関西テレビ制作・フジテレビ系・新 月10ドラマ『銀河の一票』
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第7話『出馬表明会見 ~わたしの10年、彼女の10年』、フジ公式『出馬表明会見 ―私の10年と彼女の10年』の感想。
通り魔事件の現場で、とっさに都知事選への出馬を口にしたあかり(野呂佳代)。その様子を収めた動画は瞬く間に拡散され、彼女を守った茉莉(黒木華)にも注目が集まる。一方、民政党では葛巻(堀部圭亮)らが離党し、AI企業社長・風間藍生(梶裕貴)を擁立して流星(松下洸平)との対決姿勢を鮮明に。過熱する世論の中、「チームあかり」は茉莉と父・鷹臣(坂東彌十郎)の関係が露見する危険を警戒し、緊急会議を開くが、そこであかりが重大な話を切り出し…。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---
原作:なし
脚本:蛭田直美(過去作/しずかちゃんとパパ,舟を編む)
演出:松本佳奈(過去作/コタローは1人暮らしS1,きのう何食べた?S2) 第1,2,3,7話
藤澤浩和(過去作/低体温男子になつかれました。,ホンノウスイッチ) 第4,5話
瀧悠輔(過去作/大豆田とわ子と三人の元夫,シェフは名探偵) 第6話
稲留武(過去作/秘密~THE TOP SECRET~,僕達はまだその星の校則を知らない)
主題歌:浜野謙太(ex.在日ファンク)&後藤真希 feat. 黒木華&野呂佳代「おーへい」
音楽:坂東祐大(過去作/大豆田とわ子と三人の元夫,17才の帝国)
P:佐野亜裕美(過去作/大豆田とわ子と三人の元夫,17才の帝国,エルピス-希望、あるいは災い-)
※敬称略
ピンチから始まった出馬への道
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―――ここまで、ごあいさつ―――
テレビドラマ『銀河の一票』の第7話は、登場人物たちが選挙に向けて本格的に動き出す重要な回だった。
物語は、動画を配信している最中に不審者に襲われるという大事件から展開する。
この危機の中で、元スナックの経営者である月岡あかり(野呂佳代)が都知事になると大声で宣言し、その言葉がインターネット上で大きな話題となり、世間の人々から強い関心を集めることになる。
もともとあかりが選挙に出るきっかけを作ったのは、政治家の秘書をしていた星野茉莉(黒木華)だ。
茉莉は、父であり民政党幹事長である星野鷹臣(坂東彌十郎)の不正を疑ったことで仕事も住む場所も失っていた。
そんな時にあかりと出会い、都知事選への立候補を提案したのだ。
しかし、実際に選挙へ出るとなっても、具体的に何をすればよいのか誰も分からないと思う。
世間にある選挙ポスターを見ても、多くの人は自分とは関係のない遠い世界の出来事だと感じているのが現実だ。
あかりを本物の政治家として生まれ変わらせるため、茉莉や仲間の五十嵐、雲井蛍といった参謀たちは、真剣に作戦を練り始める。
そして、本作の見どころの一つが、この「多くの視聴者とは無縁の選挙の世界」を垣間見れることだと思う。
作られた物語と政治の裏側
選挙を有利に進めるためには、立候補者がどのような人生を歩んできたかという物語を有権者に伝えることが大切になる。
参謀の五十嵐隼人(岩谷健司)と雲井蛍(シシド・カフカ)は、多くの人を引きつける魅力的な経歴や理由が必要だと主張する。
蛍「順番を入れ替えて 記憶をすり替える。
(中略) 誰かを傷つけるわけでもないし
そのほうが覚悟が決まるから」
世の中で流れている心に響くエピソードの多くは、実は誰かの手によって細かく調整された作品なのだ。
茉莉たちもあかりの過去の出来事を少し変化させて、より感動的なお話に仕上げようとし、茉莉があかりと親しくなったきっかけであるキーホルダー探しのエピソードは、実際には20分ほどで見つかったものだが、お話に厚みを持たせるために4時間かけて必死に探したという内容に書き換えられた。
このような演出が行われる場面では、まるで映画のような音楽が流れ、平凡な出来事が劇的なドラマへと形を変えていく。
対立候補の日山流星(松下洸平)も、自分の苦しい生い立ちをノンフィクションの物語としてアピールしており、政治の世界におけるイメージ戦略の重要性が描かれている。
そして、本作の、いや特に今回のもう一つの見どころが、フィクションのドラマの中に、ドキュメンタリーやノンフィクションに見える要素が演出によって盛り込まれたことだ。
その演出を担当したのが、本作のチーフ監督・松本佳奈氏である。
松本氏は過去に…
『東京センチメンタル』(テレ東/2017,2018)
『デザイナー 渋井直人の休日』(テレ東/2019)
『きょうの猫村さん』(テレ東/2020)
『コタローは1人暮らし(Season1)』(テレ東/2021)
『きのう何食べた?(Season2)』(テレ東/2023)
『団地のふたり』(NHK BSプレミアム/2024)
など、フィクションの中にリアルな要素を組み込んだ作品を手掛けた実績がある。
本作は、松本氏の得意なジャンルを集結したような作品になっているのだ。
過去の苦悩と本実の選択
一方で、あかりには他人に隠しておきたい過去の傷があった。
あかり「「順番を入れ替えて
記憶をすり替える。
でも すり替えちゃいけないこともあるよね」
10年前、学校の保健室で「先生」として働いていた頃、悩んでいた生徒・鈴原ほのか(根本真陽)を十分に支えることができず、週刊誌に叩かれて世間から厳しい批判を受けた経験がある。
政治家になるためには、過去の不祥事を調べる身体検査が欠かせず、この問題は大きな障害となる可能性があった。
茉莉たちはあかりの経歴を美しく整えようとしたが、最終的にチームの仲間たちは嘘をつかずにありのままの事実で勝負することを選ぶ。
あかりが持つ人間としての温かさに魅力を感じたからだ。
あかりと茉莉は、学校や高齢者の施設、障害を持つ人々の場所を直接訪問し、生活の中での困りごとや要望を丁寧に聞き取っていく。
この場面では、実際の現実社会で生活している人々が登場し、ドラマという作り物の世界と本物の現実が重なり合う《セミドキュメンタリー風な映像処理》になっていた。
出馬を表明する記者会見の当日、かつての教え子・ほのかから手紙を受け取ったあかりは、用意された台本を読まなかった。
自分の心から湧き出る本物の言葉で、誰もが安心して暮らせる社会を作りたいと熱く語る。
飾られた偽りのエピソードではなく、誠実な本音こそが最終的に人の心を動かすのだという強いメッセージが提示されて、この回は締めくくられる。
あとがき
このドラマは、普段はあまり身近に感じられない選挙や政治の世界を、親しみやすいエンターテインメントとして描いていて面白いですね。
立候補者のイメージがどのように作られていくかという裏側を見せつつも、最終的には嘘のない誠実な気持ちが一番大切であると伝えている点に、とても感動させられます。
ドラマの中の出来事でありながら、現実の社会問題にもしっかりと目を向けさせてくれる、前向きで深い魅力を持った作品であると思います。
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【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話
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NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『風、薫る』
