カーネーション:再放送 （第147,148回・2018/10/25） 感想

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』（公式）
第26（最終）週『あなたの愛は生きています』の『第147,148回』の感想。


※ 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。

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【第147回】
二階の改装が終わり、喜んだ糸子（夏木マリ）は、着物のリフォーム教室「撫子（なでしこ）の会」を開くと言い、孝枝（竹内都子）をあきれさせる。盛大な会が開かれ、着物から作られたドレスに、女性たちは歓声をあげる。栄之助（茂山逸平）に、父を亡くし元気がない譲（川岡大次郎）のことを尋ねる糸子。ある夜、2人が訪ねてくるが、親の死や自分の年齢を思い元気がない。糸子は“強くなくても、なんとかやっていける”と励ます。

【第148回】
優子（新山千春）は糸子（夏木マリ）に、東京の病院での講演の代役を頼む。多忙な糸子を孝枝（竹内都子）は心配するが、糸子は元気に出かけていく。講演の前、以前その病院の看護師長だった川上（あめくみちこ）という女性を紹介される。講演後に、糸子は川上とおしゃべりをしようとする。川上はかつて岸和田に住んでいたことがあり、糸子とは思わぬところでつながっていた。そこへ現れたのは、用事を終えて駆けつけた優子だった。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

【第147回】

やっと、第二部までと第三部が繋がった!

本放送時は、2012年3月27日（火）で、ついに第26（最終）週『あなたの愛は生きています』の第2日目。時は、平成17年（2005）5月。

少々がっかり気味の先週とこの最終週の月曜日で今回も期待せずにいたのだが、着物のリフォーム教室「撫子の会」を開催するくだりから、何かこれまでと違う雰囲気になった。特に、この↓糸子が着物のリフォーム教室を開くきっかけとなったスピーチが良かった。

糸子「企業秘密みたいなもんやけど
　　　ほんなセコい事 言うてたら
　　　日本中のたんすに肥やしが増えていくばっかしです。
　　　一日もはよ 一枚でも多く
　　　着物が生き返ってくれる方が ずっと うれしい。
　　　実は うちの父親は呉服屋やったんです」

やっと、尾野真千子版の糸子と夏木マリ版の糸子がシンクロしたって感じだ。やはり、私（視聴者）にとって、糸子の父・善作の印象は強烈にインプットされており、その話を持ち出されれば、走馬灯がグルグル回るように、第一部から第二部の出来事が押し寄せて来て、このスピーチに重なって行く。こう言うのはもっとやるべきだ（だった…）。

糸子の若い頃からの魅力を、上手に今に活かした!

父親を亡くして元気のない譲を、栄之助がオハラ洋装店に連れ出した。緊張がほぐれたのだろうか。譲が泣き出すと、糸子は傍にあった台拭きをハンカチ代わりに差し出す。この辺の豪快さや憎めない可愛らしさこそ、本来の糸子が若い頃からの魅力。そこを上手に引き出した。そして、第三部では引き出すべきだった…

"92歳の糸子の子育て" を描いて、脚本家の意地を見せた!

親の死、自身の年齢、背負う責任と怖さにビビる栄之助と譲に、はっぱをかけるような、この↓糸子の台詞にもグッと来た。

糸子「アホか！ ハハハハハ…。ほんなん 誰かて強ないわ。
　　　弱ても どないか つないで つないで やっていくしか ないんや。
　　　はあ みんな そうや。
　　　うちのボーイフレンド 見てみ？ 91人もおるがな。
　　　群れたり ごまかしたり 慰め合うたりしてるうちに
　　　人間は やっていけるんや。
　　　あんたらが やっていけん訳ないがな。う～ん 心配しな」

そして、場面は変わって、オハラ洋装店で譲と糸子たちがカステラを食べている。どうやら、以前に登場した「金箔カステラ」の金箔がバブルが弾けて無くなったようだ。そこでも、糸子が糸子らしいことを言う。当然と言えば当然なのだが…

糸子「余計なもん張らんかて 十分価値あんでなあ。うん おいしいわ」

この直後に、糸子が譲に父親の納骨が済んだことを聞いた後の台詞なんて、「金箔カステラ」と譲を対比させた面白いモノローグに仕上がっていた。

糸子(M)「なあ 譲。キラキラを剥がされて
　　　　 むき出しになってしもた40男の本性は
　　　　 あんたが思てるより もっと ずっと きれえなんやで」

三姉妹よりは格下ではあるが、第三部になっては三姉妹と同じくらいに馴染みがあるし、息子のいない糸子にとっては息子のような存在の譲と栄之助を使って、我が子を優しく諭すようなこの描写。ここ最近、ご無沙汰していた “糸子の子育て” の描写を久し振りに描き直した…そんな感じだろうか。

