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連続テレビ小説『風、薫る』

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『風、薫る』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)Instagram

第47回第10週『疾風に勁草(けいそう)を』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。


小野田(宮地雅子)の死をきっかけに、ゆき(中井友望)は深い悲しみから実習を休む日々が続いていた。気持ちの整理がつかないゆきを前に、バーンズ(エマ・ハワード)は、りん(見上愛)や直美(上坂樹里)、多江(生田絵梨花)、喜代(菊池亜希子)らを集めて授業を行う。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------


原案田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
脚本:吉澤智子(過去作/ドリームチーム,幸運なひと,くるり~誰が私と恋をした?~)
演出:佐々木善春(過去作/ごちそうさん,マッサン,あさが来た) 第1,4,8
   新田真三(過去作/あさが来た,べっぴんさん,トクサツガガガ) 第2,6,10
   橋本万葉(過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘,おむすび) 第5,9
   松本仁志(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。) 第3,7
制作統括:松園武大(過去作/とと姉ちゃん,半分、青い。,ちむどんどん)
   宮本えり子(過去作/なつぞら,エール)
音楽:野見祐二(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。)
主題歌:Mrs. GREEN APPLE「風と町」
語り(本編):研ナオコ
土曜日版ナレーション:石橋亜沙(NHK東京アナウンス室)
※敬称略




あるセリフに抱いたきれい事への違和感

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―――ここまで、ごあいさつ―――

看護婦見習いのゆき(中井友望)が、余命いくばくもなかった患者である小野田(宮地雅子)の死をきっかけに、深い悲しみから実習を休む日々が続いていたと描いた “続き” である。


ゆき「私が 実習を休んだのは…
 耐えられないからです。
 小野田さんが いなくなってしまったことに…」 バーンズ「いなくなったのではありません。
 心臓の病により 亡くなったのです」

ゆき「実習で思い知りました。
 この仕事は 看護婦は
 人を助けるだけでなく
 見送る仕事でもあると…」

ゆきが実習を経て、人の死を頭ではなく身をもって理解したというセリフだ。

このような表現や物語の流れは、特に、医療ドラマ、若手の看護師や医師が活躍する医療ドラマでは非常によく見かける定番の手法である。

内科で見習い中のトメ(原嶋凛)との比較の中で、バーンズ先生(エマ・ハワード)がセリフの中にわざわざ英語を混ぜて表現した脚本は、「説明臭さ」を無用に強調した点で作品の雰囲気を損ねており、大きな失敗であると感じてしまった。

よって、《医療従事者は、常に患者の生と死に向き合う仕事である》をただただ、ありがちな展開と演出で伝えただけである。

いいや、もっと少し厳しい見方をすれば、どこか表面的な美しさ、きれいさだけを並べた、現実味のないきれい事のように見えてしまったといえると思う。


ドラマという媒体が持つ都合の良さ

なぜ「現実味のないきれい事」のように感じてしまうのだろうか。

理由はとても明快である。

そもそもテレビドラマというものは、現実の全てを描くわけではない

制作者にとって都合の良い部分だけを切り取り、物語として都合よく組み立てていくものである。

そのため、どのような作品であっても、ある程度の強引さや、きれいにまとまりすぎる展開が生じるのは仕方のないことだ。

であるから、本作の今回のこのエピソード自体を、頭ごなしにすべて否定するつもりはない


医療ドラマと当時の時代背景のズレ

それにもかかわらず、どうしても心に引っかかりが残る。

それは、この作品が「医療」という、人間の生死に最も深く関わるテーマを扱っているからだ。

「主人公が苦難を乗り越えて大活躍する一代記」が多い朝ドラという枠組みであれば、多少の強引な展開でも納得して楽しめることが多い。

しかし、医療をテーマにするとなると話は別である。

その理由は、この物語の舞台となった時代にある。

本作は、現在進行中の時代を明確にしない作風であるが、[史実]から鑑みると、おおよそ、明治19年(1886年)から明治21年(1888年)ごろだろう。

例えば、厚生労働省の生命表では、明治期の40歳男性の平均余命は約26年、女性は約29年となっており、つまり40歳まで生きれば、男性は66歳前後、女性は69歳前後まで生きる計算になる。  ※参照:厚生労働省の生命表 新窓で開きます

今と比べれば、平均寿命の観点からだけでも、若くして人は亡くなっていたのだ。

そう、当時は、現代とは比べものにならないほど、人にとって「死」が身近にある時代だったのだ。

登場人物たちの生まれ育った環境を考慮したとしても、彼女らが今さら人の死に直面して大きな衝撃を受ける様子には、どうしても不自然さを覚えてしまう。


歴史から見る死の身近さ

具体的な例を挙げれば、作中の登場人物であるりん(見上愛)の父親・一ノ瀬信右衛門(北村一輝)が「コレラで病死」した一件や、直美(上坂樹里)が深く関わる「教会の環境」を考えても、周囲に死の影は常にあったはずである。

要するに、明治19年(1886年)から明治21年(1888年)ごろの日本では、人の死は現代よりはるかに身近な存在であったのだ。

平均寿命は40歳前後と短く、乳幼児死亡率が高かったほか、コレラや結核などの感染症、出産や災害によって多くの命が失われていた。

また、この時代は西南戦争(1877年)の記憶がまだ社会に色濃く残り、後の日清戦争(1894~1895年)へ向かう軍備拡張の時期でもあった。

病気や事故だけでなく、戦争による死も人々の意識の中に現実的なものとして存在しており、多くの人々が死を身近に感じながら暮らしていた時代であった。

よって、りんや直美、ゆきらがそれを直接知らなかったとしても、社会全体がそのような厳しい激動の時代だったのだ。

たとえ身分の高い華族であっても、知り合いが亡くなるような経験は、当時の日常において決して珍しいことではなかったはずである。

そこを、都合よく隠して、「実習で思い知りました」と描くのは、あまりにもご都合主義すぎると思う。


現代の価値観を過去の時代に持ち込む問題

現代の社会は、核家族化や単身世帯化がゆきすぎて地域社会とのつながりすら薄れており、人の死を身近に感じる機会が少なくなっている。

もしもそのような現代を舞台にしたドラマであれば、死を理解するのに時間がかかる描写も納得ができる。

しかし、明治の初期という時代において、人々の結びつきや生活環境が現代のようであるはずがない

それなのに、登場人物たちがまるで現代人のような感覚で死を受け止めている描写には、大きな疑問を抱かざるを得ない

こうした、「約140年も前」の過去の時代を描きながらも現代的な感覚に偏ってしまう部分が、この作品の大きな弱点になっているのだ。


心の葛藤を表現する言葉の選択

劇中の、ゆきのセリフについても、もっと違った表現ができたのではないだろうか。

トメはこんなセリフを言っていた。


トメ「私は ただ知ってらだけだ」

そう、トメには、ただ単に「知っていた」と言わせたのだ。

だったら、これに呼応するカタチで、ゆきにはせめて「頑張ったのですが難しかったです」「やっぱり無理でした」くらいでよかったのでは?