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第46回/第10週『疾風に勁草(けいそう)を』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。
小野田(宮地雅子)の容態は回復の見込みが立たず、ゆき(中井友望)とトメ(原嶋凛)は担当医の坂田(金井勇太)から家族への連絡を促される。必死に看病にあたるゆきの姿が、りん(見上愛)や直美(上坂樹里)らは心配で…
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
脚本:吉澤智子(過去作/ドリームチーム,幸運なひと,くるり~誰が私と恋をした?~)
演出:佐々木善春(過去作/ごちそうさん,マッサン,あさが来た) 第1,4,8週
新田真三(過去作/あさが来た,べっぴんさん,トクサツガガガ) 第2,6,10週
橋本万葉(過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘,おむすび) 第5,9週
松本仁志(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。) 第3,7週
制作統括:松園武大(過去作/とと姉ちゃん,半分、青い。,ちむどんどん)
宮本えり子(過去作/なつぞら,エール)
音楽:野見祐二(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。)
主題歌:Mrs. GREEN APPLE「風と町」
語り(本編):研ナオコ
土曜日版ナレーション:石橋亜沙(NHK東京アナウンス室)
※敬称略
主人公以外にスポットライトを当てる難しさ
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―――ここまで、ごあいさつ―――
『風、薫る』を見ていて、物語の進め方に疑問を抱く瞬間がある。
それは、物語の中心となる主人公のりん(見上愛)と直美(上坂樹里)以外の登場人物に焦点を当てた、いわゆる「スピンオフ」のようなエピソードが描かれる時である。
テレビドラマにおいて主要キャラクター(主人公)以外の物語を展開すること自体は、決して悪いことではない。
近年の朝ドラでも、「本編」とは別に独立した物語が作られたり、本編の途中に特定のキャラクターをメインにしたエピソードが組み込まれたりすることも珍しくない。
しかし、そうした試みを成功させるためには、視聴者が納得できるだけの丁寧な手順が必要となると思うのだ。
視聴者の心を動かすための「準備」の重要性
本来、特定の登場人物を掘り下げた物語を作るのであれば、事前にその人物の生い立ちや性格、人間関係などをしっかりと描き、視聴者に「この人のことをもっと知りたい」と思わせる必要があるはずだ。
視聴者はそのような心の準備があって初めて、違和感なくそのエピソードを楽しむことができると思う。
しかし、本作ではそうした事前の準備が不足している。
今回(今週)であれば、エピソードを作ること自体、いや「お涙頂戴展開にする」こと自体が目的になってしまっているため、突然始まったお話に対して視聴者は戸惑いを覚えてしまう。
最低限、ゆき(中井友望)の人物像に関して初登場の人物紹介以上に、事前の丁寧な描写という土台が必要だったのだ。
でも、それが皆無のため、物語としての盛り上がりにも欠け、結果として心から楽しむことが難しくなるのだ。
視聴者の想像力に頼った物語作りの罠
今回描かれたエピソードの題材自体は、決して悪いものではない。
医療をテーマにした現代のドラマなどでも、昔からよく使われているおなじみの展開である。
医療従事者が、とある患者へ過剰に感情移入したために起こるトラブルである。
そのため、見ている側はこれまでの経験から「きっとこういう状況(展開)なのだろう」と、足りない部分を自分の頭の中で自然に補って解釈することができる。
連続ドラマは一本の長い線のようにつながった物語であり、本来であれば脚本家や演出家がそこへ至る道筋を丁寧に用意しなければならない。
しかし、視聴者が好意的に脳内補完してくれる(自発的に物語の隙間を埋めてくれる)ことに甘えてしまえば、事前の準備を省いた不完全な描写であっても、一見すると感動的な場面が仕上がってしまう。
これは、災害や事故などの悲しい出来事、病気や障がいや死、幼い子どもや動物といった、誰もが簡単に心を動かされやすい要素に頼って、手軽に感動を作り出そうとする手法(いわゆる「感動ポルノ」もその類)と非常によく似ている。
決して全否定するつもりはないが、私は「安易な作劇、陳腐な感動創出策」として認めたくはない。
物語の説得力を高めるための改善策
今回も頑張って「このドラマの魅力をさらに引き出す方法」を考えてみる。
第一に、物語の背景となる設定や、登場人物の行動の動機をあらかじめ丁寧に積み重ねておくことが不可欠だ。
例えば、後半になって突然バーンズ先生(エマ・ハワード)の授業風景が始まると描かれても、視聴者は唐突な印象を受けてしまう。
こうした違和感をなくすためには、バーンズ先生が普段からどのような役割を果たしているのか、なぜその行動が必要だと考えたのかを、物語の初期段階から日常の何気ないシーンとして散りばめておくことが効果的だった。
もちろん、今後においても、ある登場人物の言動に唐突感を受け付けないためには、下ごしらえを丁寧にやっておく必要があると思う。
また、視聴者の想像力に頼り切るのではなく、制作者側がエピソードの種を事前にしっかりとまいて育てることで、どんな展開であっても自然に受け入れられ、より深い感動を呼ぶドラマへと進化するはずである。
あとがき
今回はドラマの構成や物語の作り方について一歩踏み込んだ視点から考えてみましたが、これは作品が持つ可能性をもっと引き出せるのではないかという期待の裏返しでもあります。
登場人物たちの魅力をさらに深く知り、物語の世界にしっかりと浸ることができれば、毎日の15分間が今よりもっと待ち遠しく、ワクワクするものになるに違いありません。
その意味では、これまでの本作には、私たちが驚くような素晴らしい伏線の回収や、胸を熱くする丁寧な人間ドラマは「ほぼなかった」と思います。
と同様に、演出における映像効果についても、脚本や演技を補強・補完するようなテクニックも「ほぼなかった」です。
やはり、ここまで「視聴者の超好意的な脳内補完」に頼り切るのは問題であると思いますね。
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TBSテレビ系・日曜劇場『GIFT』
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第8話『決戦前夜―ブルズに起きる最後の奇跡』、EPG欄『最終章―決戦前夜!エースの命とチームの想い』の感想。
かつてブラックホール研究を伍鉄(堤真一)に否定され、研究者として追い詰められた宗像(宮﨑優)が、伍鉄の過去の行為を雑誌社へ告発する。人香(有村架純)は記事の差し止めを願うが、その条件として伍鉄のチーム離脱を突きつけられる。一方、涼(山田裕貴)は医師から病気の可能性を告げられ動揺し、キャサリン(円井わん)は出産と競技継続の間で葛藤する。さらに圭二郎(本田響矢)も、自身の実力差に苦しみ始める…。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---
原作:なし
脚本:金沢知樹(過去作/半沢直樹2022,クジャクのダンス、誰が見た?)
