「わんぱく小僧」の意味。従って、親子二代で男勝りのわんぱく娘ってなる訳だ。方言を効果的に使った、雰囲気の良いシーンだ。

そしてあの糸子の酔っ払い騒動から2年後の今、周防は泉州繊維商業組合の事務所にいないことが描かれて終了。

糸子が仕事に育児に(恋愛に)…をバランス良く描くから楽しい

それにしても、前回と雲泥の差とまでは言わないが、今回は私好みのかなり良い仕上がり。もう完全に戦後に一線を引いて、新たな時代が動き出した、そしてこのドラマも次の展開へ大きく動き出した、そんな感じがひしひしと伝わった15分間だった。

“今のごんた” も描いて、 “元ごんた” も描いてこその本作。糸子が仕事に育児に(のちには、恋愛に)…をバランス良く描くから本作は毎回楽しいのだ。その視点でも、毎朝見る朝ドラの15分としては、バランスが良かったと思う。こう言う回が今後も続くことを願う…

あとがき

ここんとこ、正直これまでの “安定感” が揺らいだ放送回が続いたので心配しましたが、この第88回を見て、かなり安心しました。これで、残りが約2か月半、放送回だと残り4割ちょっと。糸子は35歳。女性として、もっともっといろいろあるはずです。だからこそこののちも、「仕事、子ども、恋愛」のバランスはきちんと取って欲しいです。

最後に。最後に。前回の感想に 99回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。

7月8日(日)~7月22日(日)が大相撲七月場所ですが、次回の再放送は 7月30日(月)とテロップが出ました。3週間も空くのは寂しいですね。今月末は、夏の連ドラが始まりまっていますから、その頃の感想の投稿も大忙しになりそうです。では、また…

残念ながら、ここ数日間の少し酷評(のつもりはありませんが)と感じる感想に、ご本人は気付かずに(だと思いますが、結果的に)ネタバレを書いて「教えてあげるよ」と言わんばかりの人が増えて、困っています。本当にネタバレは止めて下さい! 私以外にも、今回が初見で番組と感想を楽しみにしている読者さんがおられるので。引き続き、ご協力お願いいたします。 ※また、暫くの間はテンプレです(謝)

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第1週『あこがれ』
1,2 3,4 5,6
第2週『運命を開く』
7,8 9,10 11,12
第3週『熱い思い』
13,14 15,16 17,18
第4週『誇り』
19,20 21,22 23,24
第5週『私を見て』
25,26 27,28 29,30
第6週『乙女の真心』
31,32 33,34 35,36
第7週『移りゆく日々』
37,38 39,40 41 42
第8週『果報者』
43 44,45 46,47 48
第9週『いつも想う』
 49 50,51 52,53 54
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55 56,57 58,59 60
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61 62,63 64,65 66
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