数か月にわたって実際に医療の現場を実際に経験してきた上での深い葛藤や、どうしても乗り越えられない影に直面した苦悩が視聴者によく伝わったはずである。

医療の道を志したからといって、誰もが必ず成功しなければならないわけではない。

看護や手術介助の厳しさ、患者の死への悲しみに直面し、自分には無理だと悟って途中で諦める選択肢があっても、物語としては十分に成立するし、むしろそのほうが人間味があると思う。


物語の設定がもたらす不自然さ

このように、本作はどうしても設定と描写の間にチグハグな印象が拭えない

明治時代を舞台にしながら、中身は現代風のドラマを見せられているような違和感がある。

当時は感染症の大流行や度重なる戦争、事件などがあり、実際の生存率も今よりずっと低かった。

そうした厳しい現実を考慮すると、ドラマの展開があまりにも美しく処理されすぎているのだ。

登場人物たちが世間の荒波から完全に隔離された、よほどの箱入り娘や世間知らずとして育てられたという設定にでもしなければ、この不自然なきれいさは説明がつかないし。

もしそうであるとするならば、りんと直美を含めて見習い看護婦ら「ナース7」の初期設定から大きく揺らぐことになる。


作品をより良くするための改善策

第一に、登場人物たちの心理描写と時代背景のバランスを整える必要がある。

当時の厳しい現実を背景に描きつつ、だからこそ命を救おうとする医療の重みを強調すれば、物語の説得力は格段に増す。

また、現代的なきれい事のセリフをそのまま言わせるのではなく当時の人々が使っていたであろう言葉遣いや、その時代ならではの価値観をセリフに反映させることが重要である。

登場人物が直面する挫折や困難を美化しすぎず、生々しい葛藤として丁寧に描くことで、視聴者がより深く感情移入できる質の高い医療ドラマへと進化させることができる。


あとがき(その1)

歴史的な背景と令和のドラマとしての物語性が上手に融合すれば、昔の人の生き方や命の尊さを学べる最高のエンターテインメントになると思います。

でも、現状では、「ほぼ現代の看護師見習い奮闘記」の域を全く出ていません

まあ、もう改善は無理でしょうけど。


あとがき(その2)

妻や同僚たちを見ていると、看護師には本当に向き不向きがあると思います。

いろんな意味で「引きずるタイプ」は向いてないでしょうね。

「感情と行動を切り離せるスキル」が強く求められる仕事だと思います。

ちなみに私の仕事は、「感情と感動を言語化・具体家できるスキル」と「トラブルに動じず巧みにすり抜けるスキル」が必要です(笑)


お知らせ

今朝、東雲ゆき(中井友望)のモデルに関する考察と、その時代の看護婦たちの生き様を書いた「補足記事」を投稿しました。


朝ドラ『風、薫る』実在の記録から迫る東雲ゆき(演・中井友望)のモデル|子爵のお嬢様ナースは過酷な看護の現実をどう乗り越えるか!?|ディレクターの目線blog 新窓で開きます

朝ドラ『風、薫る』実在の記録から迫る東雲ゆき(演・中井友望)のモデル|子爵のお嬢様ナースは過酷な看護の現実をどう乗り越えるか!?
© 2026 mickey_director / Image generated using ChatGPT (OpenAI)

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朝ドラ『風、薫る』実在の記録から迫る東雲ゆき(演・中井友望)のモデル|子爵のお嬢様ナースは過酷な看護の現実をどう乗り越えるか!?
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【忠告】
NHK連続テレビ小説『風、薫る』の先の展開のネタバレは基本的に書いてありません。
ですが、ダブル主人公「一ノ瀬りんと大家直美」のモチーフである「大関和と鈴木雅」の[史実]について触れます。
あとから「読むんじゃなかった…」がないよう、読む際は自己責任でお願いします。
 ※以下、敬称は部分的に使い分けをします。



東雲ゆきのモデルに迫りつつ、ゆきの物語に関する史実

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俳優・見上愛さんと上坂樹里さんがダブル主演を務め、見上さんが「大関和」、上坂さんが「鈴木雅」を演じて、「日本近代介護の黎明期」を描くNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『風、薫る』(NHK総合・月~土、午前8時~ほか)。

第10週『疾風に勁草(けいそう)を』では、子爵のお嬢様で看護師見習い中の東雲ゆき(中井友望)が、担当患者である小野田(宮地雅子)が亡くなったことに動揺する様子が描かれました。

そこで今回は、東雲ゆき(中井友望)のモデルに迫りつつ、ゆきが第10週で生きる物語に関する[史実]を記してみます。

きっと、「本編」では採用されない(と思います)エピソードを知ることになるので、より今作を深読みできると思います。


第1章:強い風が吹くときにこそ真価が問われる

連続テレビ小説『風、薫る』の第10週は『疾風に勁草(けいそう)を』という言葉がサブタイトル(テーマ))である。

これは、激しい強風が吹いて初めて、踏ん張る力の強い草が見分けられるという中国の諺が由来となっている。

転じて、困難にぶつかったときこそ、その人の本質や信念の強さがはっきりと表れるという意味を持つ。

ドラマの物語においても、これから大きな壁や悩み、あるいは人間として成長を促されるような出来事が待ち受けていることを暗示しているようだ。


第2章:「看護」という仕事の厳しさと向き合う

前週の第9週から、ベテランの看病婦たちと見習いの「ナース7」たちの間には、ようやく和やかな空気が流れ始めていた。

ヒロインの一ノ瀬りん(見上愛)は、手術を控えた患者の千佳子(仲間由紀恵)に一晩中付き添うという献身的な看護を行い、手術も成功させた。

しかし、指導役のバーンズ先生(エマ・ハワード)から突きつけられたのは、看護は単なる奉仕ではなく仕事であるという冷静な現実だった。

たとえ心を通わせた相手であっても、命に関わる現場では感情に流されず、覚悟を持って役割を全うしなければならない。

その重圧は、まだ経験の浅い見習いたちにとって過酷な現実として立ちはだかった。


第3章:謎多きキャラクター東雲ゆきの正体

ナース7の一員である東雲ゆき(中井友望)は、おっとりとしていてナイチンゲール女史を熱心に研究する女性である。

ドラマの舞台である梅岡女学校付属看護婦養成所のモデルとなった当時の実在施設「桜井女学校附属看護婦養成所」では、最終的に卒業し、東京大学の附属病院などで活躍した女性たちがいたという記録が残っている。