企画・原案:平野俊一(過去作/シマシマ2011)
演出:平野俊一(過去作/ラストマン-全盲の捜査官-,フェルマ-の料理) 第1,2,3,6話
加藤尚樹(過去作/ペンディングトレイン,キャスター) 第4,5,8話
伊藤弘晃(過去作/初恋アンダーDOGs~負け犬と初恋~(ネットドラマ)) 第7話
音楽:林ゆうき(過去作/緊急取調室,DOCTORS~最強の名医,あさが来た)
主題歌:Official髭男dism「スターダスト」
挿入歌:Little Glee Monster「一輪」
監修・協力:一般社団法人日本車いすラグビー連盟美
P:宮﨑真佐子(過去作/逃げるは恥だが役に立つ)
内川祐紀(過去作/クジャクのダンス、誰が見た?)
協力P:中澤美波(過去作/御上先生)
※敬称略
競技の魅力がかすむ背景
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―――ここまで、ごあいさつ―――
私は「それなりに」楽しく見ている日曜劇場『GIFT』であるが、世間の評判や視聴率、見逃し配信の再生数やお気に入り登録数は苦戦をしている、
その背景には、物語の焦点をどこに合わせるのかという、制作陣の迷いが見え隠れするからでないかというのが、私の見立てだ。
本来の軸であるはずの「スポーツシーン」よりも、「それ以外の出来事」に多くの時間が割かれていることが、日曜劇場ファンを困惑させる原因になっていると考えられるのだ。
では、制作陣が焦点を絞り込めずに盛り込んでいるようにしか見えない「それ以外の出来事」とは何なのかを考えてみる。
脇道にそれる家族の物語
前回の第7話は、いわゆる「物語の折り返し地点」であり、登場人物たちの意外な血縁関係が明かされた。
特に強調して描かれたのは、主人公である宇宙物理学者の伍鉄文人(堤真一)をとりまく家族の再生を描く場面である。
それは、回を増すごとに増えているが、登場する父・伍鉄、元妻・坂本広江(山口智子)、息子・坂本昊(玉森裕太)で構成される「3人家族」は《競技に関わりのない一般の人々》なのだ。
そのため、《家族のふれあい》を温かく描けば描くほど、本来のテーマである《車いすラグビーの練習や試合》の描写が少なく、かつ薄くなってしまうのは当然だ。
そう、視聴者を惹きつけるための “工夫” であり、客寄せや視聴率稼ぎの “狙い” が、結果として物語全体の勢いを削ぐ形になっているのだ。
次々と巻き起こる事件と波乱
さらに、物語の展開を劇的にするための “作戦” が裏目に出ている部分もある。
その一つが、大学の研究員・宗像桜(宮﨑優)が主人公を陥れるために週刊誌へ情報を流すといったスキャンダルであり。
もう一つが、チームのエースである宮下涼(山田裕貴)を襲う突然の重い病気といった試練がこれにあたる。
中でも、宮下に関しては既に大きな困難(身体的な障がい)を乗り越えてきた登場人物だ。
その登場人物に、さらに別の不幸を重ねる手法は、視聴者に不自然で強引な印象を与えかねない。
要するに、スポーツを通じて生まれる “純粋な感動を期待する人々” にとって、「ホームドラマ要素」「スキャンダル要素」「新たな病気要素」といった “味付け” は過剰に感じられるはずなのだ。
たくさんのエピソードが詰め込まれたことで起きる問題
というわけで、ひとつのドラマの中に、気になる事件や問題はひとつあれば十分に楽しめるのだ。
しかし、本作『GIFT』は、先述したとおりに、ひとつの回の中にいくつもの出来事を詰め込んできている。
普通に考えれば “盛り込みすぎ” である。
このような現象が起きてしまうのは、先に書いた《制作陣が描くべきものを絞り込めていない》ことが大きな要因だが。
その根っこにあるのが《主人公が何人もいること》が原因だといえる。
内容(主人公風の登場人物)が多すぎると、見ている人がどこに注目していいか分からなくなるだけではない。
本作では、登場人物たちがそれぞれ全く違う方向を向いて行動しているため、ひとつのまとまった物語として感じられなくなってしまっているのだ。
同じ世界の中で起きている出来事なので、かなり好意的な目で見れば、ひとつのストーリーとしてつじつまが合っているように思えなくもない。
しかし、それは無理に納得しようとした場合の話だ。
実際には、多くのキャラクターが別々の問題に関わっているため、目の前にある重大な問題に誰も集中していないように見えてしまっている。
この不自然さが、見ている側にとって大きな違和感となっているのだ。
初期設定が生かされていない展開への疑問
実は本作は、第1話からずっと同じような課題を抱えている。
本来は、「天才宇宙物理学者」と「車いすラグビー」というふたつの要素を組み合わせた物語であるはずだ。
それなのに、「天才宇宙物理学者」という設定が必要ないようなエピソードや、「車いすラグビー」でなくても成立するような展開が目立つ。
例えば、今回の物語の中盤に描かれた、朝谷圭二郎(本田響矢)と谷口聡一(細田佳央太)の「ブルズ VS シャークヘッド」のくだりのような、奇をてらったような展開はその典型的な例である。
ドラマの初期設定を丁寧に生かして物語を作っていないため、車いすという設定が、ただ《視聴者を感動させるためだけに用意された道具》のように見せてしまっていた。
また、「天才宇宙物理学者」という設定についても同様のことがいえる。
それらしい雰囲気を出すために「天文用語」や「物理用語」を織り交ぜているが、伍鉄というキャラクターが話し始めると、まるで “中身のないポエム” のように聞こえてしまってやしないだろうか。
他の登場人物が語る言葉も同じである。
脚本が一生懸命に作り込んでいる雰囲気は伝わってくるが、結局は《不自然に作られたセリフに過ぎない》と感じられるのだ。
弱小チームの成長とよそ者の家族、どちらも中途半端な展開
この作品が始まったときから続いている違和感がある。