実は、里香でも “糸子の子育て” 風な描写はたくさんあったが、里香自身のキャラの薄さとお涙頂戴が透けて見え過ぎたエピソードだったため、私が感動するまでにはならずに終わった。

しかし、この度の父の死で元気のない譲を優しく諭し、40歳の1人の男を金箔の剥がれたカステラに例えて、それでもなお綺麗だとまとめるあたり、脚本家の「糸子の子育てを最後に最後に描いてやろう」と言う必死さと粘りを見せたと思う。

最終章ではこう言うのが見たかったのだ。92歳の糸子だから描ける “糸子の子育て” や “糸子の諭し” を。これを3週間前にやっておけば、もっと評価は上がったに違いない。残念ながら、最終週の火曜日では時既に遅し…と思う。しかし、脚本家の意地は見せたと思う。それは、きちんと評価したい。

【第148回】

う～ん、ここで周防の娘の登場かぁ…

本放送時は、2012年3月28日（水）で、第26（最終）週の第3日目。時は、平成17年（2005）12月。う～ん、ここで周防の娘の登場かぁ。確かに本作として、ドラマとしては間違っていないし、それなりの感動秘話になっていたとは思う。

周防の娘では、脚本家の意地を見せない方が良かった…

ただ、本編で使用されたモノクロの4カットの回想（第97回では10数カットで約1分のシーン）しか無く、その上、朝ドラだから不倫と言えども “御為ごかし” にしか描かなかったことを、最終週の水曜日まで引っ張って描いたのには、個人的には強引さが勝って見えてしまった。

前回では良い方向に使われた “脚本家の意地” が逆効果になったと思う。

当初から最終週にこれをやるのが分かっていたなら…

周防の娘・川上と優子（68歳には全く見えない）が泣き合うのは何となく理解出来るが、糸子が川上と再会？ して号泣するのも、流石にお涙頂戴過ぎるような。やはり、当初から最終週にこれをやるのが分かっていたなら、もっともっと周防の娘たちのことを掘り下げるべきだったと思う。

あとがき

この2回分は、仕上がりに歴然とした差が出てしまいましたね。結局、本作の特徴であり長所でもあり短所でもあるのが、時間経過の多用とエピソードの不連続性です。その結果、テンポ良く物語が進んだことと、尻切れエピソードが多くなったことと言う、相反する現象が混在してしまいました。

そして、次回もまた違う話でしょう。最終週くらいは、1つのエピソードで通せば良かったのにと思います…

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【これまでの感想】

第1週『あこがれ』
1,2 3,4 5,6
第2週『運命を開く』
7,8 9,10 11,12
第3週『熱い思い』
13,14 15,16 17,18
第4週『誇り』
19,20 21,22 23,24
第5週『私を見て』
25,26 27,28 29,30
第6週『乙女の真心』
31,32 33,34 35,36
第7週『移りゆく日々』
37,38 39,40 41 42
第8週『果報者』
43 44,45 46,47 48
第9週『いつも想う』
 49 50,51 52,53 54
第10週『秘密』
55 56,57 58,59 60
第11週『切なる願い』
61 62,63 64,65 66
第12週『薄れゆく希望』
67 68,69 70 71,72
第13週『生きる』
73,74 75
第14週『明るい未来』
76 77,78 79
第15週『愛する力』
80 81,82 83,84 85
第16週『揺れる心』
86 87,88 89,90 91
第17週『隠しきれない恋』
92 93,94 95,96 97
第18週『ライバル』
98 99,100 101,102 103
第19週『自信』
104 105,106 107,108 109
第20週『あなたを守りたい』
110 1111,112 1113,114 115
第21週『鮮やかな態度』
116 117,118 119,120 121
第22週『悔いなき青春』
122 123,124 125,126 127
第23週『まどわせないで』
128 129,130 131,132 133
第24週『宣言』
134 135,136 137,138 139
第25週『奇跡』
140 141,142 143,144 145
第26（最終）週『あなたの愛は生きています』
146

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【"2024年4月期/春ドラマの期待度" を投稿しました】
『2024年4月期/春ドラマの視聴予定＆期待度! 配役,スタッフ,概要などの情報も満載!』を投稿しました。読者の皆さんの見逃したくない連ドラを見つけるお役に立てれば幸いです。

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