しかし、ゆきのような人物が特定の個人をモデルにしているという確かな記録と、公式サイトの発表もは存在しない。

明治時代の看護教育や女性の自立を目指す運動は、華族や知識階級の女性たちによって担われた側面もあり、ゆきはそうした時代の空気を体現する象徴的な存在として描かれているのかもしれない。


第4章:疾風に揺れる心と立ち上がるための決意

先日、おとなしく控えめな性格のゆきが、患者を思うあまり看病婦と対立するほど強い意志を見せる場面があった。

しかし、実際に目の前で患者の容体が急変したとき、彼女はショックで立ちすくんでしまう。

患者の死を避けることができない看護の現場で、理想と現実の狭間に立たされたのだ。

それでも、第10週の予告編では少し大人びた表情で看護婦として踏み出そうとする姿が見えた。

何度打ちのめされても、そのたびに自分なりの答えを見つけ、芯の強い「勁草」のようにたくましく成長していくことを期待したい。


あとがき

今回は、物語の重要な転換点ともいえる東雲ゆきというキャラクターに焦点を当ててお伝えしました。

看護という仕事の厳しさに悩み、一度は心が折れそうになっても、そこから自分の信念を探そうとする彼女の姿には、画面越しに勇気をもらえます。

どんな困難な状況であっても、自分の道を見つけて懸命に歩もうとする登場人物たちの姿を、これからも温かい気持ちで見守っていきたいです。

ドラマで描かれるフィクションの奥に、こうした史実を知ることで、物語がより深く、温かく感じられると思います。

読者の皆様の “ドラマを楽しむ” ためのお役に立てれば幸いです。


参考・出展

田中ひかる(著)「明治のナイチンゲール 大関和物語」中央公論新社 新窓で開きます
メディアソフト(編集)「大関和と鈴木雅の人生」 新窓で開きます
伊多波碧(著)「小説 もうひとりのナイチンゲール 鈴木雅の生涯」潮出版社 新窓で開きます
毎日新聞出版(編)「Newsがわかる特別編 大関和がわかる」毎日ムック 新窓で開きます
土曜会歴史部会(著)「日本近代看護の夜明け」医学書院 新窓で開きます
東京大学医学部附属病院百年史 新窓で開きます
知命堂病院百二十年史 新窓で開きます
リットン・ストレイチー(著)橋口稔(訳)「ナイティンゲール伝 他1篇」岩波文庫 新窓で開きます
宮本百合子(著)「フロレンス・ナイチンゲールの生涯」新日本出版社 新窓で開きます
宮本百合子(著)「宮本百合子全集 第14巻」新日本出版社 新窓で開きます
木原武一(著)「大人のための偉人伝」新潮選書 新窓で開きます
セシル・ウーダム・スミス(著)武山満智子・小南吉彦(訳)「フロレンス・ナイチンゲールの生涯(上)」現代社 新窓で開きます
真山知幸(著)「偉人名言迷言事典』笠間書院 新窓で開きます



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拍手[11回]

銀河の一票

関西テレビ制作・フジテレビ系・新 月10ドラマ『銀河の一票』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)InstagramTikTokYouTube

第7話『出馬表明会見 ~わたしの10年、彼女の10年』、フジ公式『出馬表明会見 ―私の10年と彼女の10年』の感想。


通り魔事件の現場で、とっさに都知事選への出馬を口にしたあかり(野呂佳代)。その様子を収めた動画は瞬く間に拡散され、彼女を守った茉莉(黒木華)にも注目が集まる。一方、民政党では葛巻(堀部圭亮)らが離党し、AI企業社長・風間藍生(梶裕貴)を擁立して流星(松下洸平)との対決姿勢を鮮明に。過熱する世論の中、「チームあかり」は茉莉と父・鷹臣(坂東彌十郎)の関係が露見する危険を警戒し、緊急会議を開くが、そこであかりが重大な話を切り出し…。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---


原作:なし
脚本:蛭田直美(過去作/しずかちゃんとパパ,舟を編む)
演出:松本佳奈(過去作/コタローは1人暮らしS1,きのう何食べた?S2) 第1,2,3,7
   藤澤浩和(過去作/低体温男子になつかれました。,ホンノウスイッチ) 第4,5
   瀧悠輔(過去作/大豆田とわ子と三人の元夫,シェフは名探偵) 第6
   稲留武(過去作/秘密~THE TOP SECRET~,僕達はまだその星の校則を知らない)
主題歌:浜野謙太(ex.在日ファンク)&後藤真希 feat. 黒木華&野呂佳代「おーへい」
音楽:坂東祐大(過去作/大豆田とわ子と三人の元夫,17才の帝国)
P:佐野亜裕美(過去作/大豆田とわ子と三人の元夫,17才の帝国,エルピス-希望、あるいは災い-)
※敬称略




ピンチから始まった出馬への道

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テレビドラマ『銀河の一票』の第7話は、登場人物たちが選挙に向けて本格的に動き出す重要な回だった。

物語は、動画を配信している最中に不審者に襲われるという大事件から展開する。

この危機の中で、元スナックの経営者である月岡あかり(野呂佳代)が都知事になると大声で宣言し、その言葉がインターネット上で大きな話題となり、世間の人々から強い関心を集めることになる。