本作の軸は、かつての実力を失った弱小チームに‘よそ者’が新しく加わることで、お互いが刺激し合って変化し、成長していくストーリーのはずである。
しかし、実際に登場人物たちがしっかりと成長してきたかというと、非常に中途半端な描き方にとどまっている。
そこで本作は、このようなドラマによくある展開として、‘よそ者’の背景を描くために、物語の後半から家族の話題を追加した。
しかし、その家族の要素も一瞬で流されてしまい、今回の内容を見る限りでは、わざわざ新しく追加する必要がなかったように思える。
これなら最初から家族の物語として始めておけばすっきりしたはずである。
最終章直前のトラブル詰め込みすぎ!大切な本筋が見えない
さらに、ここにきて「二つ」、いや「三つ」の新たなトラブルが盛り込んできた。
先に書いた、「伍鉄を陥れる週刊誌記事」「涼の肥大型心筋症」、そして「キャサリン(円井わん)の妊活」である。
一般的な連ドラであれば、おそらく、これらの「三つの騒動」は、第2話あたりから最終章直前までに‘小出し’をして、次第に盛り上げようとするものだ。
しかし、本作では折り返しが過ぎた最終章直前に盛り込み始めた。
このような構成やテンポの悪さも、作品全体の不自然さにつながっている。
もちろん、最近のドラマでは、このようにたくさんの要素を詰め込む手法がよく見られる。
しかし、主人公が複数いる上に、脇役のエピソードまで詰め込まれ、さらに物語がだいぶ進んだところで複数の新たなトラブルを組み込んでしまうと、制作者が最終的に何を伝えたいのかが分からなくなってしまうのだ。
中心となる大切なストーリーが見えなくなるほど、内容を詰め込みすぎている点が非常に惜しまれる。
あとがき
第7話までの感想では「いいとこ」ばかりを書いてきましたが、最終章直前ということで、「本音」を広げました。
本作って、見ようによってですが、複数のメインキャラを置く群像劇や、科学とスポーツを融合させた斬新な設定は、新しいドラマの形に挑戦している作品であるともいえるんですね。
ただ、今のところは、全ての要素がバラバラに宇宙にさまよっている状態です。
ちりばめられた多くの要素が一つにまとまり、車いすラグビーという競技の本当の面白さが再び中心に戻ってくるかどうかが、これからの盛り上がりを左右する重要な鍵となると思います。
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【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話
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第9週『看病婦とアメ』の「土曜ダイジェスト版(土曜日版)」の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。
りん(見上愛)は千佳子(仲間由紀恵)の手術を通して、看病婦・フユ(猫背椿)の技術と覚悟に強く心を動かされる。やがて見習い生たちは、看病婦へ看護を教える立場となるが、重傷患者の緊急手術や手術介助の現場で新たな壁に直面する。一方で、フユの家庭事情や夫・康介(じろう)の異変、さらに直美(上坂樹里)が知る「夕凪」の存在など、それぞれの抱える事情も浮かび上がり、看病婦と見習い生たちの関係が少しずつ変化していく…。
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脚本:吉澤智子(過去作/ドリームチーム,幸運なひと,くるり~誰が私と恋をした?~)
演出:佐々木善春(過去作/ごちそうさん,マッサン,あさが来た) 第1,4,8週
新田真三(過去作/あさが来た,べっぴんさん,トクサツガガガ) 第2,6週
橋本万葉(過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘,おむすび) 第5,9週
松本仁志(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。) 第3,7週
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音楽:野見祐二(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。)
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語り(本編):研ナオコ
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※敬称略
ダイジェストで露呈したバラバラ感…絞り込めば変わったはず
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―――ここまで、ごあいさつ―――
今週の「土曜日ダイジェスト版」を見て、「本編」では強引にリンクさせていた5つのエピソードが、益々完全にリンクしていないことが明瞭になった。
その5つとは…
●りん(見上愛)と乳がん患者の千佳子(仲間由紀恵)
●りんと看病婦・フユ(猫背椿)
●りんと直美(上坂樹里)とフユの康介(じろう ex.シソンヌ)
●直美と寛太(藤原季節)
●ゆき(中井友望)と余命いくばくもない患者の小野田(宮地雅子)
まあ、「週5放送」で「5本立て」をやった上に、全てに‘りん’か、直美が絡んでいるならいざ知らず、そうでないのだからバラバラに見えるのは当然である。
せめて、りんと千佳子を先週で終わらせ、『看病婦とアメ』のサブタイトルに合わせて、りんとフユと康介だけに絞り込んだら、仕上がりの印象はだいぶ変わったと思う。
もちろんこれは、「本編」を書いた脚本家が悪いのであって、この点については「土曜日ダイジェスト版」の編集でもどうにもならなかったのかも?
いいや、後述するが、「やりようは、あった」と思う。
本編超えの完成度!全体像がすっきり分かる見事なダイジェスト
さて、「本編」への愚痴はこれくらいして、今週の「土曜日ダイジェスト版」の話をしよう。
個人的には、「本編」とは全く逆で、「土曜日ダイジェスト版」の出来栄えが、「本編」よりも優れていると感じている。
これまでのどの朝ドラであっても、通常の「土曜日ダイジェスト版」は「週5放送の本編のあらすじ」を確認するための補助的なものにすぎない。
しかし、本作においては、物語の本質や制作陣が本当に伝えたいテーマを明確に浮き彫りにする役割を果たしてきている(週もある)ように思う。
先週の、「土曜日ダイジェスト版」に続き、今週のまとめ方もかなり見事であり、物語の全体像がすっきりと頭に入る構成になっている(5つのエピソードは連携していませんけれど)。
皮肉なことに、、「土曜日ダイジェスト版」の完成度が高すぎるため、「じゃあ、本編も見てみよう」と思った視聴者が、かえって落差による物足りなさを覚えてしまうほどである。
余分な要素を削ぎ落としたからこそ見えてきた普遍的な青春劇
今週の「土曜日ダイジェスト版」が成功している最大の理由は、本編に溢れていた余分な要素が大胆に削ぎ落とされているからである。
何度も同じことを繰り返すようなセリフや、中身のないポエムのようなきれいごとだけのやり取りや、物語の本筋とは直接関係のない登場人物同士の対立シーンが徹底的に排除された。
その結果、明治時代であるとう時代背景を一度脇に置いてみれば、現代の医療ドラマ、特に『新人ナースの奮闘記ドラマ』のような、お馴染みの物語とそっくりな構造になっていることが見えてくる。
明治時代を舞台にしたドラマでありながら、現代の若者にも強く共感できる(であろう)普遍的な青春ストーリーに仕上がっているのは、この無駄のない編集のおかげである。
当時の雰囲気や歴史的な重みをどこまで大切にするかという議論はあるものの、視聴者にとって馴染み深く、物語の世界に入り込みやすい環境を作ったことは間違いない。
揉め事のノイズを払拭!ダイジェストが取り戻した本来のテーマ
「本編」の最大の問題点は、物語の土台となる素晴らしいテーマがあるにもかかわらず、それが派手な揉め事の描写によって隠れてしまっていることである。
そのテーマとは、おそらく…
『明治という激動の時代に、看護という新しい仕事に挑んだ二人の女性が、“自分らしく幸せに生きる道” を切り拓いていく物語』
そして、その中心には、《看護の誕生・女性の自立・バディ(相棒)としての成長・疫病との闘い》という複数の軸が重なっているはずだ。
しかし、「本編」ではキャラクターたちの対立が過剰に演出され、視聴者を煽るような表現が目立つのだ。
そのため、今後の展開に向けた大切な伏線や、登場人物たちの心の交流であるはずのシーンが、単なる一過性のトラブルに見えてしまうのである。
これでは、ただ事件が起きてそれを解決するだけという、中身の薄い単純なドラマという印象になりかねない。
ドラマを盛り上げるために事件を起こす手法自体は悪くないが、作品が本来目指すべき深みを犠牲にしてまで、目先の衝突ばかりを描くのは本末転倒である。
でも、今週の「土曜日ダイジェスト版」は、そうした余計なノイズを取り除き、ドラマが本当に描きたかった中心軸をきれいに取り戻していると思う。
職人技の編集が光る!見落とされていた成長と葛藤が伝わる名場面
具体的な場面を振り返ると、「土曜日ダイジェスト版」の工夫がさらに際立つ。
例えば、「本編」の感想でも触れた、教育を担当するバーンズ先生(エマ・ハワード)が教え子たちに熱く語りかける場面である。
「土曜日ダイジェスト版」では、生徒たちが実技実習の映像を効果的に残しながら、セリフでは頭を使う座学の内容を重ね合わせている。
これにより、主人公たちが先生の指導を真剣に受け止め、日々成長している様子が手に取るように伝わってくる。
「本編」にも全く同じ映像はあるのだが、周りの無駄なシーンに埋もれてしまい、制作陣の意図が伝わっていなかった。
さらに見事だったのは、資格を持つ「看護婦」と、身の回りの世話をする「看病婦」という、立場の違う女性たちの描き分けだ。
細かく映像を切り貼りしてつなぎ合わせる職人技のような編集により、両者の違いや葛藤が非常に分かりやすくなっている。
さらに、ダブル主人公である‘りん’と直美だけでなく、周囲の見習い看護婦たちの働く姿もしっかり残されているため、脇を固める登場人物たちの魅力も存分に引き出されていたと思う。
引き算の美学を本編へ!ダイジェスト版に残る課題と今後の願い
一方で、短くまとめたからこそ、どうしても割り切れずに残ってしまった課題もいくつか見受けられる。
その一つが、直美というキャラクターに関するエピソードの扱いである。
再来週以降で深く描かれる予定の要素であれば、今回のダイジェスト版の中では無理に触れず、次回(次週)以降に回したほうが全体の流れがより美しくなったのではないだろうか。
また、耳障りの良い。聞き心地の良い、いわゆるポエムのような表現についても課題が残る。
今週の「土曜日ダイジェスト版」ではかなり分量を削った形跡は見えるものの、本編自体の表現が過剰であるため、やはり全体のバランスから見ると少々くどさが残ってしまった。
これほどきれいな要約ができる実力があるのなら、この引き算の美学を最初から「本編」の制作にも生かしてほしいと願わざるを得ない。
無駄な騒動より意味のある間を!本編を洗練させる引き算の視点
現在の「本編」が抱える課題を乗り越え、より質の高いドラマにするためには、ダイジェスト版で証明された「引き算の視点」を本編の制作段階から導入することが有効だと思う。
まず、物語の進行を妨げている意味のない対立や過剰なトラブルの描写を思い切ってカットする。
そうして生まれた時間的な余裕には、新しいシーンを無理に付け足すのではなく、登場人物たちの感情の移り変わりを表現する風景の映像や、余韻を持たせるための沈黙といった、丁寧な「間」を配置するのである。
今週、ある読者様から「今作には演出の見どころはないのですか?」と質問をいただいたが、《本作の「4人の演出家」の誰もが、情景カットや比喩的表現を使わないし、ほぼ「間」も有効活用していないゆえに、見どころはない》と答えさせていただいた。