もともとあかりが選挙に出るきっかけを作ったのは、政治家の秘書をしていた星野茉莉(黒木華)だ。

茉莉は、父であり民政党幹事長である星野鷹臣(坂東彌十郎)の不正を疑ったことで仕事も住む場所も失っていた。

そんな時にあかりと出会い、都知事選への立候補を提案したのだ。

しかし、実際に選挙へ出るとなっても、具体的に何をすればよいのか誰も分からないと思う。

世間にある選挙ポスターを見ても、多くの人は自分とは関係のない遠い世界の出来事だと感じているのが現実だ。

あかりを本物の政治家として生まれ変わらせるため、茉莉や仲間の五十嵐、雲井蛍といった参謀たちは、真剣に作戦を練り始める。

そして、本作の見どころの一つが、この「多くの視聴者とは無縁の選挙の世界」を垣間見れることだと思う。


作られた物語と政治の裏側

選挙を有利に進めるためには、立候補者がどのような人生を歩んできたかという物語を有権者に伝えることが大切になる。

参謀の五十嵐隼人(岩谷健司)と雲井蛍(シシド・カフカ)は、多くの人を引きつける魅力的な経歴や理由が必要だと主張する。


蛍「順番を入れ替えて 記憶をすり替える。
 (中略) 誰かを傷つけるわけでもないし
 そのほうが覚悟が決まるから」

世の中で流れている心に響くエピソードの多くは、実は誰かの手によって細かく調整された作品なのだ。

茉莉たちもあかりの過去の出来事を少し変化させて、より感動的なお話に仕上げようとし、茉莉があかりと親しくなったきっかけであるキーホルダー探しのエピソードは、実際には20分ほどで見つかったものだが、お話に厚みを持たせるために4時間かけて必死に探したという内容に書き換えられた。

このような演出が行われる場面では、まるで映画のような音楽が流れ、平凡な出来事が劇的なドラマへと形を変えていく。

対立候補の日山流星(松下洸平)も、自分の苦しい生い立ちをノンフィクションの物語としてアピールしており、政治の世界におけるイメージ戦略の重要性が描かれている。

そして、本作の、いや特に今回のもう一つの見どころが、フィクションのドラマの中に、ドキュメンタリーやノンフィクションに見える要素が演出によって盛り込まれたことだ。

その演出を担当したのが、本作のチーフ監督・松本佳奈氏である。

松本氏は過去に…
 『東京センチメンタル』(テレ東/2017,2018)
 『デザイナー 渋井直人の休日』(テレ東/2019)
 『きょうの猫村さん』(テレ東/2020)
 『コタローは1人暮らし(Season1)』(テレ東/2021)
 『きのう何食べた?(Season2)』(テレ東/2023)
 『団地のふたり』(NHK BSプレミアム/2024)
など、フィクションの中にリアルな要素を組み込んだ作品を手掛けた実績がある。

本作は、松本氏の得意なジャンルを集結したような作品になっているのだ。


過去の苦悩と本実の選択

一方で、あかりには他人に隠しておきたい過去の傷があった。


あかり「「順番を入れ替えて
 記憶をすり替える。
 でも すり替えちゃいけないこともあるよね」

10年前、学校の保健室で「先生」として働いていた頃、悩んでいた生徒・鈴原ほのか(根本真陽)を十分に支えることができず、週刊誌に叩かれて世間から厳しい批判を受けた経験がある。

政治家になるためには、過去の不祥事を調べる身体検査が欠かせず、この問題は大きな障害となる可能性があった。

茉莉たちはあかりの経歴を美しく整えようとしたが、最終的にチームの仲間たちは嘘をつかずにありのままの事実で勝負することを選ぶ。

あかりが持つ人間としての温かさに魅力を感じたからだ。

あかりと茉莉は、学校や高齢者の施設、障害を持つ人々の場所を直接訪問し、生活の中での困りごとや要望を丁寧に聞き取っていく。

この場面では、実際の現実社会で生活している人々が登場し、ドラマという作り物の世界と本物の現実が重なり合う《セミドキュメンタリー風な映像処理》になっていた。

出馬を表明する記者会見の当日、かつての教え子・ほのかから手紙を受け取ったあかりは、用意された台本を読まなかった。

自分の心から湧き出る本物の言葉で、誰もが安心して暮らせる社会を作りたいと熱く語る。

飾られた偽りのエピソードではなく、誠実な本音こそが最終的に人の心を動かすのだという強いメッセージが提示されて、この回は締めくくられる。


あとがき

このドラマは、普段はあまり身近に感じられない選挙や政治の世界を、親しみやすいエンターテインメントとして描いていて面白いですね。

立候補者のイメージがどのように作られていくかという裏側を見せつつも、最終的には嘘のない誠実な気持ちが一番大切であると伝えている点に、とても感動させられます。

ドラマの中の出来事でありながら、現実の社会問題にもしっかりと目を向けさせてくれる、前向きで深い魅力を持った作品であると思います。


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【これまでの感想】
第1話第2話第3話第4話第5話第6話


新規投稿"2026年夏ドラマ一覧" を更新しました】
【2026年夏ドラマ】7月スタートの地上波ドラマ一覧!感想投稿予定リストも!!! 新窓で開きます内容を更新(一部の作品に「スタッフ一覧」を追加)しました。読者の皆さんの見逃したくない連ドラを見つけるお役に立てれば幸いです。

感想の趣旨について
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連続テレビ小説『風、薫る』

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『風、薫る』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)Instagram

第46回第10週『疾風に勁草(けいそう)を』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。


小野田(宮地雅子)の容態は回復の見込みが立たず、ゆき(中井友望)とトメ(原嶋凛)は担当医の坂田(金井勇太)から家族への連絡を促される。必死に看病にあたるゆきの姿が、りん(見上愛)や直美(上坂樹里)らは心配で…
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------


原案田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
脚本:吉澤智子(過去作/ドリームチーム,幸運なひと,くるり~誰が私と恋をした?~)
演出:佐々木善春(過去作/ごちそうさん,マッサン,あさが来た) 第1,4,8
   新田真三(過去作/あさが来た,べっぴんさん,トクサツガガガ) 第2,6,10
   橋本万葉(過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘,おむすび) 第5,9
   松本仁志(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。) 第3,7
制作統括:松園武大(過去作/とと姉ちゃん,半分、青い。,ちむどんどん)
   宮本えり子(過去作/なつぞら,エール)
音楽:野見祐二(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。)
主題歌:Mrs. GREEN APPLE「風と町」
語り(本編):研ナオコ
土曜日版ナレーション:石橋亜沙(NHK東京アナウンス室)
※敬称略