もちろん、確かにこの方法を選ぶと、一時的に物語のテンポが遅くなったり、引き伸ばしているような印象を視聴者に与えたりするリスクはある。
しかし、中身のない騒動を詰め込まれるよりは、静かであっても意味のある空間(映像)があるほうが、作品としての品格は格段に向上する。
さらに、《映像そのものが多くを語るようになる》ため、状況を説明するためだけの追加のナレーションに頼る必要もなくなる。
結果、今ある映像素材を最大限に活かした、より洗練された作品構造へと生まれ変わるはずである。
あとがき
今回の感想を通して、『風、薫る』という作品が持つ本来の魅力と、それを支えるスタッフの高い編集技術が本当によく分かったと思います。
毎日の「本編」で見えにくくなっているテーマや、登場人物たちの細やかな成長の足跡が、ダイジェスト版という形で見事に表現されているのは本当に良いことです。
あとは、このダイジェスト版で見せてくれた工夫や映像のつなぎ方が、今後の「本編」の放送にもどんどん取り入れられていくことを願うばかりです。
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第7話『動き出す、それぞれの思惑…』の感想。
真(岡田将生)は、市役所の相談員・小夜子(渡辺真起子)に父・朔太郎(和田正人)たちを失った苦悩を打ち明ける。しかしその直後、西浦綾香を殺害した疑いのあった宇野(山本浩司)が死亡。現場で真は、稔(染谷将太)の話も聞かず自殺だと断言し、異様な投げやりさを見せる。違和感を抱いた稔と詩織(中条あやみ)は、連続殺人事件の被疑者たちが皆、小夜子に相談していた事実に注目。小夜子への疑惑が深まる中、行方不明の津田(飯尾和樹)のノートを巡り、晴子(井川遥)のもとにある人物が現れる…。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---
原作:なし
脚本:渡辺啓(過去作/警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~,Get Ready!)
演出:山本剛義(過去作/最愛,Get Ready!) 第1,2,3,4話
坂上卓哉(過去作/地獄の果てまで連れていく) 第5,7話
川口結(過去作/まどか26歳,研修医やってます!) 第6話
撮影監督:宗賢次郎(過去作/映画「#拡散」のみ撮影監督,他作品は照明技師)
撮影:加藤春日(過去作/ドラマスチール〈写真〉撮影担当)
音楽:富貴晴美(過去作/朝ドラ「舞いあがれ!」、花嫁のれんシリーズ、西郷どん)
P:新井順子(過去作アンナチュラル,MIU404,最愛)
主題歌:森山直太朗「愛々」
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複雑な人間関係と背筋が凍るような恐怖の裏に隠された秘密
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本作の物語の裏では、登場人物たちの複雑な人間関係が実に渦巻いている。
茂木幸輝(山中崇)という男は、辛島夫妻と普通ではないつながりを持っているようだ。
また、妻のふみ(仙道敦子)という女性は、田鎖兄弟から大切な証拠を奪ってくるようにと、冷酷な命令を簡単に下す。
それに逆らおうとする茂木に対し、夫の貞夫(長江英和)は急に態度を一変させて激しい言葉で威圧した。
強い圧力をかけられた茂木は、まるで幼い子どものように涙を流して激しく怯えてしまう。
特に、映像的には、ふみの表情を捉える茂木の背中越しのカメラが背中をまたぐと、ふみの表情がガラリと変わるところは、まさにサスペンス、いいやホラーである。
この茂木の異常なまでの恐れ方こそが、視聴者にまだ明かされていない重大な秘密が隠されていることを強く予感させているのだ。
警察の猛追と「みんなの幸せ」の嘘に隠された必死の攻防
一方で、警察側の動きも慌ただしくなっている。
足利晴子(井川遥)という人物が、情報屋として田鎖兄弟に協力しているという事実が明らかになった。
その報告を受けた刑事の小池俊太(岸谷五朗)は、これ以上の協力を止めさせるために行動を開始する。
彼が向かった先は、その兄弟が暮らす部屋だった。
この必死な行動は、福祉健康課の相談支援係・秦野小夜子(渡辺真起子)を刺そうとした成田賢心(齋藤潤)の必死な姿を彷彿とさせる。
辛島夫婦が主張する「みんなの幸せ」という言葉が、単なる偽りの作り話であると見抜いた上での行動なのかもしれない。
裏の顔の暴露と不気味なセリフが予感させる真実の修羅場
劇中で語られた「あいつには裏の顔があったの」という言葉は、これまでの出来事を思い起こさせる。
第1話に描かれた、真が聞き耳を立てて聞いていた若い女性たちの雑談が重要な鍵を握っている可能性は高い。
その内容は、交際相手の心変わりに関する不満であった。
男性の部屋に見知らぬ女性がやってきて修羅場となり、問い詰められた男性がどちらも選ばないと答えた瞬間、背後の収納スペースから予期せぬ事態が起きる…(ここで話は終わる)という話である。
このエピソードは、今後の物語を解き明かす大きな手がかりを提示していると思う。
きっと、信頼していた人物に別の顔があることや、どちらか一方を選べない葛藤があることを示しているのだろう。
それは単に復讐をして終わるような単純な結末ではなく、隠されていた真実が次々と暴かれる展開を予感させる。
最後に残された、「きっとあなたは 私に会いに来ると思うけど」という不気味な言葉が、いつまでも心に引っかかり続けるのだ。
使い古されたパターンを裏切る見事な工夫と次への期待感
ここからは、もう少し「テレビドラマ」として掘り下げてみる。
テレビで見かける刑事や探偵のドラマは、これまでにたくさんの本や映像で作られてきた。
そのため、物語のパターンはほとんど出尽くしているのが現状だ。
特に、(私は、そう思っていませんが)いわゆる “考察系ドラマ” が好きな人が見ると、どこかで見たことがあるような感覚になりやすいと思う。
しかし、本作は主人公の兄弟がたどる運命と、事件の内容が上手に関連付けられている。
よく使われるパターンの物語に見えて、実は展開のさせ方に一工夫ある。
この工夫によって、視聴者は次の放送が待ち遠しくなる。
物語をあえて長引かせる手法として、非常に見事な組み立て方だ。
王道展開をセンスで魅せる!無駄を削ぎ落とした言葉の力
前述したとおり、最近のドラマには、どこかで見たような設定や展開の作品が少なくない。
流行を取り入れようと企画しても、実際に放送されるまでには長い時間がかかるため、テレビで放送される頃にはすでに古く感じられてしまうことも多い。
だからこそ、作り手のセンスがとても重要になる。
本作はそのセンスが非常に優れている。
物語の終盤で真が告げた「おまえは、やめとけ」という短い言葉が良い例だ。
このような場面では格好をつけた長いセリフが使われがちだが、この作品はあえて単純な言葉を選んでいる。
無駄な飾りを省くことで、視聴者を惹きつける映像作りに成功しているのだ。
特別な飾りはいらない!自然と引き込まれる上質なドラマ
人間らしさを描く物語としても、謎解きを楽しむ作品としても、このドラマは非常によくできている。
今の時代は、セリフの言い回しや映像の見た目だけにこだわる作品も多い。
しかし、特別な装飾がない普通の設定であっても、自然と引き込まれてしまうものこそが、本当に質の高い作品といえる。
そうした視点から見ても、今作は心から楽しめる素晴らしい仕上がりだ。
あとがき
登場人物たちの心理戦や、過去のセリフが未来の伏線になっている構成は、まるで上質なミステリー小説を読んでいるかのようなワクワク感を与えてくれますね。
散らばったパズルのピースがどのように組み合わさっていくのか、これからの展開が非常に楽しみになる作品だと思います。
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正直不動産
正直不動産2
JKは雪女
女囚セブン
少年寅次郎
少年寅次郎スペシャル2020
昭和元禄落語心中
知らなくていいコト
シリーズ江戸川乱歩短編集IV
シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。
新・刑事吉永誠一
新宿セブン
新宿野戦病院
新・信長公記~クラスメートは戦国武将~
深夜食堂[3]
- 過去の連ドラの感想記事一覧(す~そ)
SUITS/スーツ
SUITS 2/スーツ2
水球ヤンキース
スカーレット
好きな人がいること
素敵な選TAXI
素敵な選TAXI[再]
スーパーサラリーマン左江内氏
すきすきワンワン!
スキャンダル専門弁護士 QUEEN
スティンガース 警視庁おとり捜査検証室
ストロベリーナイト・サーガ
スナック キズツキ
スパイラル~町工場の奇跡~
スペシャリスト
すべてがFになる
砂の塔~知りすぎた隣人
スニッファー嗅覚捜査官
スミカスミレ 45歳若返った女
住住(すむすむ)
正義のセ
正義の天秤
青春探偵ハルヤ
聖女
せいせいするほど、愛してる
世界一難しい恋
セカンド・ラブ
セシルのもくろみ
セミオトコ
全領域異常解決室
サバイバル・ウェディング
銭の戦争
絶対正義
絶対零度~未然犯罪潜入捜査~
絶対零度[4]~未然犯罪潜入捜査~[2]
セトウツミ
ゼロの真実~監察医・松本真央~
先生を消す方程式。
最後から二番目の恋
続・続・最後から二番目の恋
そして、誰もいなくなった
そのご縁、お届けします―メルカリであったほんとの話―
宙わたる教室・宙(そら)わたる教室
それぞれの断崖
それってパクリじゃないですか?
- 過去の連ドラの感想記事一覧(た)
DIVER-特殊潜入班-
大貧乏
DIVE!!
大恋愛~僕を忘れる君と
高嶺の花
田鎖ブラザーズ
戦う!書店ガール
玉川区役所 OF THE DEAD
民王
ダメな私に恋してください
タリオ 復讐代行の2人
探偵が早すぎる
探偵さん、リュック開いてますよ
探偵の探偵
探偵・由利麟太郎
小さな巨人
ちむどんどん
中学聖日記
超速パラヒーロー ガンディーン
ちょっとだけエスパー
終のひと
作りたい女と食べたい女
作りたい女と食べたい女(2)
燕は戻ってこない
妻、小学生になる。
デート ~恋とはどんなものかしら~
dele/ディーリー
ディア・ペイシェント~絆のカルテ~
DCU Deep Crime Unit ~手錠を持ったダイバー~
デザイナー 渋井直人の休日
デジタル・タトゥー
デスノート
テセウスの船
出入禁止(デキン)の女
テディ・ゴー!
デッドストック
デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士
天国と地獄 ~サイコな2人~
天使と悪魔
天使にリクエストを~人生最後の願い~
転職の魔王様
天皇の料理番
TWO WEEKS
東京スカーレット~警視庁NS係~
東京センチメンタル
東京タラレバ娘
東京独身男子
同窓生~人は、三度,恋をする~
東京サラダボウル
東京放置食堂
逃亡医F
透明なゆりかご
ドS刑事
時をかける少女
毒島ゆり子のせきらら日記
トクサツガガガ
ドクター調査班~医療事故の闇を暴け~
ドクターX ~外科医・大門未知子~[3]
ドクターX ~外科医・大門未知子~[4]
ドクターX ~外科医・大門未知子~[5]
ドクターX ~外科医・大門未知子~[6]
ドクターX~外科医・大門未知子~[7]
ドクターカー
DOCTORS 3 最強の名医
Dr.倫太郎
特捜9
トクメイ!警視庁特別会計係
匿名探偵[2]
とげ~小市民 倉永晴之の逆襲~
ど根性ガエル
突然ですが、明日結婚します
トップナイフ ―天才脳外科医の条件―
とと姉ちゃん
トドメの接吻
隣の家族は青く見える
となりの関くんとるみちゃんの事象
ドラゴン桜(2021年版)
虎に翼
ザ・トラベルナース
ザ・トラベルナース[2]
ドリームチーム
トリリオンゲーム
トレース~科捜研の男~
ドロ刑 -警視庁捜査三課-
- 過去の連ドラの感想記事一覧(な)
24 JAPAN
ナイト・ドクター/Night Doctor
ナイトヒーローNAOTO
ナオミとカナコ
凪のお暇
なつぞら
70才、初めて産みます セブンティウイザン。[地上波特別版]
ナポレオンの村
波うららかに、めおと日和
二月の勝者 -絶対合格の教室-
逃げるは恥だが役に立つ
逃げるは恥だが役に立つムズキュン特別編[再]
にじいろカルテ
日曜の夜ぐらいは…
ニッポンノワール-刑事Yの反乱-
日本沈没ー希望のひとー
ネメシス
ノーサイド・ゲーム
ノースライト
脳にスマホが埋められた!