主人公以外にスポットライトを当てる難しさ

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―――ここまで、ごあいさつ―――

『風、薫る』を見ていて、物語の進め方に疑問を抱く瞬間がある。

それは、物語の中心となる主人公のりん(見上愛)と直美(上坂樹里)以外の登場人物に焦点を当てた、いわゆる「スピンオフ」のようなエピソードが描かれる時である。

テレビドラマにおいて主要キャラクター(主人公)以外の物語を展開すること自体は、決して悪いことではない

近年の朝ドラでも、「本編」とは別に独立した物語が作られたり、本編の途中に特定のキャラクターをメインにしたエピソードが組み込まれたりすることも珍しくない。

しかし、そうした試みを成功させるためには、視聴者が納得できるだけの丁寧な手順が必要となると思うのだ。


視聴者の心を動かすための「準備」の重要性

本来、特定の登場人物を掘り下げた物語を作るのであれば、事前にその人物の生い立ちや性格、人間関係などをしっかりと描き、視聴者に「この人のことをもっと知りたい」と思わせる必要があるはずだ。

視聴者はそのような心の準備があって初めて、違和感なくそのエピソードを楽しむことができると思う。

しかし、本作ではそうした事前の準備が不足している。

今回(今週)であれば、エピソードを作ること自体、いや「お涙頂戴展開にする」こと自体が目的になってしまっているため、突然始まったお話に対して視聴者は戸惑いを覚えてしまう。

最低限、ゆき(中井友望)の人物像に関して初登場の人物紹介以上に、事前の丁寧な描写という土台が必要だったのだ。

でも、それが皆無のため、物語としての盛り上がりにも欠け、結果として心から楽しむことが難しくなるのだ。


視聴者の想像力に頼った物語作りの罠

今回描かれたエピソードの題材自体は、決して悪いものではない。

医療をテーマにした現代のドラマなどでも、昔からよく使われているおなじみの展開である。

医療従事者が、とある患者へ過剰に感情移入したために起こるトラブルである。

そのため、見ている側はこれまでの経験から「きっとこういう状況(展開)なのだろう」と、足りない部分を自分の頭の中で自然に補って解釈することができる。

連続ドラマは一本の長い線のようにつながった物語であり、本来であれば脚本家や演出家がそこへ至る道筋を丁寧に用意しなければならない。

しかし、視聴者が好意的に脳内補完してくれる(自発的に物語の隙間を埋めてくれる)ことに甘えてしまえば、事前の準備を省いた不完全な描写であっても、一見すると感動的な場面が仕上がってしまう。

これは、災害や事故などの悲しい出来事、病気や障がいや死、幼い子どもや動物といった、誰もが簡単に心を動かされやすい要素に頼って、手軽に感動を作り出そうとする手法(いわゆる「感動ポルノ」もその類)と非常によく似ている。

決して全否定するつもりはないが、私は「安易な作劇、陳腐な感動創出策」として認めたくはない。


物語の説得力を高めるための改善策

今回も頑張って「このドラマの魅力をさらに引き出す方法」を考えてみる。

第一に、物語の背景となる設定や、登場人物の行動の動機をあらかじめ丁寧に積み重ねておくことが不可欠だ。

例えば、後半になって突然バーンズ先生(エマ・ハワード)の授業風景が始まると描かれても、視聴者は唐突な印象を受けてしまう。

こうした違和感をなくすためには、バーンズ先生が普段からどのような役割を果たしているのか、なぜその行動が必要だと考えたのかを、物語の初期段階から日常の何気ないシーンとして散りばめておくことが効果的だった。

もちろん、今後においても、ある登場人物の言動に唐突感を受け付けないためには、下ごしらえを丁寧にやっておく必要があると思う。

また、視聴者の想像力に頼り切るのではなく、制作者側がエピソードの種を事前にしっかりとまいて育てることで、どんな展開であっても自然に受け入れられ、より深い感動を呼ぶドラマへと進化するはずである。


あとがき

今回はドラマの構成や物語の作り方について一歩踏み込んだ視点から考えてみましたが、これは作品が持つ可能性をもっと引き出せるのではないかという期待の裏返しでもあります。

登場人物たちの魅力をさらに深く知り、物語の世界にしっかりと浸ることができれば、毎日の15分間が今よりもっと待ち遠しく、ワクワクするものになるに違いありません。

その意味では、これまでの本作には、私たちが驚くような素晴らしい伏線の回収や、胸を熱くする丁寧な人間ドラマは「ほぼなかった」と思います。

と同様に、演出における映像効果についても、脚本や演技を補強・補完するようなテクニックも「ほぼなかった」です。

やはり、ここまで「視聴者の超好意的な脳内補完」に頼り切るのは問題であると思いますね。


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TBS日曜劇場『GIFT』

TBSテレビ系・日曜劇場『GIFT』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)InstagramTikTok

第8話『決戦前夜―ブルズに起きる最後の奇跡』、EPG欄『最終章―決戦前夜!エースの命とチームの想い』の感想。


かつてブラックホール研究を伍鉄(堤真一)に否定され、研究者として追い詰められた宗像(宮﨑優)が、伍鉄の過去の行為を雑誌社へ告発する。人香(有村架純)は記事の差し止めを願うが、その条件として伍鉄のチーム離脱を突きつけられる。一方、涼(山田裕貴)は医師から病気の可能性を告げられ動揺し、キャサリン(円井わん)は出産と競技継続の間で葛藤する。さらに圭二郎(本田響矢)も、自身の実力差に苦しみ始める…。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---


原作:なし
脚本:金沢知樹(過去作/半沢直樹2022,クジャクのダンス、誰が見た?)
企画・原案:平野俊一(過去作/シマシマ2011)
演出:平野俊一(過去作/ラストマン-全盲の捜査官-,フェルマ-の料理) 第1,2,3,6
   加藤尚樹(過去作/ペンディングトレイン,キャスター) 第4,5,8
   伊藤弘晃(過去作/初恋アンダーDOGs~負け犬と初恋~(ネットドラマ)) 第7
音楽:林ゆうき(過去作/緊急取調室,DOCTORS~最強の名医,あさが来た)
主題歌:Official髭男dism「スターダスト」
挿入歌:Little Glee Monster「一輪」
監修・協力:一般社団法人日本車いすラグビー連盟美
P:宮﨑真佐子(過去作/逃げるは恥だが役に立つ)
   内川祐紀(過去作/クジャクのダンス、誰が見た?)
協力P:中澤美波(過去作/御上先生)
※敬称略