「野ブタ。をプロデュース」特別編
信長協奏曲
信長のシェフ[2]
- 過去の連ドラの感想記事一覧(は行)
バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~
バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~
バイプレーヤーズ~名脇役の森の100日間~
バカボンのパパよりバカなパパ
白衣の戦士!
ハゲタカ(テレ朝)
ばけばけ
ハケン占い師アタル
ハケンの品格[2020]
ハコヅメ~たたかう!交番女子~
はじめまして、愛しています。
初めて恋をした日に読む話
八月は夜のバッティングセンターで。
初恋、ざらり
花子とアン
花咲舞が黙ってない
花咲舞が黙ってない[2024]
花のち晴れ~花男 Next Season~
母になる
ハヤブサ消防団
ばらかもん
ハラスメントゲーム
ハルカの光
ハル ~総合商社の女~
ハロー張りネズミ
半沢直樹[2020]
半分、青い。
パーフェクトワールド
BG~身辺警護人~
BG~身辺警護人~(第2章)
「PJ ~航空救難団~』
ヒガンバナ~警視庁捜査七課~
ひきこもり先生
悲熊
美食探偵 明智五郎
人は見た目が100パーセント
火の粉
100万回 言えばよかった
病室で念仏を唱えないでください
病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~
ひよっこ
ひよっこ2
ビリオン×スクール
Believe -君にかける橋-
昼のセント酒
HERO[2014]
ファーストクラス[2]
ファーストペンギン!
ファイトソング
FINAL CUT
ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん
フェルマーの料理
VRおじさんの初恋
不機嫌な果実
ブギウギ
不適切にもほどがある!
不便な便利屋
ブラックペアン
ブラックペアン シーズン2
フラジャイル
フランケンシュタインの恋
ブラックリベンジ
フリンジマン
フルーツ宅配便
ブルーモーメント
プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮
べしゃり暮らし
ヘッドハンター
べっぴんさん
ペテロの葬列
Heaven?~ご苦楽レストラン~
保育探偵25時
ボイス 110緊急指令室
ボーダーライン
HOPE~期待ゼロの新入社員~
ボク、運命の人です。
僕たちがやりました
ホクサイと飯さえあれば
僕とシッポと神楽坂
僕の初恋をキミに捧ぐ
僕のヤバイ妻
僕はどこから
僕らは奇跡でできている
僕達はまだその星の校則を知らない
星新一の不思議な不思議な短編ドラマ
星降る夜に
ホテルコンシェルジュ
ホリデイラブ
- 過去の連ドラの感想記事一覧(ま行)
舞いあがれ!
マイファミリー
マウンテンドクター
マザー・ゲーム
マジで航海してます。
まだ結婚できない男
マッサージ探偵ジョー
マッサン
まっしろ
真夏の少年~19452020
真夏のシンデレラ
真昼の悪魔
ママとパパが生きる理由。
ママはバーテンダー~今宵も踊ろう~
○○妻
まれ
まんぷく
未解決の女 警視庁文書捜査官[1]
未解決の女 警視庁文書捜査官[2]
未解決の女 警視庁文書捜査官[3]
みかづき
ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~
Missデビル人事の悪魔・椿眞子
ミステリと言う勿れ
南くんの恋人
御上先生
MIU404
未満警察 ミッドナイトランナー
未来への10カウント
民衆の敵
無痛~診える眼~
メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断
モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~
もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう
MOZU Season2 ~幻の翼~
元彼の遺言状
モトカレマニア
もみ消して冬 ~わが家の問題なかったことに~
問題のあるレストラン
問題物件
モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-
- 過去の連ドラの感想記事一覧(や~わ)
やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる
やさしい猫
ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~
屋根裏の恋人
山田孝之の東京都北区赤羽
ヤメゴク
ユーミンストーリーズ2024
ゆとりですがなにか
ユニコーンに乗って
ユニバーサル広告社
妖怪シェアハウス
ようこそ、わが家へ
4号警備
40万キロかなたの恋
4分間のマリーゴールド
[ら]
ライオンの隠れ家
ラヴソング
ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~
ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~
THE LAST COP/ラストコップ
ラストチャンス 再生請負人
ラスト・ドクター~監察医アキタの検死報告~
ラストマン-全盲の捜査官-
らんまん
リーガル・ハート ~いのちの再建弁護士~
リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~
リエゾン-こどものこころ診療所-
陸王
リコカツ
リスクの神様
リバース
リバーサルオーケストラ
リピート ~運命を変える10か月~
リブート
#リモラブ ~普通の恋は邪道~
竜の道 二つの顔の復讐者
路(ルウ)~台湾エクスプレス~
ルパンの娘[1]
ルパンの娘[2]
流星ワゴン
臨床心理学者 火村英生の推理
レッドアイズ 監視捜査班
恋愛時代
レンアイ漫画家
レンタル救世主
レンタルなんもしない人
レンタルの恋
六畳間のピアノマン
6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱
[わ]
ワイルド・ヒーローズ
若者たち2014
私 結婚できないんじゃなくて、しないんです
私たちはどうかしている
ワタシってサバサバしてるから
わたし、定時で帰ります。
わたしを離さないで
私のおじさん~WATAOJI~
私の家政夫ナギサさん
罠の戦争
わにとかげぎす
わろてんか
皆様のおかげで、2026年6月24日に4000万アクセス達成をいたしました。(御礼の投稿