競技の魅力がかすむ背景

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―――ここまで、ごあいさつ―――

私は「それなりに」楽しく見ている日曜劇場『GIFT』であるが、世間の評判や視聴率、見逃し配信の再生数やお気に入り登録数は苦戦をしている、

その背景には、物語の焦点をどこに合わせるのかという、制作陣の迷いが見え隠れするからでないかというのが、私の見立てだ。

本来の軸であるはずの「スポーツシーン」よりも、「それ以外の出来事」に多くの時間が割かれていることが、日曜劇場ファンを困惑させる原因になっていると考えられるのだ。

では、制作陣が焦点を絞り込めずに盛り込んでいるようにしか見えない「それ以外の出来事」とは何なのかを考えてみる。


脇道にそれる家族の物語

前回の第7話は、いわゆる「物語の折り返し地点」であり、登場人物たちの意外な血縁関係が明かされた。

特に強調して描かれたのは、主人公である宇宙物理学者の伍鉄文人(堤真一)をとりまく家族の再生を描く場面である。

それは、回を増すごとに増えているが、登場する父・伍鉄、元妻・坂本広江(山口智子)、息子・坂本昊(玉森裕太)で構成される「3人家族」は《競技に関わりのない一般の人々》なのだ。

そのため、《家族のふれあい》を温かく描けば描くほど、本来のテーマである《車いすラグビーの練習や試合》の描写が少なく、かつ薄くなってしまうのは当然だ。

そう、視聴者を惹きつけるための “工夫” であり、客寄せや視聴率稼ぎの “狙い” が、結果として物語全体の勢いを削ぐ形になっているのだ。


次々と巻き起こる事件と波乱

さらに、物語の展開を劇的にするための “作戦” が裏目に出ている部分もある。

その一つが、大学の研究員・宗像桜(宮﨑優)が主人公を陥れるために週刊誌へ情報を流すといったスキャンダルであり。

もう一つが、チームのエースである宮下涼(山田裕貴)を襲う突然の重い病気といった試練がこれにあたる。

中でも、宮下に関しては既に大きな困難(身体的な障がい)を乗り越えてきた登場人物だ。

その登場人物に、さらに別の不幸を重ねる手法は、視聴者に不自然で強引な印象を与えかねない。

要するに、スポーツを通じて生まれる “純粋な感動を期待する人々” にとって、「ホームドラマ要素」「スキャンダル要素」「新たな病気要素」といった “味付け” は過剰に感じられるはずなのだ。


たくさんのエピソードが詰め込まれたことで起きる問題

というわけで、ひとつのドラマの中に、気になる事件や問題はひとつあれば十分に楽しめるのだ。

しかし、本作『GIFT』は、先述したとおりに、ひとつの回の中にいくつもの出来事を詰め込んできている。

普通に考えれば “盛り込みすぎ” である。

このような現象が起きてしまうのは、先に書いた《制作陣が描くべきものを絞り込めていない》ことが大きな要因だが。

その根っこにあるのが《主人公が何人もいること》が原因だといえる。

内容(主人公風の登場人物)が多すぎると、見ている人がどこに注目していいか分からなくなるだけではない。

本作では、登場人物たちがそれぞれ全く違う方向を向いて行動しているため、ひとつのまとまった物語として感じられなくなってしまっているのだ。

同じ世界の中で起きている出来事なので、かなり好意的な目で見れば、ひとつのストーリーとしてつじつまが合っているように思えなくもない。

しかし、それは無理に納得しようとした場合の話だ。

実際には、多くのキャラクターが別々の問題に関わっているため、目の前にある重大な問題に誰も集中していないように見えてしまっている。

この不自然さが、見ている側にとって大きな違和感となっているのだ。


初期設定が生かされていない展開への疑問

実は本作は、第1話からずっと同じような課題を抱えている。

本来は、「天才宇宙物理学者」と「車いすラグビー」というふたつの要素を組み合わせた物語であるはずだ。

それなのに、「天才宇宙物理学者」という設定が必要ないようなエピソードや、「車いすラグビー」でなくても成立するような展開が目立つ

例えば、今回の物語の中盤に描かれた、朝谷圭二郎(本田響矢)と谷口聡一(細田佳央太)の「ブルズ VS シャークヘッド」のくだりのような、奇をてらったような展開はその典型的な例である。

ドラマの初期設定を丁寧に生かして物語を作っていないため、車いすという設定が、ただ《視聴者を感動させるためだけに用意された道具》のように見せてしまっていた。

また、「天才宇宙物理学者」という設定についても同様のことがいえる。

それらしい雰囲気を出すために「天文用語」や「物理用語」を織り交ぜているが、伍鉄というキャラクターが話し始めると、まるで “中身のないポエム” のように聞こえてしまってやしないだろうか。

他の登場人物が語る言葉も同じである。

脚本が一生懸命に作り込んでいる雰囲気は伝わってくるが、結局は《不自然に作られたセリフに過ぎない》と感じられるのだ。


弱小チームの成長とよそ者の家族、どちらも中途半端な展開

この作品が始まったときから続いている違和感がある。

本作の軸は、かつての実力を失った弱小チームに‘よそ者’が新しく加わることで、お互いが刺激し合って変化し、成長していくストーリーのはずである。

しかし、実際に登場人物たちがしっかりと成長してきたかというと、非常に中途半端な描き方にとどまっている。

そこで本作は、このようなドラマによくある展開として、‘よそ者’の背景を描くために、物語の後半から家族の話題を追加した。

しかし、その家族の要素も一瞬で流されてしまい、今回の内容を見る限りでは、わざわざ新しく追加する必要がなかったように思える。

これなら最初から家族の物語として始めておけばすっきりしたはずである。


最終章直前のトラブル詰め込みすぎ!大切な本筋が見えない

さらに、ここにきて「二つ」、いや「三つ」の新たなトラブルが盛り込んできた。

先に書いた、「伍鉄を陥れる週刊誌記事」「涼の肥大型心筋症」、そして「キャサリン(円井わん)の妊活」である。

一般的な連ドラであれば、おそらく、これらの「三つの騒動」は、第2話あたりから最終章直前までに‘小出し’をして、次第に盛り上げようとするものだ。

しかし、本作では折り返しが過ぎた最終章直前に盛り込み始めた。

このような構成やテンポの悪さも、作品全体の不自然さにつながっている。

もちろん、最近のドラマでは、このようにたくさんの要素を詰め込む手法がよく見られる。

しかし、主人公が複数いる上に、脇役のエピソードまで詰め込まれ、さらに物語がだいぶ進んだところで複数の新たなトラブルを組み込んでしまうと、制作者が最終的に何を伝えたいのかが分からなくなってしまうのだ。

中心となる大切なストーリーが見えなくなるほど、内容を詰め込みすぎている点が非常に惜しまれる。


あとがき

第7話までの感想では「いいとこ」ばかりを書いてきましたが、最終章直前ということで、「本音」を広げました。

本作って、見ようによってですが、複数のメインキャラを置く群像劇や、科学とスポーツを融合させた斬新な設定は、新しいドラマの形に挑戦している作品であるともいえるんですね。

ただ、今のところは、全ての要素がバラバラに宇宙にさまよっている状態です。

ちりばめられた多くの要素が一つにまとまり、車いすラグビーという競技の本当の面白さが再び中心に戻ってくるかどうかが、これからの盛り上がりを左右する重要な鍵となると思います。


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  • 管理人 自己紹介
【ハンドルネーム】
みっきー
【性別】
男性
【職業】
宴会/映像ディレクター(フリーランス)
【自己紹介】
東京下町生まれ千葉県在住。
ホテル音響照明映像会社を経て、2001年独立。
ホテルでイベント、パーティー、
映像コンテンツ等の演出を手掛ける。
活動拠点は東京と千葉の有名ホテル等。
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家政夫のミタゾノ[2]
家政夫のミタゾノ[3]
家政夫のミタゾノ[4]
家族ノカタチ
家族の旅路 家族を殺された男と殺した男
学校のカイダン
家庭教師のトラコ
彼女はキレイだった
神の舌を持つ男
カムカムエヴリバディ
からかい上手の高木さん
カルテット
監獄学園
監獄のお姫さま
監察医 朝顔
監察医 朝顔[2]
カンナさーん!
危険なビーナス
岸辺露伴は動かない
季節のない街
偽装の夫婦
偽装不倫
貴族探偵
きのう何食べた?
きのう何食べた? season2
GIFT
義母と娘のブルース
きみが心に棲みついた
君と世界が終わる日に
キャスター
キャリア~掟破りの警察署長~
99.9‐刑事専門弁護士‐
99.9-刑事専門弁護士-[2]
共演NG
今日から俺は!!
風間公親-教場0-
競争の番人
京都人情捜査ファイル
きょうの猫村さん
きょうは会社休みます。
行列の女神~らーめん才遊記~
嫌われる勇気
キワドい2人-K2-池袋署刑事課神崎・黒木
銀河の一票
緊急取調室[2]
緊急取調室[3]
緊急取調室[4]
緊急取調室[5]
金田一少年の事件簿N(neo)
銀と金
クジャクのダンス、誰が見た?
グッド・ドクター
グッドパートナー
グッドワイフ
CRISIS 公安機動捜査隊特捜班
海月姫
グ・ラ・メ!~総理の料理番~
グランメゾン東京
黒い十人の女
黒革の手帖2017
クロサギ(2022)
黒服物語
  • 過去の連ドラの感想記事一覧(け、こ)
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刑事7人
ケイジとケンジ 所轄と地検の24時
ケイジとケンジ、時々ハンジ。
警視庁アウトサイダー
警視庁いきもの係
警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~
警視庁ゼロ係[2]
警視庁ゼロ係[3]
警視庁・捜査一課長
刑事ゆがみ
警部補・杉山真太郎
ゲゲゲの女房
下剋上球児
下剋上受験
結婚相手は抽選で
結婚式の前日に
Get Ready!
健康で文化的な最低限度の生活
限界団地
恋がヘタでも生きてます
恋せぬふたり
恋仲
恋はつづくよどこまでも
恋です!ヤンキー君と白杖ガール
恋はDeepに
合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~
コウノドリ[1]
コウノドリ[2]
こえ恋
ごくせん2002特別編[再]
極主夫道
心がポキッとね
心の傷を癒すということ
5→9 ~私に恋したお坊さん~
ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○
ゴーストライター
珈琲いかがでしょう
後妻業
コタキ兄弟と四苦八苦
コタツがない家
コタローは1人暮らし
ごちそうさん
孤独のグルメ[4]
孤独のグルメ[5]
孤独のグルメ[6]
孤独のグルメ[7]
孤独のグルメ[8]
孤独のグルメ[9]
孤独のグルメ[10]
コード・ブルー[3]
この素晴らしき世界
この世界の片隅に
古見さんは、コミュ症です。
ごめん、愛してる
ごめんね青春!
これは経費で落ちません!
婚姻届に判を捺しただけですが
コントが始まる
  • 過去の連ドラの感想記事一覧(さ~し)
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[さ~し]
最愛
最高のオバハン 中島ハルコ
最後から二番目の恋
最後の鑑定人
サイレーン
サイン―法医学者 柚木貴志の事件―
櫻子さんの足下には死体が埋まっている
サギデカ
先に生まれただけの僕
SAKURA~事件を聞く女~
桜の塔
さすらい温泉 遠藤憲一
サムライせんせい
さぼリーマン甘太朗
さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~
ザ・ロイヤルファミリ
残念な夫。
3人のパパ
35歳の少女
37.5℃の涙
3年A組 今から皆さんは、人質です
G線上のあなたと私
シェフは名探偵
Chef~三ツ星の給食~
視覚探偵 日暮旅人
シグナル 長期未解決事件捜査班
時効警察はじめました
地獄先生ぬ~べ~
しずかちゃんとパパ《再編集版》
下町ロケット
下町ロケット[2018]
七人の秘書
シッコウ!!~犬と私と執行官~
知ってるワイフ
GTO[2]
死にたい夜にかぎって
死幣ーDEATH CASHー
地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子
下北沢ダイハード
しもべえ
シャーロック アントールドストーリーズ
死役所
獣医さん、事件ですよ
就活家族~きっと、うまくいく~
就活生日記
19番目のカルテ(最終回)
集団左遷!!
10の秘密
重版出来!
重要参考人探偵
准教授・高槻彰良の推察 Season1
正直不動産
正直不動産2
JKは雪女
女囚セブン
少年寅次郎
少年寅次郎スペシャル2020
昭和元禄落語心中
知らなくていいコト
シリーズ江戸川乱歩短編集IV
シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。
新・刑事吉永誠一
新宿セブン
新宿野戦病院
新・信長公記~クラスメートは戦国武将~
深夜食堂[3]
  • 過去の連ドラの感想記事一覧(た)
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[た]
DIVER-特殊潜入班-
大貧乏
DIVE!!
大恋愛~僕を忘れる君と
高嶺の花
田鎖ブラザーズ
戦う!書店ガール
玉川区役所 OF THE DEAD
民王
ダメな私に恋してください
タリオ 復讐代行の2人
探偵が早すぎる
探偵さん、リュック開いてますよ
探偵の探偵
探偵・由利麟太郎
小さな巨人
ちむどんどん
中学聖日記
超速パラヒーロー ガンディーン
ちょっとだけエスパー
終のひと
作りたい女と食べたい女
作りたい女と食べたい女(2)
燕は戻ってこない
妻、小学生になる。
デート ~恋とはどんなものかしら~
dele/ディーリー
ディア・ペイシェント~絆のカルテ~
DCU Deep Crime Unit ~手錠を持ったダイバー~
デザイナー 渋井直人の休日
デジタル・タトゥー
デスノート
テセウスの船
出入禁止(デキン)の女
テディ・ゴー!
デッドストック
デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士
天国と地獄 ~サイコな2人~
天使と悪魔
天使にリクエストを~人生最後の願い~
転職の魔王様
天皇の料理番
TWO WEEKS
東京スカーレット~警視庁NS係~
東京センチメンタル
東京タラレバ娘
東京独身男子
同窓生~人は、三度,恋をする~
東京サラダボウル
東京放置食堂
逃亡医F
透明なゆりかご
ドS刑事
時をかける少女
毒島ゆり子のせきらら日記
トクサツガガガ
ドクター調査班~医療事故の闇を暴け~
ドクターX ~外科医・大門未知子~[3]
ドクターX ~外科医・大門未知子~[4]
ドクターX ~外科医・大門未知子~[5]
ドクターX ~外科医・大門未知子~[6]
ドクターX~外科医・大門未知子~[7]
ドクターカー
DOCTORS 3 最強の名医
Dr.倫太郎
特捜9
トクメイ!警視庁特別会計係
匿名探偵[2]
とげ~小市民 倉永晴之の逆襲~
ど根性ガエル
突然ですが、明日結婚します
トップナイフ ―天才脳外科医の条件―
とと姉ちゃん
トドメの接吻
隣の家族は青く見える
となりの関くんとるみちゃんの事象
ドラゴン桜(2021年版)
虎に翼
ザ・トラベルナース
ザ・トラベルナース[2]
ドリームチーム
トリリオンゲーム
トレース~科捜研の男~
ドロ刑 -警視庁捜査三課-
  • 過去の連ドラの感想記事一覧(は行)
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[は]
バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~
バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~
バイプレーヤーズ~名脇役の森の100日間~
バカボンのパパよりバカなパパ
白衣の戦士!
ハゲタカ(テレ朝)
ばけばけ
ハケン占い師アタル
ハケンの品格[2020]
ハコヅメ~たたかう!交番女子~
はじめまして、愛しています。
初めて恋をした日に読む話
八月は夜のバッティングセンターで。
初恋、ざらり
花子とアン
花咲舞が黙ってない
花咲舞が黙ってない[2024]
花のち晴れ~花男 Next Season~
母になる
ハヤブサ消防団
ばらかもん
ハラスメントゲーム
ハルカの光
ハル ~総合商社の女~
ハロー張りネズミ
半沢直樹[2020]
半分、青い。
パーフェクトワールド
BG~身辺警護人~
BG~身辺警護人~(第2章)
「PJ ~航空救難団~』
ヒガンバナ~警視庁捜査七課~
ひきこもり先生
悲熊
美食探偵 明智五郎
人は見た目が100パーセント
火の粉
100万回 言えばよかった
病室で念仏を唱えないでください
病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~
ひよっこ
ひよっこ2
ビリオン×スクール
Believe -君にかける橋-
昼のセント酒
HERO[2014]
ファーストクラス[2]
ファーストペンギン!
ファイトソング
FINAL CUT
ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん
フェルマーの料理
VRおじさんの初恋
不機嫌な果実
ブギウギ
不適切にもほどがある!
不便な便利屋
ブラックペアン
ブラックペアン シーズン2
フラジャイル
フランケンシュタインの恋
ブラックリベンジ
フリンジマン
フルーツ宅配便
ブルーモーメント
プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮
べしゃり暮らし
ヘッドハンター
べっぴんさん
ペテロの葬列
Heaven?~ご苦楽レストラン~
保育探偵25時
ボイス 110緊急指令室
ボーダーライン
HOPE~期待ゼロの新入社員~
ボク、運命の人です。
僕たちがやりました
ホクサイと飯さえあれば
僕とシッポと神楽坂
僕の初恋をキミに捧ぐ
僕のヤバイ妻
僕はどこから
僕らは奇跡でできている
僕達はまだその星の校則を知らない
星新一の不思議な不思議な短編ドラマ
星降る夜に
ホテルコンシェルジュ
ホリデイラブ
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[や]
やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる
やさしい猫
ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~
屋根裏の恋人
山田孝之の東京都北区赤羽
ヤメゴク
ユーミンストーリーズ2024
ゆとりですがなにか
ユニコーンに乗って
ユニバーサル広告社
妖怪シェアハウス
ようこそ、わが家へ
4号警備
40万キロかなたの恋
4分間のマリーゴールド
[ら]
ライオンの隠れ家
ラヴソング
ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~
ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~
THE LAST COP/ラストコップ
ラストチャンス 再生請負人
ラスト・ドクター~監察医アキタの検死報告~
ラストマン-全盲の捜査官-
らんまん
リーガル・ハート ~いのちの再建弁護士~
リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~
リエゾン-こどものこころ診療所-
陸王
リコカツ
リスクの神様
リバース
リバーサルオーケストラ
リピート ~運命を変える10か月~
リブート
#リモラブ ~普通の恋は邪道~
竜の道 二つの顔の復讐者
路(ルウ)~台湾エクスプレス~
ルパンの娘[1]
ルパンの娘[2]
流星ワゴン
臨床心理学者 火村英生の推理
レッドアイズ 監視捜査班
恋愛時代
レンアイ漫画家
レンタル救世主
レンタルなんもしない人
レンタルの恋
六畳間のピアノマン
6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱
[わ]
ワイルド・ヒーローズ
若者たち2014
私 結婚できないんじゃなくて、しないんです
私たちはどうかしている
ワタシってサバサバしてるから
わたし、定時で帰ります。
わたしを離さないで
私のおじさん~WATAOJI~
私の家政夫ナギサさん
罠の戦争
わにとかげぎす
わろてんか

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